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24/28

24.じゃじゃ馬令嬢は事故チューをやり直したい

更新期間が空いてしまいた…

久々更新です。

読んで頂けると幸いです

ステラとバスティンが孤児院を訪問した日から数日後…


ステラは自室で1人寝る前に考えながらペンを走らせていた。


(一旦、"オンラブ"の内容をざっと整理しよう。この間みたいにアーノルドとグレイスと遭遇したらたまったもんじゃないもんね)


ステラはやってられないといわんばかりの表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「現段階で"オンラブ"のストーリーとしては狩猟大会後に更に仲を深めたアーノルドとグレイスが2人で孤児院へ訪れるってとこまでは進んでるよね」


ステラはブツブツと言いながら紙にメモ書きをした。


「確か今後のストーリーの流れは、、」


ステラはそう呟くと"オンラブ"の内容を思い出そうとした。


「孤児院訪問でアーノルドは完全にグレイスに落ちたんだったよね。誰にでも心優しく隔たりなく接するグレイスにどんどん惹かれていったんだよね」


ステラはストーリーを思い出しながら呟いた。


「そして、その後はそれまで以上にステラに対する態度があからさまに冷たく適当になっていくんだよね」


ステラは更に呟いた。


「アーノルドのやつステラを容姿も完璧で家柄も完璧ってだけでただ上手く転がしてキープ女として扱ってただけだよね。本当に何回思い返しても最低最悪の王子じゃん。本当にステラ哀れでならないよ」


ステラは不満気な表情でそんな事を考えていた。


「アーノルドのステラに対するあからさまな態度の冷たさにステラはショックが隠せず凄く傷つくんだよね、、。そんなステラなんて気にする事なくアーノルドはグレイスとの時間を楽しく過ごすんだったよね」


ステラは更に"オンラブ"のストーリー内容を思い出しながら呟いた。


「そんな2人が楽しく過ごしている間にステラは心が壊れ始めてグレイスを嫉妬から憎む様になりこの頃から悪女化が始まりグレイスの暗殺を計画し始めるんだよね。それでステラはお父様の弟子でありグレイスにいい印象を抱いていないバスティンに暗殺の共犯計画を持ちかけるんだよね」


ステラは原作のストーリーを思い出しながら呟いた。


「ステラがバスティンにそんな話を持ちかけてるなんて少しも知らないアーノルドとグレイスは確か、、首都の街で3年に一度開催される花祭りにお忍びで行くんだったなぁ」


ステラは更にストーリーを思い出しなが呟いた。


「そして花祭りの日にアーノルドがグレイスにグレイスを心から愛しているから自分の妃になって欲しいと言うとグレイスは泣いて喜びながら自分もアーノルドに愛していると伝えて2人は初めてのキスをするんだったよね」


ステラは更にストーリーを思い出しながら呟いた。


「チッ。散々ステラの気持ちを弄んどいて自分はグレイスとよろしくやるなんて本当にアーノルドってクズすぎない?前世で小説読んでる時もかなりイラったしたけど実際に自分がこの世界に転生してそんな事が起きると思うと私がアーノルドに対して何も思ってなくても何か腹立つわぁ」


ステラは不満気な表情で呟いた。


「2人の花祭りお忍びデートの噂は翌日にはまたたくまに広まりそれを期にアーノルドは正式にグレイスを皇太子妃に迎えると声明を出すんだよね。そしてステラにはたった1つの愛を見つけたからと残酷なまでにそう伝えるんだよね」


ステラは呟いた。


「そのアーノルドの一言が完全にステラは心を壊して悪女になるんだよね。グレイスを皇太子妃に迎えるとの声明が出てから少しの間はステラとバスティンはグレイスの暗殺計画を念入りに立てる為に大人しくしていたけど声明が出てから2ヶ月後にステラとバスティンは動き出すんだよね」


ステラは更に呟いた。


「グレイスが皇太子妃として教育を受ける為に皇居へ入る日にステラとバスティンは暗殺計画を実行した。皇居へ向かうグレイスを襲い不気味だと誰も近寄ろうとしなかったラスター公爵邸近くの森へ連れ去った。そこでステラはグレイスをすぐには殺さずムチでグレイスを何度も打ち体を痛めつけて傷だらけにした。何度も止めて欲しいと涙ながらにお願いするグレイスを無視してステラはグレイスを痛め続けた。そして気を失うグレイスに水をかけて起こすとバスティンがグレイスの体を動かないように掴んだ。そしてステラは動けなくなったグレイスに猛毒入りのワインを無理矢理飲ませようとした。しかしその時にアーノルドがサティスを連れてグレイスを救出しにきて暗殺は失敗に終わったんだよね」


ステラは眉間にシワを寄せながら呟いた。


(しかし、小説読んでてた時も思ったけどステラは悪女としての素質があったんじゃない?っていうくらいなかなかの恐ろしい計画を実行したものだねぇ。まぁそれだけアーノルドを愛してたからだろうし愛してた分あんな仕打ちされたら心が壊れてそんな行動をとることでしかどうにもならなかったのかもね。バスティンを誘ったのももしかしたら心の何処かで自分と似ているのかと思ったのかもしれないしね)


ステラは少し切ない表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「まぁたけど実際にグレイスが皇太子妃になっても暗殺が実行されることはないからそこの心配はいらないよね。てことで今後アーノルドとグレイスバカップルに遭遇しない為にも近々行われる花祭りに行くのは避けた方がいいってことだね」


ステラは気持ちを切り替えて言った。


「花祭りかぁ。確か花祭りでは花売りから花の苗を買ってその花の苗を好きな相手と一緒に大広場にある花壇に植えると2人は永遠に幸せになれるっていうジンクスがあったんだっよね?そんな夢見たいなロマンチックな場所ならバスティンと行きたかったなぁ。バスティンと花の苗植えたかったなぁ。バスティンとの花祭りデートしたかったなぁ。バスティンと手繋ぎデートしたかったなぁ。でも、花祭りに行くとアーノルド達と遭遇してこないだみたいにバスティンが嫌な気持ちにさせられる様な事があって欲しくないもんね」


ステラは残念そうに呟いた。


「本当にどこまでもあの2人はあたしとバスティンのラブライフを邪魔してばっかなんだから。主人公とヒロインフィルターうっざ!」


ステラは不満気な表情で呟いた。


「マジでとっと花祭りストーリーも皇太子妃声明ストーリーも終わってほしいわ。それさえ終われば処刑ルートもないわけだしバスティンと今よりもっともっとラブライフを送れるってことだもん。もうそれだけを楽しみにそれまでのストーリー展開を上手く回避しつつ過ぎ去るのを待つしかないよねぇ」


ステラは困り顔を浮かべて呟いた。


「花祭りに行けないのは残念だけどね。バスティンと一緒ならどこ行ったって楽しいし幸せな時間を過ごせるもんね」


ステラはニヤニヤしながら呟いた。


その後ステラはニヤニヤしながら眠りについたのだった…




(どうして?どうしてこうなった?何故?!)


ステラはギョッとした表情を浮かべてそんな事を考えていた。


それもそのはずだった…

何故なら…


ステラは今まさにダニー、ジョシュア、バスティン、ペーターと共に花祭りに向かっているからだった。


(何で私達が花祭りに向かってるわけ?あれだけ花祭りを避けようと思ってたのに?!)


ステラは街へ向かう馬車の中でそんな事を考えていた。


(しかも、何でバスティンとは馬車が違うわけ?せめてそこはバスティンと同じ馬車に乗せてくれって話なわけでさぁ。本当にお父様もお兄様もそういうとこ融通きかないんだね)


ステラは不満気な表情をあらわにしながらそんな事を考えていた。


(てゆうか、花祭りに駆り出すって事はまたアーノルドとグレイスに遭遇するかもしんないじゃん。遭遇しない為に花祭りは避けようとしたのにこれじゃぁまた"オンラブ"のストーリーに巻き込まれるじゃん)


ステラは不満気な表情のままそんな事を考えていた。


(こうなったら意地でもアーノルド達と遭遇しない為にあの2人が行く場所に近づかないようにしなきゃね。今はあの2人と会いたくないしね。不快だから)


ステラは窓の外を見ながら不満気な表情でそんな事を考えていた。


何故ステラが花祭りに向かっているか…


それは2日前の出来事だった…


2日前…


ステラはこの日リサを連れて出かけていた。

ステラは自室を更に推し部屋に仕上げる為に必要な物を大量購入するためだった。


ステラとリサは買い物を終えて帰宅した。


するとバートン公爵邸に見慣れた馬車が停まっていた。


「ちょっと!リサあれを見て!あれは間違いなくラスター公爵家の馬車よね?!」


ステラは目をギラつかせながらリサへ言った。


「そのようですね」


リサは馬車を見て頷きながら言った。


「という事は、、公爵様が今うちに来てるってことよね?!」


ステラは興奮気味に言った。


「恐らくそうでしょうね」


リサが言った。


(よっしゃ!バスティンがうちに来てるなんてラッキーステラじゃん。お父様の意味わからない条件のせいでバスティンとはあの孤児院に行った日から会えてなくてしょんぼりモードだったけどまさかバスティンがうちにいるなんて。バスティンに会える♡嬉しいな♡)


ステラは一気にテンションが上がりそんな事を考えていた。


(でも、バスティンてば来るなら前もって教えてくれたら良かったのになぁ〜。もしかして急遽的な感じなのかなー?まっ、そこんとこは何でもいいかぁ。バスティンに会えるんだから)


ステラはふとそんな事を気にするもすぐにご機嫌になりそんな事を考えていた。


「リサ、荷物を部屋まで運んできてくれる?私は公爵様に挨拶してくるから」


ステラは嬉しそうに言った。


「承知しました」


リサはそんなステラを見てふっと笑みを浮かべて言った。


(早く公爵様に会いたくてたまらないのね。ここ最近は公爵様にお会い出来ず拗ねてらしたから良かったわ)


リサはそんな事を考えていた。


「ありがとう」


ステラは笑顔でそう言うとバスティンがいるというダニーの執務室へ向かった。


(バスティン♡バスティン♡)


ステラは軽くスキップしながらルンルンでダニーの執務室へ向かっていた。


ステラがダニーの執務室の目の前まで来て扉をノックしようとした時だった…


部屋の中からダニーとバスティンとジョシュアが話す声が外まで漏れ聞こえてきた。


「やはり今回の一連の事には全て同じ貴族が関わっているということですか?!」


バスティンが驚いた声で言った。


(なんですって?!)


