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第4話 小学生として


 家に帰りついて、最初に目に入ったのは、鬼の形相だった。


「まつな、こんな時間まで何をしていたの?」

 …まぁ、厳密には俺の家じゃないけれど。



 俺とまつなが入れ替わった原因がわからない以上、俺がまつなとして、まつなは俺として生活するしかないという結論に至った。


 入れ替わっただなんて漫画のような事を信じてなんてくれないだろう。


 明日、小学校を下校してから、俺のアパートに集まり作戦会議をすることにした。


 まつなは問題ないだろう、大学では基本的に誰とも話さないし、レポートを提出すれば単位が貰える授業を取っているから、授業を聞き流していればいいだけだ、授業内容はあとで聞けばいい。


 だとすると問題は俺だ。


「なにかお母さんに言うことがあるんじゃない?」

「お母さん綺麗だね、髪切った?」


 俺は今、リビングの床に正座させられていた。


「切ってないわよ! 何馬鹿なこと言ってるの! 遅くなってごめんなさいでしょ!」

 機嫌を取るのは無理そうか、ここは素直に謝っておこう。


「ご、ごめんなさい」

 

 お母さんは、はぁ、とため息をつあた。

「……まつなは知っているわよね、門限守れない子はなんなのかしら?」

 んなこと知るわけねぇだろ!

「………私はコマさんだよ。もんげぇー ……なんちゃって」

「………思い出すまで、寝ちゃだめだからね」

 お母さんはそんな無理難題を押し付け、リビングから出て行った。



「うーん、いい朝だ」

 あくびをかきながら、俺は小学校の通学路を歩いていた。

 いやぁ、まさか『門限を守れない子は人間以下、ゴブリンとかと同等』が答えだったとはな。コマさんもギリ正解だったんじゃないかなと思いながらも、早めに当てられたお陰で良く寝られた。


「おい、小松菜!」


 突如後ろから声がかけられる。

 振り返ってみると、には男児がひとり腕を組んで立っていた。


「1人で寂しく学校に行くのか、友達少ないもんな!」


 なんだ、その取ってつけたような悪口は。


「……なら、あんたも1人だから友達が少ないのね」

「ち、違う!今日はたまたま友達が病気になって…… って先に行くなよ!」

 こういう類の奴は無視するのが1番だ。どんな正論を言っても謎理論で反論しくるだけだからな。今度まつなに教えておいてやろう。



「お、おい! 無視するなよ。 なーなーなー」

 くそっ、しつこいなこのガキ。

 まつなには悪いが、ここは一回突き放つことにしよう。

 俺は掴んでくる手を強めに払い、男児を睨みつけた。

「その汚らわしい手で掴まないで、気持ち悪いわよ」

 そして、早足でその場を去った。

 ものすごくびっくりした表情をしていた。まぁ、まつな言わなそうだしな。



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