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私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!  作者: たけのこの里
第三章 神の器
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魔獣



 咲良(さくら)達は倒した兵士達から情報を聞き出しながら、遂に監禁されているだろう、お母さんの居所にたどり着いた。


 「・・離れて」扉の前に立ち、鍵の位置に手のひらを当てると、手が高温を発し鍵だけを溶かした。


 「行くよ」ティアは、咲良の手を握り締めて頷いた。


 咲良はドアノブを回し扉を開けると、広い円形状の広場が姿を現した。そして、その中央には・・・


 「お母さん!」


 ルナが十字架に張り付けにされていた。


 ティアは咲良の手を振り解き、ルナに駆け寄った。即座に、咲良は罠だと気づきルナを追いかけたが、ティアと咲良の間に、透明のガラスが地中から突如出現し、二人を(へだ)てた。


 「ティア!」咲良の声はガラスの壁でティアには届いていなかった。


 咲良は全力で叩くがガラスはびくともしない、直ぐに手のひらを超高温にして、ガラスに当てたが、ガラスに熱を吸収され壊すことが出来ない。


 「超耐熱性ガラス!」


 必死にティアを呼ぶ、咲良の声は届かなかった。しかも、ティアは、もうすぐでルナに手が届く直前で、突然、倒れてしまった。


 「!! どうしたの!ティア!」


 室内には不気味な機械音が、ティアのいる天井から伸びた装置から聞こえていた。


―――――――― 施設入口


 《モォォォォォォ!、ここから先は行かせない》


 《「じゃんけん!ポン!」》


 「うそ!なんであんた達なのよ!」


 「ミーシャ、じゃんけん嫌い!」


 《やっと出番だな》《牛人間(ミノタウロス)!覚悟するニャ!》


 敵を目の前にして、誰がこの牛人間を倒すか揉めに揉め、全く決まらないので、じゃんけんで2名決めることになったのだ。


 「急いでるんだから、一撃で決めなさいよ!」


 「ミーシャが代わってあげても良いよ!」


 《外野は大人しく見てるニャ!》


 《一瞬で終わらせる》


 全く相手にされてない牛人間は、怒りに燃え上がり、身体は真赤に染まり、鼻や口からは蒸気が立ち昇っていた。両刃の斧を高らかに掲げ、猛突進してきた。


 ノルウェージャンフォレストキャット・森の妖精、と容姿に似合ったネーミングがされているが、太古の昔、女神フレイヤの馬車を引いていたのは馬ではなく、2匹のノルウェージャンフォレストキャットで、その大きさは、かの怪力神トールでさえ持ち上げる事が出来なかった程、巨大だったという。


 トラ吉は全身で威嚇の姿勢をすると、グングンと体が大きくなり、神話ほどの大きさではないが、牛人間がネズミ程に見えるくらい巨大化した。


 乱丸には、最悪の魔獣フェンリルの血が受け継がれている。破壊神ロキの息子で、いずれ世界を呑み込んでしまうと恐れられ、オーディンを呑み込んでしまった、巨大な灰色狼フェンリルの子孫。


 乱丸は瞳の色を朱色に変えると、イッキにトラ吉と同じ位の大きさになった。


 突進してきた牛人間は、急ブレーキをかけた。


 《モォォォォォォ!聞いてないぞ!!なんでこんな魔獣が2匹もここっッ!ぎゃあぁっぁぁ》


 トラ吉は前足の爪で牛人間を押さえつけ、乱丸が牛人間を食わえると、そのまま口に放り込み、呑み込んでしまった。


 「おバカ!そんなの食べてお腹壊したらどうするのよ、気持ち悪いわね」頭を抱えるレイカ。


 「ミーシャの出番無かった、つまらない」腰に手を当て、プンプン不機嫌なミーシャ。


 2匹が元の大きさに戻ると、レイカ達は施設内に入って行った。


 




 



 

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