ステラはバスティンの声を聞いて驚いた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「ああ。昨夜急ぎで陛下から連絡を貰ってな、、。やはり我々が思っていた通り一連の事件には同じ貴族が関わっているようだ」


ダニーは深刻そうな声で言った。


「一連というのはつまり、、」


バスティンが深刻そうな声で言った。


「あぁ。君が考えている通りの一連の事件だ」


ジョシュアが深刻そうな声で言った。


(どいうこと?一連ってどこからどこの事件のことなの?狩猟大会での事件と他に何が関連してるわけ?)


ステラは3人の話を聞きながらそんな事を考えていた。


「まさか、、アルイとサティス殿が襲われた事件からステラ嬢含めた少女たちの誘拐事件まで全てが関連していたとは、、」


バスティンは深刻そうな声で言った。


(え?!誘拐事件やルイルイ達がリンチされた事件まで狩猟大会の事件と関連してるの?!それも全部同じ貴族が関わってるって?!どいうこと?!)


ステラは驚きそんな事を考えていた。


「まさかとは思っていたがそのまさかだったとはな、、。グンダリルに詳しいサティス殿が内密に調べてくれていたのだが得た情報を集めて出た結果だから間違いない一連の事件は全てグンダリルが関係している上に同じ貴族が絡んでいる」


ダニーが深刻そうな声で言った。


(グンダリル、、。確かにルイルイ達をリンチした奴らからもグンダリルの臭いがしたし熊からもした。でも、、あの誘拐犯たちからグンダリルの臭いはしなかった気がするけど、、)


ステラはそんな事を考えていた。


(あっ!もしかしてあの時はグンダリルを使用してなったとしても常習的に使ってなら話は別だよね。誘拐犯をする代わりに金品+グンダリルが報酬だったとしたら?それに誘拐犯達にグンダリルの常習性があったならサティスほどグンダリルが詳しい人なら見ただけで常習性があるかわかるはず。ということはサティスがあの誘拐犯達のグンダリル常習性を判断したっぽいね)


ステラはそんな事を考えていた。


「今はまだこの国にグンダリルという存在は知れ渡っていないがいつこの国にグンダリルが知れ広まり混乱を招くかわからない。そうなる前にグンダリルの現在のこの国での出回り具合と関わっている貴族が誰なのかを早急に突き止めなければならない」


ダニーが深刻そうな声で言った。


(確かにその通りだよね。グンダリルくらいの危険薬物がこれ以上出回ったら国の大きな問題に発展するしね。それより絡んでる貴族か、、。一体どこのくず貴族が絡んでんだろう)


ステラは深刻そうな表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「はい。とにかく今は我々で最善を尽くせる事をするまでです」


バスティンが深刻そうな声で言った。


「まずは、近々ある、、に、、我々も、、」


ダニーが何か言ったが言葉が途切れ途切れで上手く聞こえなかった。


(何て?上手く聞き取れなかった)


ステラは慌ててそんな事を考えていた。


「そしてこの事はステラの耳に入らない様に気をつけろ。ステラが知れば自分も協力すると言いかねないからな。こんな危険な事にステラを巻き込むなど絶対にあってはならないからな」


ダニーが力強く言いった。


「「はい」」


バスティンとジョシュアは力強く言った。


(いや、、ごめなさいけど全部聞いちゃったよ?てか、あたしにだけ秘密にするつもりだったわけ?!あたしを危険な事に巻き込みたくないのは分かるけどここまで聞いてはいそうですかって黙って聞かなかったことにできる?、、否!)


ステラはギョッとした表情でそんな事を考えていた。


そして…


バーーーン!


ステラは執務室の扉を勢いよく開けた。


「ス、、ステラ?!」


ダニーがとても驚いた表情を浮かべて言った。


「スーがどうして、、」


ジョシュアも驚いた表情を浮かべて言った。


「ステラ嬢、、」


バスティンも驚いた表情を浮かべて言った。


「話は聞かせてもらいました。お父様達が私を危険な目に遭わせたくないという気持ちは理解できます。ですが話を聞いて私が黙って大人しくしていると?いいえ!話を聞いてしまったからには協力させてもらいます」


ステラが勢いよくバーンと言った。


「いつから我々の話を聞いていたのだ?」


ダニーが唖然した表情で言った。


「今回の一連の〜からです」


ステラはドヤ顔で言った。


「ほぼ始めからではないか、、」


ダニーは頭を抱えながら言った。


「スー。スーの気持ちも分かるけれど今回の事はやはりスーを関わらせる訳にはいかないんだ。想像のつかない危険な事が待ち受けているかもしれないからな」


ジョシュアが深刻そうな表情で言った。


「ジョシュアの言う通りだ。今回の件に関しては我々が思っている以上に危険が待ち受けているかもしれない。そんな件に大切なステラを関わらせたくないんだ」


ダニーが切実に言った。


「私も師匠達と同意見だ。今回ばかりは君を関わらせたくない」


バスティンは複雑な表情を浮かべて言った。


「、、分かりました、、」


ステラは不満気な表情で言った。


(バスティンにまでそう言われたら引き下がるしかないじゃん。バスティンに迷惑かけるの嫌だし)


ステラはそんな事を考えていた。


「分かってくれてありがとう、、ステラ」


ダニーがホッとした表情を浮かべて言った。


ジョシュアとバスティンも安堵した表情を浮かべて言った。


(何か仲間外れにされた気分だけど仕方ないよねぇ。あたしは一介の貴族令嬢なわけで騎士団の団員でもないんだしね)


ステラはどこか不満気な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


そんなステラの表情を見てダニーとジョシュアはステラを関わらせないという事を言ったばかりにステラに嫌われてしまったらどうしようという恐怖が襲っていた。


「ジョシュア、、ステラのあの表情は一体どんな心境の表情なのだ?」


ダニーが戸惑った表情を浮かべてジョシュアに目で訴えた。


「分かりません。ですがいい表情とは言えないのは確かです」


ジョシュアも戸惑う表情を浮かべてダニーへ目で訴えた。


「ステラは仲間外れにされたと思っているだろうか?我々に怒っているのだろうか?また我々の事を無視するなど言い出さないよな?」


ダニーは焦った表情でジョシュアに目で訴えた。


「父上!そんな恐ろしい事を言わないで下さい」


ジョシュアは焦った表情でダニーに目で訴えた。


「一先ずここは事態を収拾せねばならない。どうにかしてステラの機嫌を取らなければ我々に待つのはステラからの冷たい視線と態度だ」


ダニーはゾッとした表情でジョシュアに目で訴えた。


「そうですね。スーの機嫌を取るに越したことはないですね」


ジョシュアは小さく頷きながらダニーへ目で訴えた。


「どうすればステラの機嫌が良くなるだろうか、、」


ダニーは悩む表情を浮かべてジョシュアへ目で訴えた。


「そうですね、、。あっ!でしたら先程の花祭りを使うのはどうですか?不本意ではありますがバスティンと花祭りを楽しめと言えばスーは間違いなく一瞬で上機嫌になるはずです。元々我々とバスティンとペーターで花祭りに行き情報収集をする予定でしたので我々も花祭りには足を運ぶのでついでにバスティンがスーに変なことをしないかも監視できますし」


ジョシュアはパァッと表情を明るくさせながらダニーへ目で訴えた。


「それはいい考えだな。よしその計画でステラの機嫌をとるとしよう」


ダニーは一筋に差した光を見つけたような表情を浮かべてジョシュアへ目で訴えた。


(ていうかお父様達の話って終わったんだよね?じゃぁもうバスティンはフリータイムってことよね?ならあたしとの時間過ごせるってことでおk?)


ステラはダニー達が考えてる様な事は一切なくそんな事を考えていた。


そして…


「コホンッ、、。ステラ。私から提案があるのだが、、」


ダニーが少し緊張気味にステラへ言った。


「提案ですか?」


ステラが??という表情を浮かべて言った。


(提案って何なに?!お父様の事だからま〜た何か変なこと考えてんじゃないでしょうね)


ステラはそんな事を考えていた。


「その、、来週バスティンとデ、、デ、、デートをしてきてはどうだ?ここ最近バスティンとの時間を過ごせていないだろう?」


ダニーが複雑ながらも笑みを作り言った。


(本当はバスティンとデートなどという言葉すらも使いたくないがステラに嫌われない為にもここは堪えなければな)


ダニーはそんな事を考えていた。


「デートですか?!本当ですか?!」


ステラはダニーの言葉を聞いた瞬間飛び跳ねる様な勢いで喜び言った。


「あ、あぁ」


ダニーは一生懸命作り笑いを浮かべて言った。


「まさか、、デートするにあたって条件などあるわけではないですよね?純粋にデートを楽しめということでよろしいのですよね?!」


ステラは一瞬喜ぶのを止めて少し考えたのちに目を細めつつダニーの目をじっと見ながら言った。


(よく考えたらお父様からこんなサラッとラッキーな言葉が出てくるなんてありえない。絶対何か企んでるか条件を出してくるんじゃないの?)


ステラはそんな事を考えていた。


「条件などはない。本当に純粋にステラに楽しんできて欲しいと思っているんだ。そうだよな?ジョシュア」


ダニーは一瞬ビクッとなりながらもすぐに笑みを浮かべて誤魔化し言うとジョシュアにも話を振った。


「は、はい。父上。スー本当に私達は純粋にステラが楽しんでくれるといいと思っているんだ。いつも私達がバスティンとの事をガチガチ言い過ぎていたからな」


ジョシュアは誤魔化すように笑みを浮かべて言った。


(本当にただデートしてきていいってこと?!信じてもいいの?)


ステラはそんな事を考えていた。


「師匠、、」


バスティンがステラ達の会話を聞き戸惑いつつ言った。


(一体どういう風の吹き回しだ?師匠もジョシュアも未だに私とステラ嬢の関係にネチネチ言ってくる程だというのに)


バスティンは戸惑いつつそんな事を考えていた。


「お父様、お兄様、男に二言はないですね?!」


ステラはバスティンの言葉を遮り前のめりになりダニーとジョシュアへ言った。


「も、もちろんだとも」


「もちろんだよ」


ダニーとジョシュアは頑張って笑顔を作り頷きながら言った。


「分かりました。ではお言葉に甘えて公爵様とのデートを存分に楽しんできますね」


ステラは満足気な笑みを浮かべて言った。


(本当に条件とかはなさそうだね。こんな奇跡に近いチャンスをものにしないなんてありえないから門限ギリギリまで思い切りバスティンとデートしちゃうんだから)


ステラはそんな事を考えていた。


「あ、あぁ」


「あぁ」


ダニーとジョシュアは顔が引きつるのを必死で堪えながら笑みを浮かべて言った。


(ステラに嫌われないためだ、、)


ダニーは内心苦渋な心中の中そんな事を考えていた。


(スーに嫌われない為には我慢だ、、)


ジョシュアもダニー同様の心中でそんな事を考えていた。


「ステラ、今回のデートはバスティンにデート内容を決めてもらうのはどうだ?」


ダニーが必死に作り笑いを浮かべて言った。


「公爵様にですか?」


ステラは一瞬目を細めて言った。


「はい?私がですか?!」


バスティンが驚き言った。


(どうして急にそんなことを?やっぱり何か企んでるわけ?)


