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少年と宇宙  作者: 津本ジオ


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シガ・シェルター

「ほら、ベイブ。見てごらん」

白く輝く球体を指さしアステルに呼びかける。

「あれが地球?」

そう、僕たちは今、全球凍結した地球の姿を眺めている。

「昔は青い星だったんだ」

ノワールさんが気を利かせたのか、スノーボールアース(凍った地球)の隣に、かつての地球の映像を並べて表示した。

「またこの姿に戻る?」

「そう信じているよ。僕が見ることはないだろうけど」


エッジが開いたら、フェリシアにいる地球人たちが帰ってくる。

全員は帰ってこない、五分の一程度だろうとコハクさんは言っていた。

それでも、地球人類の力を結集すれば、太陽は輝きを取り戻し、地球を覆う氷は溶け、青く輝く「水の惑星」の姿を取り戻せると信じている。


氷の惑星に近づくと細部が見えてくる。

かつて青く輝いていた海は、少しだけ紺色が入り混じったひび割れた白い鏡。大地は氷雪に覆われ、山脈の稜線だけが黒い筋として浮き出ている。


僕たちのいる部屋は今、全面に外部映像が映し出されている。

ノワールさんがベルト付きのシートを出してくれたけれど、僕は立ったまま地球を眺めている。

壁も床も透過して迫る白い世界にめまいを感じるが、隣に立つアステルがそっと支えてくれている。

「降りるよ」

コハクさんの声に前方を見ると、山脈から顔を出している刃物のような黒い筋が見える。

「比良山脈ですね」ノワールさんが教えてくれた。


比良山脈に接近すると露出した山頂にドーム型の建造物が建っていた。

ドームが開き内部が垣間(かいま)見える。シガ・シェルターが誇る長大なカタパルトの射出口だ。

通常、スペースプレーンは旧琵琶湖の整備された滑走路に着陸するが、跳躍艇は射出口から進入するようだ。

『ようこそ、シガ・シェルターへ。皆さまの来訪を歓迎します』

「ササナミさん?」

『初めまして、ジーン。シガ・シェルターの統括知性ササナミです。あなたの活躍に助けられました。ありがとう』

「ううん、みんなのおかげだよ」


長い通路を抜けてカタパルトデッキに。射出前のスペースプレーンが待機する空間だ。

デッキを通過して格納庫と思われる場所に到着。ここにパイプラインにつながるロック機構があるそうだ。

『ロック機構のハッチを開放します』ササナミさんのアナウンス。

壁面のシャッターが上がり貯水槽に入るための設備に導かれる。跳躍艇がぎりぎり入るくらいの大きさだ。

シャッターが下り、更に両開きのハッチで密閉される。

水で満たされてしばらく経つと上方に「進入許可」と表示された。

正面のハッチがゆっくりと開く重厚なハッチ。ハイドロチャンバーと呼ばれる装置の出入口だ。

ハイドロチャンバーは多数の穴が開いたシリンダーだった。さまざまな場所に水を送り出す装置かな?


突き当りに大きな円形のハッチ。これがパイプラインとつながっているのだろう。

予想どおり、ハッチを通過するとそこはパイプラインの中だった。

跳躍艇はゆっくりと進む。

思ったよりも太いパイプラインを三十分ほど進むと入ってきたときと同じようなハッチが現れる。目的地の雛琵琶(ひなびわ)に到着した。


水面からの明かりでうっすらと照らされた水中を進むと四角い扉が見えてくる。

『おつかれさま。到着しましたよ』

ここで、僕とアステルは降りて皆と別行動だ。

扉が開き、表示に従って上昇すると、広い施設に設置されたムーンプールの水面に着いた。


「さあ、ここからは二人でがんばるんだよ」

コハクさんの言葉にアステルと一緒にうなずいた。

用字を統一(2026/04/05)

プール→ムーンプールに修正(2026/04/03)

表現や改行を修正(2026/04/02)

すみません。突発的な仕事が入ると校正の時間が取れなくて。もう少し直すかも。ストーリー自体は変えません。

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激動への序章 ~来訪者~

激動への序章 ~来訪者~

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