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【衝撃の結末・ハッピーエンド】普通の女の子のアタシ、冒険者やってます。  作者: ミンミンこおろぎ
第三部 闇の中に道を探せ
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第21話 隠し部屋

 アタシ達はシオドア先導で第一層を歩く。

 探し物は鳥の壁画。

 どこかのマナスポットにあるんじゃないかと予想してるんだけどね。



「この辺りだ。エリア3」


照明ライティング

 ネリーが明かりの魔術を強めにかける。


 ダンジョンの石壁にアタシ達の黒い影が張り付いた。


「鳥の絵ってのはどんな絵なんだい?」

 ヘンニが言った。


「知らない。クリフはともかく目立つ絵だって言ってたけど」

 ネリーが答える。


「レヴィを連れた冒険者は壁画を『探して』いた。どちらかと言うと目立たない絵じゃないかな?」

 シオドアが意見を言った。



 アタシはあちこち目を凝らしているけど、鳥の絵も鳥の絵っぽいモノも見つからない。


「エリア3、見つからずだ」

 しばらく皆で探した後、シオドアが宣言した。

 アタシは地図に鉛筆で✖の印を付ける。



 その後、休憩を1回挟み2カ所巡ったけど、収穫はなかった。

 軽い失望がアタシ達の間に漂っていた。

 普段の獲物探しとは、勝手が違うよね。



「あれ、鳥に見えます」

 レヴィが言った。


 5カ所目のマナ・スポットだ。

 レヴィが指さす辺りは、うん、かなり薄いけど鳥の絵に見えなくも、ないかな。

 レヴィ、よく見つけたね。



「鳥の目を押すと扉が開いたんですって」

 そう言うとネリーは鳥の目の辺りの壁をあっさり触る。

 ちょっと待て!罠の確認してないってば!


 ゴゴゴゴゴ。


 ダンジョンの岩壁、ちょうど鳥の壁画があった辺りが左右に割れた。


 岩壁の向こうには暗い部屋だ。


 かく部屋べやかくとびらに、大当おおあたり。


 月の満ち欠けが関わるような、こんなに大きいダンジョンの仕掛けを見たのは始めてだ。



「中はどうかしら?」

 ネリーが覗こうとする。


 待って、と言おうとしたが声が出ない。

 アタシは手足がガクガクで震えていることに気づく。あーもう、武者震いだってば。


「待て、ネリー。とりあえず、明かりの魔術で中を照らしてくれ」

 シオドアの指示が入る。


 魔術灯の光を差し入れるが、特に何も見えない。魔物モンスターの類もいないようだ。


「入ってみるかい?」

 ヘンニが言った。


「僕が1人で行くよ。全員で入って閉じ込められるのが最悪だ。

 もし僕が入ったまま扉が閉まって開かなくなったら、冒険者ギルドへ連絡してくれ」

 シオドアはそう言うと、さっさと荷物を担いで隠し部屋へ入る。


 ゴゴゴゴゴ。

 しばらくすると扉が閉まった。



「扉を開けるのは鳥の目だったね」

 ヘンニがそう言って扉に触ろうとした時。


 ゴゴゴゴゴ。

 再び扉が開いた。



 結論を言うと、部屋の中にも鳥の絵があった。

 同じように鳥の目を押せば扉が開く仕組みなんだとか。


「この扉は内側からも外側からも開く。

 鳥の絵が見えるうちは自由に出入りできそうだ」


 そうだね、シオドア(リーダー)

 ……あーもう!

 偵察スカウトだってのに何もできなかったよ!



 アタシ達は全員で隠し部屋の中に移動した。


 隠し部屋は四方が石壁のガランとしたスペースだ。縦横10メートルぐらいかな。

 おそらく四方は、東西南北に対応している。

 鳥の壁画は東側の壁にある。

 天井は東西に横向きのカマボコ型だ。


 天井を見ても特別な部屋だと思う。

 でも、ぱっと見では何もない。


 アタシは四つん這いになった。今度はちゃんと仕事する。

 隠し部屋まで出てきたんだ。ダンジョンの仕掛けはまだあるでしょ。


「床のここに丸い模様があるよ。こういう模様を一層で見た覚えないよ」


 部屋の真ん中辺りだ。床の石畳の一部が切れて、丸い石が埋め込まれている。

 ふぅー、ようやく仕事ができた。


「ここにもあるね」

 スザナが言う。


「ここにもあるわね」

 ネリーが言った。



 隠し部屋の中央付近の床に埋め込まれた、三つの丸い石。

 三つの石をつなぐと正三角形になりそうだ。


 さて、目の前に丸い石だけど。……乗ってみるか!


 アタシはヒョイと石の上に飛び乗った。


 ポワンと石が光る。

 おおっ!?


「そう言えば、クリフは石が光ったって聞いたわ」

 ネリーも続いて飛び乗る。


 あらら、ネリーは変化なし。

 でも、アタシの乗った石は光ったまま。


 ネリーの方が断然アタシより魔力が強いけど、魔力はあんまり関係ない?


「僕が乗るとどうなる?」

 シオドアも石に乗った。シオも変化なし。


 アタシは石から降りた。

 アタシが降りると石の光はきえる。 

 しかし。

 ポワン。代わりにネリーの乗っていた石が光った。



 じゃあ。

 アタシは再び石に乗った。

 今度は光らない。


 なんでやねん。



 アタシ達は一旦全員石から降りた。


「じゃあ私が乗って見るよ」

 ヘンニが丸石に乗る。

 ポワンと光る。


「スザナ、乗ります」

 スザナが乗ると、ポワンと光る。

 始めて2カ所光った。


「トレイシーも乗ります」

 調子に乗ってアタシが乗ったが、光らなかった。


 なんなんや!



 でも、スカウトとしての勘が告げている。

 これ三つ光らせないと、『向こう側』に行けないパターンだ。









書きためがほぼ付きました。

更新が不定期になりそうです。

更新できる日は、お昼時に更新します。

まずは、明日頑張ります。


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