ステラはそんな事を考えていた。


「あ、あぁ。どうせいつもステラ任せでバスティンからはどこかに行こうなど言わないだろう?たまにはバスティンに決めさせるのも悪くないのではないか?私がミシェルと恋人同士の時はよく私がミシェルに喜んでもらおうとデートコースを夜な夜な考えたものだ」


ダニーはステラの表情を見て一瞬まずいと思うも自分の体験談を混じえながら冷静を装い言った。


「お母様とのデートコースをお父様がですか、、」


ステラは考え込むような表情で呟いた。


(うん、、。確かにバスティンにデートコースを選んでもらうのもありっちゃありだよね。あたしの為にバスティンが考えてくれるとか幸すぎるもんね)


ステラはそんな事を考えていた。


「分かりました。では、今回のデートコースは公爵様にお任せすることにします」


ステラは笑みを浮かべて言った。


「そうかそうか」


ダニーは満足気に言った。


「公爵様それでよろしいですか?」


ステラは目を輝かせながらバスティンへ言った。


「あ、あぁ」


バスティンは戸惑いつつ頷きながら言った。


「ありがとうございます。楽しみにしてますね」


ステラは嬉しそうに笑みを浮かべて言った。


(やったぁ!)


ステラはそんな事を考えていた。


(そんなに嬉しそうな顔をされては断れる訳がないな)


バスティンは喜ぶステラを見てフッと笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


「では、ステラ。すまないがジョシュアとバスティンにもう少し話さなければならない仕事の話があるから少し席を外してくれるか?」


ダニーが申し訳なさそうに言った。


「分かりました。では、私はこれで失礼しますね」


ステラが頷きながら言った。


「あぁ」


ダニーが頷きながら言った。


「公爵様せっかく来られたのですからお父様とお兄様とお話が終わったら一緒にお茶でも飲みましょうね。用意してお待ちしてますから」


ステラは嬉しそうにバスティンへ言った。


「あぁ」


バスティンは優しい表情を浮かべて頷きながら言った。


「我々も一緒に、、」


ダニーが期待の表情を浮かべて言った。


「いいえ。私は公爵様と2人で、、2人だけでお茶を飲みたいのでお父様とお兄様はご遠慮下さい。ご遠慮頂けますよね?」


ステラは圧のこもった笑みを浮かべてダニーとジョシュアへ言った。


「あ、、あぁ」


「わかったよ」


ダニーとジョシュアはあからさまにしょんぼりとした表情で頷きながら言った。


「では、失礼します」


ステラは笑顔で言うと部屋を出て行った。


「それで、、師匠。一体どういう風の吹き回しですか?ステラ嬢にはああ言っていましたがあの様な事を言ったのには理由があるのでしょう?」


バスティンはステラが部屋から出て離れて言ったのを確認するとダニーへ呆れた表情を浮かべて言った。


(やはりどう考えても何か企んでいるとしか思えないからな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「ハッ!当たり前だ。何が嬉しくて私とジョシュアがお前とステラのデートを後押ししなければならないのだ」


ダニーは不満気な表情を浮かべて言った。


「そうだ。父上と私が喜んでバスティン達のデートを望むわけがないだろう」


ジョシュアは不貞腐れた表情で言った。


「はぁ、、。それで何を企んでるいるのですか?」


バスティンは呆れた表情で言った。


(やはりな、、)


バスティンは呆れたままそんな事を考えていた。


「バスティンからステラにデートコースとして花祭りに誘うのだ」


ダニーが言った。


「花祭りに?!しかし、花祭りには情報を得るために私とペーター。師匠とジョシュアで参加して内密に情報収集をするのではなかったのですか?!それをステラ嬢を花祭りに誘うなど、、危険です」


バスティンは驚きと不満の混じった表情を浮かべて言った。


「だからだ。花祭りだと私とジョシュアも参加する。だからだ。私とジョシュアがいるのでバスティンはステラに対して変なことをできないだろう?」


ダニーが堂々した態度で言った。


「変なことなどしませんよ!」


バスティンは驚きと呆れの混じった表情で言った。


「あれだけ美しい娘だぞ?そんなことその時になってみたらわからないだろう。だから我々が情報収集をしつつバスティンとステラの行動も監視するんだ。それに我々とペーター。ステラの横にバスティンがいてステラを危険な目などに遭わせる訳がないだろう」


ダニーは更に言った。


(はぁ、、。まさかとは思っていたが師匠とジョシュアがここまで計画的に考えてステラ嬢に私とのデートを提案したとはな、、)


バスティンは呆れた表情でそんな事を考えていた。


「しかし何故急に私とデートの提案をしたのですか?別にわざわざこの場でその様な話を持ちかけずとも良かったのでは?」


バスティンは呆れたまま言った。


「お前は私もジョシュアが今回の事件の話をステラに聞かれ協力したいと言ったステラの言葉を断った時のステラの表情を見ていないのか?!あのままだとステラの提案を断ったせいで私とジョシュアがステラから嫌われてしまうところだったのだぞ?!」


ダニーはゾッとした表情を浮かべて必死に言った。


「そうだ!あの時のスーの表情を間違いなく自分が仲間外れにされたと不快に思っている顔だったからな。あのままスーの機嫌を取らなければ大変なことになっていたんだぞ」


ジョシュアもゾッとした表情を浮かべて言った。


「はぁ、、そういう事だったのですか、、」


バスティンは呆れた表情を浮かべてため息をつきながら言った。


(まったく、、相変わらずだな。本当にステラ嬢の事になると鬼団長と副団長の面影もなくなるな、、。だがしかし2人の気持ちも今なら分からなくもないのだから驚きだな。確かにステラ嬢に嫌われてしまうと思うと怖くなる、、。きっと私もステラ嬢に嫌われてしまったらと怖くなると師匠とジョシュアみたいになってしまうのだろうとも思ってしまうな。だから呆れてしまうところと共感できるととろこどちらもあるな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「とにかくだ、、バスティンから上手く花祭りの日にステラをデートに誘うんだ。わかったか?」


ダニーが不満気に言った。


「分かりました」


バスティンは頷きながら言った。


(花祭りか、、。私は一度も行ったことがないが花祭りは家族はもちろん恋人と行く者たち多いと耳にしたことがある。ステラ嬢も喜んでくれるといいが、、。だが、実は師匠とジョシュアも花祭りに行くと知った時のステラ嬢の様子が目に浮かぶな、、。ステラ嬢との時間を過ごすことは喜ばしい事だが果たして大丈夫だろうか)


バスティンは少し不安気な表情でそんな事を考えていた。


「スーは母上の療養で長い事ここを離れていたから花祭りへ一度も行ったことないからきっとスーは花祭りに行けて喜ぶだろう」


ジョシュアは満足気な表情で言った。


「あぁ。そうだろうとも。バスティンいいか?我々から良きアドバイスを貰ったともステラに一言付け加えて言っておくようにな?」


ダニーが満足気に言うとすぐに真剣な表情でバスティンへ言った。


「あぁ、、はい」


バスティンは呆れた表情で頷きながら言った。


「では、私はそろそろ失礼しますね。ステラ嬢がお茶の自宅をして私を待っていてくれていますので」


バスティンは清々しい表情で淡々と言った。


「バスティン、貴様、、」


ダニーは不満気な表情で言った。


「自分だけ誘いを受けたからと清々しい表情をして、、」


ジョシュアも不満気な表情で言った。


「では、失礼します」


バスティンはそんな2人などさらっと流すように言うと淡々と言って部屋をあとにした。


「こら!バスティン待て!」


「バスティン!」


そんなバスティンにダニーとジョシュアが慌てて言うもすでにバスティンは足早に部屋を出て歩き出していたのだった。


(あのままあの場にいるとネチネチと言われそうだからな)


バスティンはそんな事を考えながステラの元へと向かった。


その後、ステラはバスティンと2人で楽しいお茶の時間を堪能した。

ステラはバスティンとの2人の時間にすっかりルンルンで酔いしれていたのでこの時バスティンが言ったデートの日取りを聞いても嬉しそうに頷き了承したのだった。

まさかのその日取りが2日後の花祭りの日だという事をすっかり忘れていたとにはこの時のルンルンのステラは気づきもしなかったのだった…



そして…そんな経緯があり今に至っていた。


(はぁ、、。一昨日のバスティンとのお茶の時にバスティンが言ったデートの日時をちゃんと聞いとくんだったよ。あの時は久々のバスティンとの時間にテンションぶちあげ状態だったから日時聞いてもデートが嬉しいばかりで花祭りの日だって忘れていたよ〜。もうあたしのバカバカ)


ステラはげんなりした表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(しかも、皇宮にようがあるからって何でお父様とお兄様と首都の街まで一緒に行かなきゃなんないわけ?!デートってのは家を出たところから始めるもんでしょ?!皇宮に用があるならお父様とお兄様2人で行きゃあいいでしょうが)


ステラはダニーとジョシュアを不満気な表情で見つめながらそんな事を考えていた。


「ス、ステラどうしてそんな顔で我々を見るのだ?」


ダニーは戸惑った表情で言った。


「、、別に何もありませんよ。ただ公爵様とのデートだというのに何故私はお父様とお兄様と同じ馬車に乗っているのか不思議でたまらないだけですから。デートならば馬車も恋人同士で乗るのかと思っていましたが不思議ですね本当に、、」


ステラは嫌味たっぷりににふてぶてしい表情でダニーとジョシュアへ言った。


「ス、スー。そ、それは、、」


ジョシュアは慌てて言った。


「ステラ、、その、、それはだな、、せっかく向かう方向が同じなのだから我々バートン公爵家は我々の馬車につい乗ってしまったのであって、、」


ダニーは慌てて言い訳まがいに言った。


「、、、」


ステラはそんなダニーとジョシュアの話を無言で聞いていた。


(まったく下手に言い訳しちゃってさ。どうせ2人の事だからデートに言ってはと言ってみたものの実際にはあたしとバスティンがデートに行くのが嫌なんだろうね。だからあたしをこっちの馬車に乗せたんでしょうに)


