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WIND  作者: ちん太
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作成中








2年後ーーー




16歳になった私は、生きている




「ナツ、早く起きな」




なんだろう。身に覚えのあるような、夢を見ていた




「おはよー、レーナ」


「早く、みんなもう揃ってる」




そうだ。今日は"仕事の日"だ




「夢見てた」


「寝ぼけてないで、早く準備しなさいよ」




そういうとレーナは部屋から出て行った


相変わらず冷たいなぁ



私は仕方なくのろのろと準備を始めた









集会所には、もう全員揃っていた




「まぁ、そういうことだ。みんな上手くやってくれ」




ん?なんか話終わりかけてる?




「じゃあ行くか」


「リーダー、おはよー」




リーダーは私をチラリと見ると、ため息をついた




「遅い」


「レディは準備に時間かかるんだもん」


「何がレディだ。お前のどの辺を見てレディだ。言ってみろ」


「えー...メリハリボディ?」




この場にいる2、3人が笑っている


一番デカイ声で笑っているのは、ウォルター


大きな体に、バカ並に強い力の持ち主。でも、仲間思いで結構いい奴だったりする




「ナツ、遅刻厳禁ってこの間も言ったでしょう?」


「ごめんなさい」


「そうだ。それにメリハリボディっつーのは、アンナみたいな体のことをいうんだぞ」




母親のようなアンナと、失礼なマルク




「まぁいいじゃねぇか。それよりリーダー、ナツはどうするんだ?」




細かいことは気にしないエドワード




「よくないね。こいつ遅刻何回目だ?そろそろしめたほうがいいんじゃねぇか?」




喧嘩っぱやくて、口の悪いギル


横でただ笑っているだけのジャン



そして...




「ナツ、お前は留守番だ」




そう言ったのは、ここのリーダー、アラン





「え!?なんで?」


「遅刻した罰だ」




アラン、怒ってらっしゃる





「やだ!私も行く!」


「お前は集会所の見張り役だ。ジャンとな」


「えー!尚更嫌だ」


「酷いなぁ」




そう言ってニコニコと笑うジャン


その笑みが、私は苦手だった


何を考えているかわからない


私はジャンを信用できないけれど、アランは信頼している


だからここの見張りを頼むんだけれど...




「リーダー、そろそろ時間」




レーナのその声に、アランは立ち上がる


みんながそれに続く


私も立ち上がり、アランの腕を掴んだ




「私も行く!もう遅刻しないから!」


「しつこいぞ」




アランが私を睨みつける


その目をされると、私は動けない


仕方なくアランの腕を離し、俯く


そしてアラン達は振り向くことなく、行ってしまった













集会所では、時計の音だけが部屋に響いている




「.....」


「.....」




ジャンとは何も話さない。話すこともないし


この空気、なんだか息が詰まる


呼吸もろくにできない




「...はぁ...」




私は大きくため息をつく




「リーダーは、本当にナツのことが大事なんだねぇ」


「え?」




私がジャンの方を見ると、ジャンはやっぱりニコニコと笑っている




「そんなわけないでしょ。大事なら私のわがまま聞いてくれる」


「それだけが、愛情ってやつじゃないよ」




まるで、愛情を知っているかのような言い方



私達には親がいない



世界一のスラム街と言われている、トラッシュホームという場所にみんな捨てられたり、そこで育ったりしていた


大人から虐待を受けたり、物を盗んだり、自分が持っているモノは全て使って、今を生きていく。それが当たり前の世界


私は、大人に虐待を受けていたところをアランが拾ってくれた、らしい


というのも、その時に記憶を無くしてしまったのだ



アランには感謝してる。お兄ちゃんみたいな存在


他のみんなも、家族のような存在




でも、ジャンは違う




私達が盗賊を初めてから後から1人入ってきた


だからジャンは信用できない




「私には、愛情なんて感情わかんないよ」


「いつかわかるよ」




またニコッと笑う


私はそれを横目で見る




「その笑顔、やめて。私それ嫌い」


「ふーん」




ジャンは聞いちゃいない



心の中で、早く帰ってきてと願いながら、私は大きくあくびをした













その夜、集会所ではみんなで乾杯をしていた




「楽な仕事だったぜ!」




ウォルターが、ガッハッハと大きく笑う


みんな楽しそうにしているのに、私は浮かない顔をしている


置いてけぼりにされたことを、また根に持っていた




「まぁそんなふくれるな!お前が来るまでもねぇってことだよ」




そう言って私の肩に腕を乗せて、マルクが笑う


顔が真っ赤、そして酒臭い。




「おいマルク!一気するぞ!勝負だ!」


「おう!305戦152勝だからな!今回は負けねぇぞ」




マルクは私の肩から腕をのけると、そちらに歩いていった




「いつまでも拗ねてないで、リーダーが呼んでるわ」




アンナはそう言ってニコッと笑った


私はゆっくりと立ち上がり、のろのろとリーダーの部屋へと向かった



部屋の前につくと、コンコンとノックをする


「入れ」の合図に扉を開ける




「何?」


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