第10話 案内1
文がおかしい所もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
「確かにその任は承ったが、オレの腕はどうなっているんだ?ちゃんと説明をして欲しい。」
あの時は、確かに切られた感覚があった。それに、服も左肩から切り裂かれている。それなのに今は、違和感なく今までの通りに動いているのだ。
自分の腕かどうかを疑わずにはいられないだろう。
「ああ、約束通り教えよう。あやつはな、支配権限を持っておれば、『反逆者の楽園』に入ると精霊で自分の傷を再生するようにしておったのだ。どうやって支配権限を獲得したのかは知らんが、お主の腕も精霊で出来とるのではないか?」
そう言われて、ログを見直してみる。確かに精霊で再構築されているようだ。ただの精霊では無いようだが……。
それにしても、この[選定者]という称号は本当に沢山効果があるな。まだまだ効果があるのかと思ってしまう。いや、実際あるのだろう。
「……確かにそのようだな。」
そういえば、ポイントやスキルも沢山獲得しているようだ。後でステータスを確認しておこう。
そう考えていると、またヴォルティカスが話し掛けてきた。
「それはそうと、直ぐに人里へ向かうのか?エレナを探してくれるのは嬉しいのだが、そう急がんでも良い。此処で準備が出来るまで、暮らして行っても良かろう。案内するぞ。」
その申し出は実に嬉しい。流石に意識を取り戻した直ぐ後で、あの園を抜けられる自信はないからな。
それにアイテムも揃えておきたい。
「ああ、それは有難い。よろしく頼む。」
「そうか!ならば早速家に行こうではないか!」
ヴォルティカスは満足そうに頷くと、意気揚々と答えた。
その姿に満足したオレは、ミデン逹に確認をとるために振り返る。
そこには、目に涙を潤ませたミデンと、尻尾を萎えさせた氷大狼が居た。
「マスターのバカぁあああ!」
抑えきれない涙が、傍沱の如く溢れ出しながら抱き付いてくる。
「ど、どうしたんだ?」
「だっで…ますだーが……腕を切られて……死んじゃったらどうじようと思って!」
泣きながらつっかえつつも、伝えてくる。
泣くまで心配してくれたのか。そういえばガチャで出てきた奴は忠誠心が高い設定になっていることを忘れていた。
確かに自分の主が死にそうになったら、心配するのも当然か。
「心配させてごめんな。」
背中に手を回し、優しく叩いてあやす。これは泣き止むまで待つしかないかな?
「取り乱してすみませんでした。マスター。」
そう言ってミデンは、オレから離れる。若干目元と頬が赤いが、恥ずかしかったのだろう。氷大狼も元気に尻尾を振っているようだ。
「いや、大丈夫だ。」
こう見てみると、取り乱していたミデンとも可愛いものだ。
「でも、もうあんな無茶はしないで下さいね!」
「ああ、分かっている。」
勿論、これからは極力無茶はしないつもりだ。
そこに先程までずっと待っていたヴォルティカスが話し掛けてきた。
「それでは行くとしようか。」
◇◆◇
あの後、初回ガチャで出た黒いYシャツに着替え、案内を受ける事になった。
着替えていた時は、ミデンだけは頬を赤く染め恥ずかしがっていた。まだまだ頼もしそうに見えて、精神は子供なんだろう。自分も、身体は人の事を言えた事ではないがな。
そんな事がありつつ、案内をされている道中、気になっていたことを聞いてみた。
「この『反逆者の楽園』に入るには、侵入権限が必要なのか?」
そう尋ねると、ヴォルティカスは驚愕した顔つきになる。
「何故お主がそんな事を知っておるのじゃ!?」
「少々便利なスキルがあってな。」
此処でメニューの説明をしても、理解されない事は確かだし、スキルと誤魔化した方が、何かと都合が良いだろう。
「一体どんなスキルなんじゃ……。まあ良い、確かに此処に入るには侵入権限が必要だ。正確には通行権限じゃがな。」
「ん?それはどういう事だ?」
「侵入権限とは、緊急の場合にのみ与えられる、言わば仮の通行権限なのじゃ。この楽園の周囲には特殊な結界が張っておっての、権限を持っておらん輩は通る事が出来んのじゃ。敵意のない人間やその従魔ならば、一律で貰う事が出来るのじゃが、お主もそうなのじゃろう。」
そういう事だったのか。それにしても、随分な防犯設備だな。過剰過ぎやしないか?
そう思い至ったとき、オレは『絶望の園』の事を思い出した。確かに、あの園に囲まれていれば、これ程の設備になるのには頷けるだろう。作り方は全くわからないが。
それと、普通のレベルを知らないかた何とも言えないが、人間が此処まで来ること事態が不可能だと思う。逆にこのレベルが普通だったら、オレはこの世界で生きていける気がしない。
まあそれはさて置き、仮というからには何かデメリットが存在するのだろうか?ヴォルティカスに聞いてみる。
「侵入権限が仮ならば、何かしらのデメリットがあるのか?」
「勿論あるぞ。その権限には有効期限が存在してな、1週間もすると効果を失うのだ。我は通行権限を持っておるため、問題は無いがな。」
それは手厳しい。此処は唯一の安全ポイントとも言えるため、なるべく自由に入れるようにしておきたい。
さらに詳しく、通行権限を獲得できるかどうか聞いてみる。
「オレもその、通行権限を得る事は出来ないのか?」
「支配権限を持っておるものが、結界の動力源がある場所で許可を出せば良いだけじゃぞ。お主は自分で出来るのではないか?」
それもそうだな。だが、こんな簡単に貰って良いモノなのか?それだけが疑問だ。
「何やら悩んでおるようじゃが、別にもう支配権限を持っておるのじゃ。それぐらい変わらんよ。」
ヴォルティカスは微笑みながら、そう話しかける。
どうやら顔に出ていたようだ、気を付けなければ。
それにしても、支配権限の方が余程重要なようしな。此処は有り難く貰っておこう。
「分かった。通行権限を受け取らせて貰おう。だが、その結界の動力源は何処にあるんだ?」
「そうかそうか!受け取るか!動力源の場所なのだが……お、どうやら見えてきたようだ。」
にっこりと笑って受け取る事を喜んでいたが、先に見えてきた建造物に足を止め、指を指した。
「あそこがエレナの家だ!そして、動力源がある場所でもある。」
オレも同じように足を止め、ヴォルティカスが指を指す方向に目を向ける。づるとそこには、巨大な豪邸が佇んでいた。
そろそろテストが近いので、暫く投稿はお休みです。