ステラはそんな事を考えていた。


「はいはいそうでしたか。あっ、そろそろ街が見えてきたましたので到着しますね。私は先に降りますからお2人はどうぞすぐに皇宮に向かって下さい」


ステラは不貞腐れた表情で言った。


「ステラ、、」


「スー、、」


ダニーとジョシュアはしゃんぼりした表情で呟いた。


(今日は絶対門限守ってなんてやらないんだから)


ステラはそんな事を考えていた。


そして、ステラ達の乗る馬車が首都の街へ到着した。


各馬車からステラとバスティンが降りた。


「バスティン!くれぐれもステラに変な真似はするなよ!」


ダニーが不満気な表情でバスティン言った。


「バスティンお前を信じているからな」


ジョシュアも不満気な表情でバスティンへ言った。


「はいはい。お父様とお兄様は早く行ってください。デートをしたらと言い出したのはお父様だというのにこれ以上私たちの邪魔をするつもりなのでしたらこちらも容赦しませんよ?」


ステラは不満気な表情でダニーとジョシュアへ言った。


「公爵様、お父様とお兄様の事は放っておいて行きましょう」


ステラはバスティンに笑顔で言うとバスティンの腕に自分の腕を絡めて言った。


「あ、あぁ」


バスティンは腕が絡むのに驚くと戸惑い気味に言った。


そして、ステラはバスティンと腕を組みダニーとジョシュアに背を向けて街の方へ歩き出した。


「ステラ!」


「スー!」


ダニーとジョシュアは目の前でステラとバスティンが腕を組む様子を見てギョッとした表情で慌てて言った。


しかし、ステラとバスティンはダニーとジョシュアの言葉をスルーして歩き続けたのだった。


「いいのか?あの2人をあのままにしておいて」


バスティンが戸惑い気味にステラへ言った。


「構いませんよ。いつものことでしょう?」


ステラはあっけらかんとした表情で言った。


「まぁ、確かにそうだな」


バスティンは妙に納得した表情で小さく頷きながら言った。


(はぁ、、それでなくとも花祭りに繰り出したことで勘弁して欲しいレベルなのにあの2人にやんやん言われたらたまったもんじゃないもんね)


ステラは不満と呆れの混じった表情でそんな事を考えていた。


「、、もしや、花祭りはあまり乗り気ではないのか?」


バスティンがそんなステラの表情を見て複雑な表情を浮かべて言った。


「え?!そ、そんなことはありませんよ」


ステラはバスティンの言葉を聞きギクとしつつ言った。


(ぶっちゃけアーノルド達がいるって思うと乗り気ではないかな)


ステラはそんな事を考えていた。


「、、私はその、、デートの計画などこれまでに立てた事がなくまっまく右も左もわからなかったのだ、、ステラ嬢との時間が過ごせるのであればデート場所はどこだって良かったのだがやはりやはりどうせデートをするならステラ嬢に喜んでもらえるものにしたいと思ってな、、。恥ずかしなら悩んでいたら師匠が花祭りがあるということを教えてくれてな。ステラ嬢は一度も花祭りへ行ったことがないと聞いたので私も花祭りは初めてな手前初めて同士一緒行けたらと思ってな、、デートの一つも上手く計画できないとは恥ずかしい話だが、、」


バスティンは苦笑いを浮かべて言った。


(バスティン、、きゅん♡前言撤回!バスティンがそんなにまであたしとのデートの事を考えてくれたなら花祭りなんて余計な事を言ったお父様はありえないけど花祭りだろうがアーノルドとグレイスのバカップルだろうが関係ないわ。お互い初めての花祭りを存分に楽しもうじゃないか。いや、楽しむ以外ありえない)


ステラは胸がきゅんきゅんしながらそんな事を考えていた。


「恥ずかしくなんてありません!公爵様が私とのデートの事をそこまで考えてくれている事がすでに幸せ過ぎて死んでしまいそうなくらいですよ」


ステラは満面の笑みを浮かべて嬉しそうに言った。


「フッ、、死んでしまったら困るな」


バスティンは優しい笑みを浮かべて言った。


(本当に彼女の前では不安な事がすぐに不安なことでなくなるな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「確かにですね」


ステラはくすくす笑いながら言った。


「せっかくのデートなのでわがままを言ってもいいですか?」


ステラは少しもじもじしながら言った。


「わがまま?何だ?」


バスティンは??という表情を浮かべて言った。


「そのですね、、公爵様が嫌でなければ今日はこのまま腕を組んで歩いてもいいですか?」


ステラは照れながらもドーンと言った。


「、、あぁ。ステラ嬢が嫌でなければ私は構わない」


バスティンはステラの言葉に一瞬驚くもすぐに優しい表情を浮かべて言った。


「嫌なわけがありません。大歓迎ですよ!後で離してくれと言っても離しませんよ?いいですか?」


ステラは真剣な表情で言った。


「あぁ」


バスティンは優しい表情のまま頷きながら言った。


「やったぁぁ」


ステラは満面の笑みを浮かべて言った。


(推しとの腕組みキターーー♡バスティンの腕最高ー!心なしかいい匂いがするのは気のせい?それにがっちりした腕がたまらない。こんな腕に優しく抱きしめられたら間違いなく先に見えるは昇天だよね)


ステラはニヤニヤしながら幸せを噛み締めつつそんな事を考えていた。


そして、ステラとバスティンは腕を組んだまま花祭りへと向かったのだった。


「くそ、、バスティンの奴ステラと腕など組みやがって、、許せん、、」


「我がスーに馴れ馴れしくあの様に腕を組むとはけしからん、、」


そんな幸せそうなステラとバスティンを遠くの物陰から見ながら険しい表情を浮かべ言っていたのはダニーとジョシュアだった。


「バートン団長、ジョシュア、、。そろそろ情報収集に向かったほうが、、」


そんな2人の様子を見て苦笑いを浮かべてペーターが言った。


(前もってバスティンから事情は聞いていたがこんな状態で事件の情報収集など出来るのだろうか、、。この2人はこのままだと仕事を放棄してバスティンとステラ様の後を付け回しそうだな)


ペーターはそんな事を考えていた。


「このままあの2人の監視を続けたいところだな、、」


「このままだとバスティンがスーに何かやましいことでもしかねないな」


ダニーとジョシュアは険しい表情のまま言った。


「バスティンが堅物ですが紳士なのはお2人もご存知でしょう?バスティンがやましいことなどするわけがありません。どうか今は事件の情報収集に集中しましょう」


ペーターは呆れた表情のまま言った。


「ぬぐぐ、、くそ、、仕方あるまい。本当はあの2人を監視したいが一先ずは我慢して情報収集に回るとしよう」


「そうですね。本当に仕方ありませんがそうしましょう」


ダニーとジョシュアは苦渋の表情を浮かべて言った。


「承知しました」


ペーターはホッとした表情を浮かべて言った。


(バスティン。一先ずはいい機会だから仕事の事は忘れてステラ様との時間を楽しむといいさ)


ペーターは歩いていくステラとバスティンを見てふっと笑みを浮かべてそんな事を考えていた。





ステラとバスティンは花祭りが行われている場所へ到着した。


「うわぁぁぁ〜」


ステラが思わず目の前の光景を見て目を輝かせて言った。


(これは凄いわ!"オンラブ"の描写で見るより遥かにスケール大きめのお祭りだね。街の人達もお祭りだからかいつもより笑顔が倍増してるし皆楽しそうだね。花祭りっていうだけあって花のいい香りもするね。お祭りってのはどの世界でもテンション上がるんだね)


ステラは笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


「賑わっているな」


バスティンが言った。


「はい。皆お祭りということでいつもより気分が上がってるでしょうからね。私たちも負けじと思い切り楽しみましょうね」


ステラは笑顔で言った。


「そうだな」


バスティンが優しい表情で言った。


「ではでは、出始めにまずは腹ごしらえでもしましょう」


ステラはニカッと笑いながら言った。


「あぁ。そうするか」


バスティンが頷きながら言った。


そして、ステラとバスティンは屋台が並ぶ場所へ行き色々と買い食べ歩きをした。


ある程度食べ歩きをしたところでバスティンの飲むビールとステラが飲むビール風ドリンクと串焼きを買い近くのベンチへと座った。


ベンチへ座るとバスティンはビールを一口飲んだ。


「ふふ、、」


するとステラがくすくす笑い始めた。


そして…


カシャッ!


ステラは俊敏にカメラを取り出しバスティンの顔を撮影した。


「急に何なのだ?!」


バスティンが驚き言った。


「公爵様のお宝顔頂きました」


ステラは嬉しそうに言った。


(バスティンのちゃめっけ顔萌♡)


ステラはそんな事を考えていた。


「お宝顔とは何のことだ?!」


バスティンは訳が分からないという表情で言った。


そんなバスティンにステラはくすくす笑いながら鞄の中から鏡を取り出してバスティンへ手渡した。

バスティンは手渡したされた鏡で自分の顔を見た。


「なっ!」


バスティンは鏡を見るなりギョッとした表情を浮かべて言った。


バスティンの鼻の下にビールの泡がまとわりついて髭のようになっていたのだ。


「こんな顔を撮影したのか?!」


バスティンは少しムっとなり言った。


するとステラは自分のドリンクを一口飲みわざと鼻の下に泡をつけてバスティンに見せた。


「ほら、おそろいでしょう?」


ステラはにこにこと笑いながら言った。


「まったく、、」


バスティンはステラの顔を見て思わず呆れ笑いを浮かべて言った。


(そんな事をされては怒るに怒れないだろう)


バスティンはそんな事を考えていた。


そして…


「公爵様、こちらを向いてください」


ステラが言った。


ステラの言葉を聞いたバスティンは反射的に顔を向けた。

その瞬間にステラはバスティンの顔の横に自分の顔を近づけてカメラのシャッターを押した。


カシャッ!


