プロローグ 二人の黒い文様
ノベルゲーム「刻印が重なるまで」の前日譚です。
ネタバレになるのでゲーム本編後に見ることを推奨します。
「体の容態は?アースランド。」
「うーん、全然平気なんだよね。ヤマタドナは?」
「私も何ともない。全く、この文様は不気味だな。」
互いの体に浮かぶ黒い文様を無言で見比べる。調べてみてもこの文様についてはよくわからない。ただわかるのは発症してから5年しか命は持たない。
「…確かに、そうだね。」
「定められた運命からは何物も逃れられない、か…。私もあと三年だ…。」
「天狐ちゃんは私がいなくなって大丈夫かな…。友達いなさそうだし…。」
「心配するところはそこか?よくその獣人の話を聞くが、いずれ私たちと同じように発症するだろう。」
「そうなんだ…。」
「九尾は例外ないだろうな。きっかけがあればな。」
「そっか…。」
「ああ。」
「…ねぇ、私はここまでなのかな?」
アースランドの顔に涙が浮かび上がる。
「…まだ終わらないさ。」
「死にたくないよ。まだみんなと一緒に居たい。天狐ちゃんもヤマタドナのことも…置いてはいけないよ。」
「…一人で、抱えるなよ。」
「わかってる、落ち込んでるところなんてあの子に見せられないよ。」
「…そうだな。」
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「…ねぇ、ヤマタドナ。」
「なんだ?アースランド。」
「天狐ちゃんのこと、任せたよ?」
「私も長くは居てやれないぞ…。」
「わかってる、少しの間でいいからさ。」
「…わかったよ。」
「ふふ、ありがとう。じゃあ行くね。」
「天狐のところへ行くんだろ?着いていくぞ。」
「ううん、大丈夫。一人がいい。」
「そうか…。」
「うん、じゃあまたね。私の親友。」
「…ああ、またな。」