「お髭ツーショットいただきました」


ステラは嬉しそうに言った。


「本当に抜け目がないのだな」


そんなステラにバスティンは呆れ笑いを浮かべて言った。


「もちろんですとも!公爵様との事で抜け目があるなんてとんでもないことですからね」


ステラはドヤ顔で自信満々に言った。


「何だそれは」


バスティンがクスっと笑みを浮かべて言った。


(こうやってバスティンの笑顔が見れるのなら本当に抜け目があるなんてありえんないんだからね。前世でも今でもあたしは常にバスティンへよ愛とバスティンの幸せを願うことに全力なんだからね。これからもずっとバスティンにこんな風に笑みを浮かべていて欲しいなぁ)


ステラはバスティンの表情を見て心の底からそう思い考えていた。


「こうしていると初めて2人で出かけた時の事を思い出しますね。あの時は私の片思いだったけど今は両思いで恋人としてこうして2人で出かけてるなんて本当に夢のようです。まさかこんな日が訪れるなんてあの頃には考えてもいなかったです。いや、こうなりたいとは常に考えていたのですが、、」


ステラは優しい表情を浮かべて染み染み言った。


「本当に私もこんな風になることなど想像もしていなかった。私はこの先も死ぬまで独り身だと思っていたからな、、」


バスティンは苦笑いを浮かべて言った。


「今みたいに些細なことで笑ってこれからも沢山2人で思い出を作っていきましょうね」


ステラは満面の笑みを浮かべて言った。


「あぁ」


バスティンは優しい表情で頷きながら言った。


(本当にこれからもこうしてステラ嬢と笑って過ごせるといいな、、)


バスティンは心からそう思いながら考えていた。


ステラとバスティンのそんな微笑ましい様子を少し離れた場所から見ていた人物がいた。


アーノルドだった…


(あれはステラ嬢とラスター公爵?、、やはりあの2人はそういう関係、、恋人関係なのだろうか)


アーノルドは仲睦まじそうなステラとバスティンを見て切ない表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(以前も2人で孤児院を訪れていたしな)


アーノルドは更にそんな事を考えていた。


(孤児院か、、あの日も私はステラ嬢を怒らせてしまったな。いや怒らせてしまったというよりステラ嬢は私に軽蔑や嫌悪の感情を向けていたに違いない)


アーノルドは苦渋な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(ステラ嬢はきっとあの日私がグレイス嬢と一緒にいた事自体をよく思っていなかっただろうな。ステラ嬢に自分の行動には気をつけろと言われて私自身が自身の行動に気をつけるとステラ嬢にはっきり言ったのにも関わらずグレイス嬢と一緒にいたのだから。グレイス嬢と一緒に孤児院へ訪れた理由をステラ嬢に説明したかったがそんな隙すらなかった)


アーノルドは更にそんな事を考えていた。


(何故私はステラ嬢のことになるとこの様に心がかき乱されるのだろうか、、。これではまるで私がステラ嬢に対して恋愛感情を抱いているみたいではないか、、)


アーノルドは呆れた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


そんな事を考えてすぐにアーノルドは自分の手で素早く口元を抑え込んた。


「、、、、」


アーノルドは口元を抑え込みながら驚いた表情を浮かべて顔を赤らめた。


(私は、、ステラ嬢に恋をしてしまっているのだ、、)


アーノルドはそんな事を考えていた。


「ハッ、、ハハハ、、。私は何て愚かな男なのだろうか。今頃になって自分の気持ちに気づくなんてな、、自分自身の行動で散々ステラ嬢を幻滅させておいて、、」


アーノルドは苦笑いを浮かべて呟いた。


(これでこれまでのステラ嬢に対しての気持ちの起伏の理由に納得がいくな)


アーノルドは苦笑いを浮かべたままそんな事を考えていた。


(もっと早く自分の気持ちに気づいていたら何か変わっていただろうか。ステラ嬢が王太子妃候補をおりる前に気持ちを伝えて引き止め王太子妃になってもらう事ができたのだろうか、、)


アーノルドは苦渋の表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(あぁ、、自身の気持ちに気づいてのあの2人の光景を見るのはきついな、、)


アーノルドは切ない表情を浮かべてステラとバスティンをみながらそんな事を考えていた。


(私がステラ嬢の横に立つ事はもう叶わない事なのだろうか、、)


アーノルドは切ない表情のままそんな事を考えていた。


「殿下!」


その時、笑みを浮かべたグレイスがアーノルドの声をかけた。


「お待たせして申し訳ありません。人混みにのまれてしまいまして、、」


グレイスが申し訳なさそうにアーノルドへ言った。


「いや、大丈夫だ、、。それより早く子供達の手伝いに向かおう」


アーノルドはグレイスの存在にハッとなり言った。


(今こうしてグレイス嬢と一緒にいる姿をステラ嬢が見たら間違いなく私を呆れた表情で見るだろうな。グレイス嬢と花祭りに訪れたのは皇太子として慈愛活動の手伝いをする為だとステラ嬢に伝えたとしてもきっと呆れた表情のままなのだろうな)


アーノルドは複雑な表情でそんな事を考えていた。


「はい。あの、、殿下。よろしければ子供達の手伝いをした後に一緒に花の苗を植えませんか?」


グレイスは少し照れた表情を浮かべて言った。


「花の苗か、、」


アーノルドは少し気まずそうな表情で躊躇気味に言った。


そしてアーノルドはそう言うとちらりとステラの方に視線を移した。


(確か先日騎士団の騎士たちが花祭りで花の苗を一緒に植えた相手が異性ならば2人は永遠に結ばれるというジンクスめいたものがあると話しているのを聞いたな。恐らくグレイス嬢はそのジンクスの事を知って私に提案してきたのだろう、、。しかし、一緒花の苗を植えるとするなら私は、、しかし、ステラ嬢はきっとラスター公爵と花の苗を植えるのだろうな)


アーノルドは切ない表情を浮かべてステラを見つめながらそんな事を考えていた。


「殿下?」


黙っているアーノルドを見て少し戸惑った表情を浮かべているグレイスが言った。


「あっあぁ。花の苗だな、、。その件については子供達の手伝いが終わった後に時間があれば考えよう」


アーノルドは作り笑みを浮かべて言った。


「、、、分かりました」


グレイスは間をあけた後に優しい笑みを浮かべて小さく頷きながら言った。


「では、子供達の元へ向かうとしよう」


アーノルドが言った。


「はい」


グレイスが頷きながら言った。


そして、アーノルドとグレイスはその場を離れた。



アーノルドとグレイスがその場を後にして数十分後にステラとバスティンは花の苗を購入しようと大広場の周りに沢山ある花の苗を売っている屋台へと向かった。




「公爵様見て下さい。本当に沢山の花の苗が売っていますよ」


花の苗の屋台がある場所へとやってきたステラが目を輝かせて言った。


「本当だな。花祭りというだけあるな」


バスティンは少し驚いたを浮かべて言った。


「こんなに種類があったらどれを買おうか迷ってしまいますね」


ステラが困り笑みを浮かべて言った。


「そうだな」


バスティンはステラの表情を見て優しい表情になり言った。


(花言葉の事を考えるとバスティンと植えたい花の苗がありすぎてどれを選んでいいかわからないよぉ。強いて言うなら全部植えたい花の苗を植えたいよね。植えた分だけバスティンが幸せになれますようにってね。ん〜我ながら良き考えじゃない?だって別には花の苗は1人一つって決まってないわけだし?)


ステラは花の苗を見ながら表情をコロコロと変えながらそんな事を考えていた。


(ステラ嬢は本当に感情が豊かだな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「公爵様!花の苗はあれとあれ。ほれからあれとあれ!そしてあれも買いましょう」


ステラは目を輝かせながら買おうと思った花の苗を次々に指なしながら嬉しそうに微笑み言った。


「おいおい、、いくつ買うつもりだ」


バスティンがクスっと笑みを浮かべて言った。


「ん〜ざっと5つですかね?」


ステラはニヤリと笑みを浮かべて言った。


「お嬢さんえらく沢山選ぶなあ。それほど沢山の願いがあるのかい?」


花の苗を販売している店の中年男性店主が笑いながらステラへ言った。


「えぇ。もちろん!この購入する花の苗の数だけ彼の、、私の愛する人の幸せを願うのです」


ステラはバスティンの方を見ながら少し照れた様に笑いながら店主へ言った。


「、、、」


バスティンはステラの言葉を聞いて目を大きく開き驚いた表情を浮かべた。


「こりぁ〜とんだ惚気話だなあ。ハハハ」


店主が大きな声で笑いながら言った。


「ハハハ!お兄さんは幸せもんだなあ」


店主がゲラゲラ笑いながらバスティンへ言った。


「えぇ、、本当に幸せ者です」


バスティンは優しい笑みを浮かべて言った。


(本当に私は幸せ者だな。こうして街へ出て私の姿を見ても街の者たちが極端に嫌悪の表情を見せなくなったのもきっとステラ嬢のお陰だろう。それにこんなにも堂々と自分の気持ちを素直に口にしてくれる彼女と一緒にいる事ができて恐ろしくなる程に幸せだ、、。本当にステラ嬢といるとこの幸せが永遠に続くのだろうと迷いなく思ってしまうな)


バスティンは優しい表情を浮かべてステラをチラっと見ながらそんな事を考えていた。


「そんな2人に俺からプレゼントだ!」


店主は笑顔で言うとごそごそと袋から取り出した苗をステラへ渡した。


「この苗は?見たことのない苗ですね」


ステラは不思議そうな表情を浮かべて店主へ言った。


「そうだろうとも。これは何やら新種の花の苗だそうだ。この苗を植えると驚く様な見惚れる程の花が咲くそうな」


店主が笑顔で言った。


「新種の花、、ですか。驚く様な見惚れる花って一体どんな素敵な花なのかしら」


ステラは興味津々な表情を浮かべて言った。


その時だった…


(ん?この香りって、、。っ?!まさか!)


ステラは店主が渡してくれた花の苗から香る臭いを嗅いだ驚いた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「おじさん!この花の苗はどこで入手したのですか?!」


ステラは血相を変えて店主へ言った。


「え?えぇと、、この花の苗は、、」


店主が慌てて言った。


「ステラ嬢この花の苗がどうかしたのか?!」


バスティンがステラの様子を見て戸惑い気味に言った。


「どこで入手したのですか?!」


ステラは更に強めに店主へ言った。


「そ、その花の苗は同じ花の苗を売る業者に貰ったんだよタダで。新種の花の苗だからきっと売れるぞと言われてな」


店主は慌てて言った。


「タダで貰ったですって?!その業者はどこの業者ですか?!おじさんの他にもこの花の苗をもらった人がいるのですか?!」


ステラは更に問い詰める様に言った。


「どこの業者かまではわからない。花祭りの時期は花の苗を売る花屋以外にも手伝いで花の苗を売ってる奴らが多くいるからな。だから業者も色々な業者がいるんだ。それとこの花の苗はこの辺りの花の苗を売ってる店の奴は皆貰ったみたいだ。俺と同じように売ってくれと言われてな」


店主は更に慌てて言った。


「なんですって?!この辺りの店全部にこの花の苗が?!」


ステラは驚愕した表情を浮かべて言った。


(この状況ピンチ過ぎない?!この花の苗の臭いは間違いなくグンダリルだわ。普通の人にはハーブくらいの香りにしか思わないと思うけどあたしやサティスレベルだとわかるわ。間違いなくグンダリルだ)


ステラは険しい表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「おじさん教えてくれてありがとう。だけどこの花の苗は絶対に売らないで下さい!もし売ったら犯罪に加担したことになりかねませんからね!いいですね?!他の店の店主にも伝えて下さい」


ステラは真剣な表情で言った。


「なっ!犯罪に加担?!それは一体どういうことなんだ?!一体この花の苗は何だってんだ」


店主は混乱気味に言った。


「いいから私の言う事を聞いて行動してください!わかりましたか?!」


ステラは更に真剣な表情で強めに言った。


「あ、あぁ。わかったよ」


店主は慌てて頷きながら言った。


「よし、、。公爵様こちらへ」


ステラは店主の言葉を聞き頷きながら言うとバスティンの手を引き言うとその場から離れた。


「ステラ嬢一体どういうことだ?!」


バスティンが訳が分からないという表情を浮かべて言った。


「公爵様、、この花の苗は恐らく、、いえ、、間違いなくグンダリルの花の苗です」


ステラは険しい表情を浮かべて小声で言った。


「なんだと?!本当なのか?!」


バスティンは驚き言った。


「はい。この香りはグンダリルで間違いないかと思います」


ステラは真剣な表情で頷きながら言った。


「まさか、、そんな、、」


バスティンは驚愕した表情で言った。


(師匠の読みはどうやら当たっていた様だな、、。しかしまさかグンダリルの花の苗を堂々と売り街に埋めようと企むとは、、。この事を早く師匠達に伝えなければならないがステラ嬢が一緒ではな、、どうしたらいいのだ)


バスティンは頭を悩ませながらそんな事を考えていた。


「一先ずグンダリルの花の苗を持っている店の方たちから花の苗を回収しましょう。そして街の花売りの方や手伝いをしている方たちへ渡し回った業者を見つけ出しましょう。グンダリルの花の苗が広場に植えられる様子を絶対にどこからか見ているはずですから」


ステラは真剣な表情で言った。


(街の広場にグンダリルを植えようと企んでる奴らだから逃げる前に絶対に花の苗の様子を見て確認するに違いないよね。すでに広場にグンダリルの花の苗が植えられてる可能性があるからそれはある程度事が落ち着いたらお父様達に報告して引っこ抜いてもらえばいいもんね。この事実を早くお父様達に伝えたいけど今は皇宮にいるんだよね?どう伝えたらいいのかなぁ。サティスはアーノルドの護衛で街にいるはずだよね?サティスを見つけて伝えるのもあり?んんーでもそうするとアーノルドとグレイスに会うことになるしなぁ。んん、、)


ステラは悩みながらそんな事を考えていた。


「そうだな。ステラ嬢の言う通りに動くとしよう」


バスティンが真剣な表情で頷きながら言った。


「はい」


ステラが頷きながら言った。


そして、ステラとバスティンは急ぎ各店にあったグンダリルの花の苗を回収した。

回収した花の苗を持って路地裏に入りどうしようかと考えた時だった。


「おい!早くしろ!誰かが通ったらまずいだろ」


「わかってる」


近くから男2人の焦るような声が聞こえた。


その声を聞いたステラとバスティンは目を合わせて小さく頷いた。

そしてその声がする方へ近づきそっと覗いた。


男達の様子を覗き見たステラとバスティンは驚いた表情を浮かべた。


そこには大きめのガタイのいい男2人のすぐそばで小さな子供が泡を吹いて倒れていた。


(ちょっと待って!あの子は!)


ステラは倒れている子供を見てゾッとした表情を浮かべそんな事を考えていた。


「公爵様、あの倒れている子供はロムです」


ステラがゾッとした表情のまま慌てて小声でバスティンへ言った。


「何?!孤児院にいたロムのことか?!」


バスティンは小声ながらも驚き言った。


「はい。遠目ですが間違いありません」


ステラは表情を変えぬまま小声で頷きながら言った。


(あたし前世でも現世でも視力はいいから間違いないわ。あれはロムだよ。でもどうしてロムが、、それより早くロムを助けなきゃ)


ステラはそんな事を考えていた。


「公爵様。早くロムを助けましょう」


ステラが慌てて小声で言った。


「あぁ。男達は私に任せてステラ嬢はロムを救出してくれ」


バスティンは真剣な表情を浮かべ小声で頷きながら言った。


ステラがバスティンの言葉に頷いた。


そして、ステラとバスティンが男たちの元へ行こうとしたその時…


ヒュッ…

ヒュッ…

グサッ…!


「ぎぁぁぁーー!!」


「うわぁぁあーー!」


男たちが急に苦痛を感じたような悲鳴を上げて言った。


(何?!どゆこと?!何で男たちの太ももにナイフが?!)


ステラは眼の前の光景に戸惑いと驚きの表情を浮かべそんな事を考えていた。


男たちの太ももには少し長さのある頑丈そうなナイフがしっかりと刺さっていた。


「このタイミングで、、」


バスティンが複雑な表情を浮かべて呟いた。


「どういう意味で、、」


ステラが不思議そうにバスティンに言うとした時…


「ジョシュア、ペーター男たちを確保だ」


ステラの耳に聞き慣れた声が聞こえた。


(まさかこの声って、、)


ステラはそんな事を考えて声のする方を見た。


「お父様?!それにお兄様とペーター様?!」


ステラが思わず大きな声で言った。


男たちにナイフを刺したのはダニーだったのだ。


「ス、ステラ、、!ど、どうしてここに?!」


ダニーはステラを見て驚きと焦りの混じった表情を浮かべて言った。


「ス、スー、、」


ジョシュアもダニーと同じような表情を浮かべて言った。


「それはこちらのセリフです。どうしてお父様達がここに、、あっ、、」


ステラは驚いた表情を浮かべ言うもすぐに何かを察した様な表情を浮かべ言った。


(そういう事ね、、)


ステラは呆れた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(でも今はそんなことより早くロムを助けなきゃ)


ステラはロムを見てそんな事を考えていた。


「一先ず言いたいことやお聞きしたい事はありますが今は一刻も早くその子供、、孤児院の子であるロムの処置が優先ですからロムの処置が終わりそこの人間とは思えないクズみたいな男たちを拘束したのちに話をしましょう」


ステラは淡々と言った。


「あ、あぁ」


「うん」


ダニーとジョシュアはバツの悪そうな表情を浮かべて言った。


バスティンは苦笑いを浮かべてバツの悪そうな表情をしていた。


ペーターは苦笑いを浮かべていた。


「ロム!ロムしっかりして!目を開けて!」


ステラは足早にロムの元へ駆け寄るとロムを優しく抱きかかえて言った。


「グフッ、、うう、、」


しかし、ロムはぐったりと口から泡を吹いたまま目は開けず苦しそうな声を出すだけだった。


「ロム、、」


ステラは表情を歪ませて言った。


「ん?これは、、」


するとステラはロムが何かを持っているのに気づき言った。


「クッキー?」


ステラはロムの手元を見て言った。


そしてステラはロムの手からクッキーを取りクッキーの臭いを嗅いだ。


(このクッキー、、)


ステラは表情を更に歪ませてそんな事を考えていた。


そして、ステラはそのクッキーの臭い嗅ぐとすぐに鞄の中から綺麗なハンカチと水を取り出した。


そして、ステラは自分の人差し指にハンカチを巻き付けてロムの口を開けて人差し指をロムの喉奥へとゆっくり突っ込んだ。


「グフッ、、オエェェ、、ゴホッ」


するとロムが吐き戻した。


「ロム、、吐くのは辛いだろうけど全部吐いたら楽になるからもう少しだけ頑張ってね、、」


ステラは辛そうな表情を浮かべて優しくロムの背中をさすりながら言った。


「ゔゔぅぅ、、はぁ、、はぁ、、」


ロムは吐き出すものを吐き切ると呼吸が落ち着いた。


「はぁぁ、、」


ステラはロムの様子を見て安堵した表情を浮かべて言った。


(前にサティスから何気なしに聞いてたグンダリルを間違えて摂取してしまった時の対処法を聞いておいて良かったわ。それにロムが口にした量もクッキーを見る限り一口ほどしか食べてなかったみたいだし幸いだわ)


ステラはホッとした表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「お父様、ペーター様を少しお願いをしてもいいですか?」


ステラがダニーへ言った。


「ん?あぁ、構わない」


ダニーが頷きながら言った。


「ありがとうございます」


ステラが言った。


「では、ペーター様申し訳ありませんが孤児院へ向いことの状況を院長へ伝えてきて頂いてもよろしいですか?きっとロムがいなくなり孤児院は大騒ぎになっているかと思いますので。ロムはもう少し落ち着いてから私が送り届けると院長へお伝え下さい。それと念のために孤児院へ医者の手配もお願いします」


ステラがペーターへ言った。


「承知しました」


ペーターは頷きながら言った。


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


ステラはホッとした表情を浮かべて言った。


そして、ペーターは急ぎ孤児院へ向かった。


「公爵様、少しロムを抱いていてもらってもよろしいですか?この気温の中で地面に寝転ばせるのことはできませんから」


ステラがバスティンへ言った。


「あぁ」


バスティンは頷きながら言うとステラからロムを受け取り優しく抱きかかえた。


『おじさん!』


バスティンは孤児院で自分に笑顔を向けながらそう呼んでくれたロムの笑顔を思い出した。


(ロム、、早く元気になりまた戦いごっこをしような)


バスティンは自分の腕の中にいるロムを見て切ない表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「それで、、あんた達がこの子にこのクッキーを渡して食べさせたの?!」


ステラはバスティンにロムをお願いすると怒りで表情を歪ませて男たちの前に立ち低い声で言った。


「は?知らねぇな」


「俺も知らねぇよ」


拘束された男たちは太ももの痛みで表情を歪めつつも平然とした態度で言った。


「、、、」


ステラはそんな男たちを無言で睨みつけた。


そんな男たちにステラは男の1人の近くに寄りその男に刺さったままのナイフの柄の部分を持ち力いっぱいナイフを回した。


「ぎゃぁぁぁぁーー!!な、何しやがんだこのクソアマ!」


男が痛みで悲鳴を上げながらステラへ暴言を吐いた。


「聞こえなかった?あのクッキーはあんた達があの子にあげたのかって聞いてるのだけど、、」


ステラはとても冷ややかな目を男に向けて低い声で言った。


ビクっ…


男は一瞬ステラの目を見て体をビクつかせた。


「だ、だ、だから知らねえって言ってんだろうが」


男は痛みに悶えながらも吐き捨てる様に言った。


「ステラ、一体そのクッキーは何なのだ?」


ダニーがステラのただならぬ怒りの表情を見て慌てて言った。


「、、このクッキーからグンダリルの香りがしました。恐らくそのクッキーにはグンダリルが入っています、、そのクッキーを口にしたせいでロムがこんな事になったのだと思います、、」


ステラは怒りと悔しさが混じった様な表情を浮かべて静かに言った。


「な、何だと?!」


「そんな、、まさか、、」


ステラの言葉を聞いてダニーとジョシュアが驚愕しながら言った。


「まさか、、ロムがそのクッキーを、、」


バスティンは自分の腕の中にいるロムを見て表情を歪めて言った。


(こんな小さな子にお菓子をあげると甘い言葉で誘ってこんな目に遭わせるなんて、、)


ステラはギュッと拳を握りしめて怒りに満ちた表情でそんな事を考えていた。


「それで、、このクッキーは誰に指示を受けてこの子に渡したの?こんな状況の子をどするつもりだったの?」


ステラは再び冷たい表情を浮かべて男たちへ言った。


「だ、だから、、知らねえって言ってんだろうが」


「そ、そうだ。クッキーはガキが持ってたもんだろうよ」


男たちは焦りを隠しきれない表情で言った。


「、、、」


ステラは冷たい表情のまま男たちを無言で睨みつけた。


(あくまでも認めないっていうわけね)


ステラはそんな事を考えていた。


「そう、、。わかったわ、、。あくまでも自分達は無関係だって言いたいのね。いいわ、、別に。本当に無関係ならこの先に待つ拷問を受けてこそ初めてそれが証明されるわけだしね」


ステラはふっと口角を上げて冷たい笑みを浮かべて言った。


「な、、拷問だと?!」


「何故俺たちが拷問などうけなければならないんだ!ふざけるな!」


男たちは苛立ちながら言った。


しかし、ステラは男たちの言葉を無視した。


「お父様、お兄様。この者たちを早く連行して下さい。私と公爵様はロムを送ってきますので。その後に早急にお話したい事がありますのでお互いの任務が終わりましたら合流しましょう」


ステラが言った。


「あぁ。わかった。この者たちは我々に任せて早くその子を連れ帰って医者に診せなさい」


ダニーが頷きながら言った。


「分かりました」


ステラが頷きながら言った。


(ロムをこんな目に遭わせたんだからしっかり拷問してもらう様に後でお父様にお願いしようっと)


ステラは男たちを冷たい目で見ながらそんな事を考えていた。


「では、公爵様急ぎましょう」


ステラがバスティンへ言った。


「あぁ」


バスティンが頷きながら言った。


その時だった…


「くそったれが!こんなとこで捕まってたまるか!このクソアマ!お前のせいで!」


男の一人が一瞬の隙をついて立ち上がり勢いよくステラに襲いかかろうとしながら叫んだ。


「おっと、、」


しかし、ステラは躊躇いなく男をかわしながら言った。


「グハッ、、」


男はステラにかわされて勢いよく滑り転けた。


「貴様!よくもステラに!」


ダニーが怒りに満ちた表情を浮かべて転けた男へ怒鳴り言うと男を思い切り押さえつけた。


「いだだだぁー」


男はダニーに押さえつけられ苦しい表情を浮かべて叫んだ。


「お前らごときがスーに手を出そうとするならなど許さん」


ダニーは怒りの表情のまま男へ言った。


「お前たちスーに対してそんな言動をしてただで済むと思うなよ」


ジョシュアも怒りに満ちた表情でもう一人の男を押さえつけながら言った。


「ゔゔゔぅぅ、、」


ジョシュアに押さえつけられた男が苦渋の表情で声を漏らした。


「キャッ、、!」


その時、ステラが男を勢いよくかしわしたせいがバランスを崩しながら声をあげた。


「ステラ嬢!」


それを見たバスティンが慌ててステラが転ばない様にステラに駆け寄り片手をステラに差し出し言った。


チュッ………


その時…


バランスを崩したステラの唇とそのステラをロムを抱いたまま咄嗟に支えようとしたバスティンの唇が軽く触れ合った。


お互いの唇が触れ合った事にお互い目を見開いた。


そして…お互い咄嗟に離れたのと同時に唇も離れた。


(ど、ど、どうしよう、、バスティンとキスしちゃったぁーー!やばいやばい!どうしよう〜!バスティンの唇最高に柔らかった、、前世でも現世でもファーストキス。夢に見たバスティンのキス、、)


ステラは頬を赤らめ少し恥ずかしそうに唇を手で触りながら悶々とそんな事を考えていた。


(私は今、、ステラ嬢と、、キスをしたのか、、?)


バスティンは戸惑いの表情を浮かべつつそんな事を考えていた。


(ステラ嬢の唇は、、とても柔らかかった、、)


バスティンはそんな事を考えていると急に恥ずかしくなり顔を赤らめた。


「な、、な、、い、今の何だーーー!!」


その時、ダニーが鬼の面相で叫びあげた。


(うわっ!やば!お父様達もいたんだった)


ステラはダニーの声にハッとなりダニーの顔を見てギョッとなりながらそんな事を考えていた。


(師匠たちがいたのを一瞬忘れていた)


バスティンもハッとなりそんな事を考えていた。


「スーとバスティンが、、私の可愛い妹のスーが、、」


ジョシュアはもはや半分放心状態で呟いた。


「バスティン、、貴様よくも私の最愛の娘のステラに、、」


ダニーは今にも火山が噴火しそう表情を浮かべて言った。


(やばっ)


ステラは状況を見て慌ててそんな事を考えていた。


「公爵様、急ぎロムを孤児院へ連れ帰りましょう。そういう事ですのでお父様、お兄様後はお願いしますね。また後ほど合流しましょう」


ステラはバスティンの手を取り慌てて言うと急ぎ足でその場を離れた。


「ステラ待ちなさい!バスティン許さないぞ!」


ダニーが逃げるようにその場から離れるステラとバスティンへ言った。

その横でジョシュアは放心状態のままだった。


その後、ステラとバスティンがキスをする原因を作った男たちがダニーとジョシュアにどんな目に遭わされたかは言うまでもない。





ダニーとジョシュアの元から逃げる様にその場を離れ孤児院へ向かったステラとバスティンはお互いキスをしたことについて触れることなくどことなくぎこちない空気のまま孤児院へロムを送り届けた。


ステラの思った通り孤児院ではロムがいない事で大騒ぎになっていた。

院長の話によると皆で花祭りへ出向こうと思った矢先に急にロムがいなくなったとの事だった。


院長は先にペーターから事情を聞いてたので騒ぎは少しマシにはなっていたが皆ロムが帰ってくるまでは気が気ではなかった様だ。


ステラとバスティンはロムをすぐにペーターが手配していた医者に診察させた。

幸い命に別条がない事がわかりステラとバスティンやペーター、孤児院のみんなは安堵したのだった。


ロムの容態を確認したステラ、バスティン、ペーターはまた後日話をする為に孤児院に訪れるむねを伝えて孤児院を後にすると花祭り会場へと戻った。


グンダリルの花の苗の件をダニーとジョシュア、ペーターに話をする為にダニー達と合流する予定だったが合流場所を伝えていない事に気付いたステラはハッとなった。


そんなステラを見たペーターはステラとバスティンがデート中な事に少し気を利かせて自分が皇宮まで行き合流場所をダニー達に伝えて一緒に戻ってくるとステラ達に告げ皇宮へと向かったのだった。


(ペーター様は私たちに気を使ってくれたのね。でも、、ペーター様はさっきのキスの事を知らないからこうも簡単にあたしたちを2人にしたのよね、、)


ステラは複雑な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(さっきからあたしもだけどバスティンもキスの事について触れてこないし、、もしかしたらバスティンはあたしのキス嫌だったのかなぁ、、)


ステラは悲しそうな表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「ステラ嬢、師匠たちが戻るまで少し時間があるだろうからその間に購入した花の苗を植えに行かないか?」


そんなステラの表情を見たバスティンは優しい表情を浮かべて言った。


「はい」


ステラはバスティンの言葉にパァっと笑顔になり嬉しそうに頷きながら言った。


そんなステラを見てバスティンはホッとした様な笑みを浮かべた。


(もしかしたらステラ嬢は私とキスをした事を後悔してキスの事に触れないし悲しそい表情をしていると思ったが違ったようだな)


バスティンはホッとした表情のままそんな事を考えていた。


そして、ステラとバスティンは買った花の苗を持って広場へ向かった。


(げっ!!)


広場に着いたステラがギョッとした表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(うわっ!最悪!あそこにいるのアーノルドとグレイスじゃん!はぁ〜まさかこのあたしとバスティンの最高のシチュエーションであの2人と遭遇するとかないわぁ〜。ありえないわぁ〜。絶対気づかれない様にしなきゃだわ)


ステラは嫌そうな表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「公爵様、あちらに植えましょう」


ステラがバスティンの手をとり咄嗟にアーノルド達から死角になりそうな場所を指差しながら言った。


「あぁ」


バスティンは急に手を取られて慌てて言った。


そして、2人はアーノルド達から少し離れた場所へと移動した。

ステラ達が向かった場所は人気がなかった。


「人気も少なく花の苗を植える場所も結構あるので穴場ですね」


ステラは満足気な表情で言った。


(うん。この場所いいじゃん。アーノルド達からも見えないしね)


ステラはそんな事を考えていた。


「そうだな。では、、あの辺りに植えようとしよう」


バスティンが植える場所を指差しながら言った。


「はい」


ステラは笑顔で言った。


そして、2人は購入した花の苗を全て植え始めた。


「この2人で植えた花の苗に花が咲いた頃に一緒に見に来ましょうね。その時だけではなくこれから毎年花祭りの日はこうして2人で花の苗を植えに来ましょうね。そうして毎年楽しい思い出を最高のものに塗り替えていきましょうね」


ステラは幸せそうな笑みを浮かべてバスティンを見て言った。


(前世でも現世でも何度も何度も考えていたバスティンの幸せ。その幸せを一緒に築きあげていけるなんて幸せ過ぎて怖いくらいだよね)


ステラはそんな事を考えていた。


(あぁ、、これから先ステラ嬢以外に私に対してこんな真っ直ぐに気持ちを伝えてくれて幸せな気持ちにさせてくれるのは彼女以外に現れないだろう。私もそんな彼女を幸せにしてやりたい、、)


バスティンはそんな事を考えていた。


「あぁ。そうだな。ステラ嬢となら毎年思い出が忘れられないものに塗り替えられそうだな」


バスティンはフッと笑みを浮かべて言った。


「もちろんですとも!そこはもちろんだと断言できます」


ステラは自信満々に言った。


「ハハ、、君らしいな」


バスティンは笑みを浮かべて言った。


(やっぱりバスティンの笑った顔最高だなぁ。破壊力が半端じゃなさすぎて。前世で"オンラブ"を読んでる時に一度も見ることができなかったバスティンの笑顔。こうして沢山見れる様になって嬉しみだよね)


ステラは嬉しそうにそんな事を考えていた。


「、、それで、、話は変わるのだが、、」


バスティンは少し間を置いて少し言いにくそうに言った。


「??どうしました?」


ステラは??という表情を浮かべて言った。


「、、先程の事なのだが、、」


バスティンは少し気まずそうな表情を浮かべて言った。


「先程の事ですか、、?それは、、あっ、、」


ステラは?という表情を浮かべて言うもすぐにキスの事だと理解したのか顔を赤らめて言った。


「その、、なんだ、、突然の事だったがそのすまなかった、、」


バスティンは戸惑いながら言った。


(いくら先程の事をステラ嬢が嫌ではなかったとしてもやはり婚前の女性がキスをしてしまったのだから謝まりはいれておいたほうがいいだろう)


バスティンはそんな事を考えていた。


「すまなかった、、ですか?それはつまり私が先程の事を嫌だと思っていると思ってるからその様なことを?それとも公爵様が先程の事に対して嫌だと思ったからなのですか?」


ステラはショックを受けた表情を浮かべて声を震わせながら言った。


(さっきのキスは謝られる様なことだったの?そりぁ事故チューだったかもしんないけどバスティンが謝ることじゃなくない?あたしは死ぬほど嬉しかったよ?何ならもっと長い時間バスティンの唇を堪能したかったよ?それなのにバスティンはあたしがバスティンのキスを嫌だと思った様に感じたの?日頃からあんなに愛情表現してるのに?)


ステラはみるみる表現を歪ませながらそんな事を考えていた。


「い、いや、決してステラ嬢が嫌だと思っていそうなどとかそういう意味ではない。そこは誤解しないで欲しい。それに私は嫌などとは一切思っていないしむしろ、、」


バスティンはステラの表現を見て驚き慌てて言った。


「むしろ、、何ですか?」


ステラはバスティンの言葉の最後の部分に聞き耳をたて目を細めてバスティンをジッと見て言った。


「いや、、そのだから、、むしろ、、全く嫌ではなかったし、、その、、ステラ嬢の唇がすごく柔らかく、、その、、だから、、」


バスティンは慌てと戸惑いと照れの混じった表情で言った。


(?!バスティンが可愛すぎるんだけど?何?!デレバスティン?!しかもあたしの唇が柔らかくてとかって言葉をバスティンの口から聞ける日が来るなんて、、幸、、)


ステラは先程までショックを受けた表情をしていたのに一瞬でデレた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「あぁ!だからそのつまり私は嫌ではなかったということだ。先程謝ったのは婚前のステラ嬢に対して許可なくあの様な事になってしまった事が申し訳なく思い言った言葉なのだ」


バスティンは顔を少し赤らめながら開き直る様に言った。


(クソッ、、私は何を言っているのだ、、情けない)


バスティンはそんな事を考えていた。


「ステラ嬢は、、婚前なのに許可なくあの様な事になり、、加えて師匠達の目の前であの様な事になってしまい気分を害していないのか?」


バスティンが複雑な表情を浮かべて言った。


「心外ですわ、、」


ステラが下向き気味に声を震わせながら言った。


「ス、ステラ嬢っ」


バスティンはそんなステラを見て焦りながら言った。


(何か気に触る事をいってしまったのだろうか。私はこういう状況に慣れていないから一体どうしたらいいのだ)


バスティンは焦りながらそんな事を考えていた。


「私がそんな事で気分を害す訳がないじゃないですか!婚前だから?婚前だろうが何であろうが公爵様とのキスで私が内心どれだけ悶々としていたことか。公爵様の唇は国宝級に柔らかく心なしかいい匂いもしましたし唇を離すのが惜しいとまで思いました。お父様達に見られた事くらいどうってことありません。むしろ見せつけてやればいいのです!しいて気分を害したのであればキスをしたきっかけがあの屁みたいな男たちのせいでという事と事故チューだということです!」


ステラは顔を上げて勢いよく言った。


「そ、そうか、、」


バスティンがステラの勢いに驚き言った。


「えぇ」


ステラはフンっと鼻を鳴らしながら言った。


(まったくバスティンったら酷いわ!これまで散々ラブアピールしてきたのにそんなちっさい事を気にしてたなんて。こっちはバスティンとキスできて昇天しかけたっていうのに)


ステラはそんな事を考えていた。


「つまり、、私とのあの状況での、、キスは少しも気分を害していないと?」


バスティンが言った。


「当たり前です。何ならもっとキスしたいくらいです。先程はあんな男たちのせいでムードも何もありませんでしたからね」


ステラは不満気な表情で言った。


「事故チューをやり直したいくらいです」


ステラはフンっと鼻を鳴らしながら言った。


(そんな願いは簡単には叶わないってわかってるけどね)


ステラは残念そうな表情でそんな事を考えていた。


「、、では、、やり直してみるか?」


バスティンが少し考えた後に言った。


「そうですね。やり直してて、、って、え?!え?」


ステラはバスティンの言葉を聞き頷きながら言うとしてハッとなり驚き言った。


「あ?え?や、やり直し、、ですか?それはその、、キスをやり直しするということですよ?」


ステラは戸惑いながら言った。


(バスティン?あなたは今自分が何を言ったか理解してるの?それはつまり今ここであたしともっかい改めてちゃんとキスしちゃうってことだよ?)


ステラは軽く混乱しながらそんな事を考えていた。


「あぁ。わかっている」


バスティンは耳を赤らめて頷きながら言った。


ステラはバスティンの言葉を聞き顔をボッと赤らめた。


(そ、そんな、、願ってもない最高のご褒美をもらえるなんて、、あたし明日死ぬかもしんないわ)


ステラはそんな事を考えていた。


「今からやっぱり今の言葉はなしだなんて受け付けませんよ?」


ステラは目をギンギンにして鼻息を荒くして言った。


「それでもいいのですね?」


ステラは続けて言った。


「、、あぁ」


バスティンはステラの表情を見て凄く優しい笑みを浮かべて頷きながら言った。


(やっぱり彼女には敵わないな。こんな感情をむき出しにしている彼女を見てとても愛おしく思うし彼女とキスをしたくてたまらないと思うとはな、、)


バスティンはまいりましたといわんばかりの表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「では、やり直しましょう」


ステラは目を輝かせながら言った。


「あぁ」


バスティンがふっと笑みを浮かべて言った。


そして、ステラはそっと目を閉じた。


(バスティンカモンヌ)


ステラは目を閉じてそんな事を考えていた。


バスティンはそんなステラの顔に自分の顔を近づけとるそっとステラにキスをした。


ドキドキ…

ドキドキ…


(バスティンとキスしてる、、。やっぱりバスティンの唇柔らかい。好き!大好き♡幸せすぎてやばくてドキドキが止まらない。心臓の音が漏れてないか心配になるレベル、、幸、、)


ステラはキスをしながらそんな事を考えていた。


(あぁ、、幸せだな。心臓の音がうるさくステラ嬢に聞こえていないか心配だな)


バスティンはキスをしながらそんな事を考えていた。


そして、2人はそっと唇を離してお互い恥ずかしそうに見つめ合った。

そして、恥ずかしそうにしながらも2人は笑いあったのだった。


「私、幸せすぎて明日死ぬかもしれません」


ステラは満面の笑みを浮かべて言った。


「それは困るな」


バスティンは笑みを浮かべて言った。


「今日の事はこの先一生忘れません」


ステラはそっとバスティンの左手を握りバスティンに体を近づけながら言った。


「あぁ、私もきっと忘れないだろう」


バスティンはそっとステラを優しく抱きしめながら言った。


バスティンに抱きしめられたステラは一瞬驚くもすぐに抱きしめ返したのだった。


(これからもこんな幸せな日々が続くといいなぁ。もうバスティンとは絶対離れたくないよ)


ステラはそんな事を考えていた。


(彼女をこれからずっと離したくないな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「あの、、公爵様これ以上抱きしめられると私鼻血が出てしまいそです、、興奮の刺激が強すぎて、、」


ステラが悶々とした表情で言った。


「プッ、、。それは困るな」


バスティンは思わず笑い声を漏らして言った。


そして、2人は再び笑いあった。


「ふふ。キスのやり直しは私たち2人の秘密ですね」


ステラが幸せそうな笑みを浮かべて言った。


「あぁ。そうだな」


バスティンはふっと笑みを浮かべて言った。


「そろそろお父様達との合流場所に行った方が良さそうですね。きっと先程の事をグチグチ言ってくるはずですので」


ステラは呆れ笑みを浮かべて言った。


「そうだな。師匠達の機嫌の悪さを覚悟しておかないとな」


バスティンも呆れ笑みを浮かべて言った。


「いざとなったら私がビシッと言うので大丈夫です」


ステラは自信満々に言った。


「それは心強いな」


バスティンはふっと笑みを浮かべて言った。


そうして2人はその場を離れてダニー達と待ち合わせをする場所へと向かった。


ステラとバスティンはこの時幸せな時間を過ごしていた事でまさか2人のそんな状況をアーノルドとグレイスに見られていた事など気づく由もなかったのだった…

他にも連載中の小説がありますのでよろしければご一緒にご覧下さい★


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ヤンデレ公爵令息の溺愛ストーカー日記♡転生令嬢の破滅回避生存日記☆(※不定期更新)


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