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三十九話 大樹の迷宮

俺たちはようやく迷宮に着いた。

迷宮は大きな木の根のしたが入口となっており、その木の中へと続いているようだった。

その木はとても大きく、直径で言えば300mは超えているだろう。

その木の中が迷宮となっているのだ、どこまで続いているのかもわからないため、気を付けて進まなければならないだろう。


「こりゃまたでっかい木だねぇ。」


リンが喋る。


「とりあえず迷宮ってことで確認はOKだね。」


彼女らも俺たちも目的は偵察だ。

攻略することではない。

そのため最悪ここに迷宮があるということを確認した時点で帰ってもよいのだ。


「どうする?あんたたちは帰ってもいいんだよ?」


リンは明らかに俺ではなくマリー達に向けて話していた。


「そうだ!足手まといは引っ込んでな!」


リーリスは俺に向かって言っているようだった。


「ソラ、どうする?」


マリーが決断を仰ぐ。


「俺は行く。だが、マリー達は帰ってもいいぞ。正直マリー達にはまだ早い。」

「私も行く。こんなところまで来ておいて帰るなんてもったいない。」

「私も行きます。皆さんに少しでも追いつかなければいけませんから。」


リアとエルミアの二人の決意を固いようだった。

俺はマリーを見る。


「私もいくわ。私も成長しなければいけないもの。」

「俺たちも行く。だが、先は任せる。俺たちは後からついていく。」

「わかったよ。それじゃ、入ろうか。」


俺たちは決意を固め、迷宮の中に入る。

迷宮の中は不思議な空間となっていた。

迷宮の中に入ったはずであるにもかかわらず、光が放たれているのだ。

天井を見上げるとところどころ大木の根が光を漏らしている。

この大木はただの大木ではないようだ。

もちろん普通の木であるならここまで成長はしないだろうし、迷宮にもならないだろうが。

しばらく進んでいくと魔物の姿が見えだした。


「アリン、あれは?」

「トレントです。若木に意思が宿ったものだといわれています。トレントになった状態で年を取るとエルダートレントになります。腕で武器をからめとり、相手を拘束しながら、魔力を梳いとるのが主な行動です。」

「厄介だねぇ。仕方ない、リーリス!あんたは私の後ろにつきな!アリンはレシルを守りながら、罠の位置の確認、レシルは私にプロテクションをかけな。」

「わかった!」

「了解。」

「わかったわ。」


女豹のメンバーがリンからの指示を受けたのはこれが最後だった。

トレント5体に対し、リンがトレントの攻撃を盾で受け、後ろのリーリスが隙を見てトレントを攻撃していく。

レシルはプロテクションをかけた後は折を見て、リンを回復させたり、リーリスにバフをかけたりとせわしなく動いている。

アリンはレシルを守るといった面で活躍している。

あまりチーム行動をとらない俺からするとよくはわからないが、どれも無駄のない動きなのでなかなか良い動きをしているのだろう。

数分もしないうちにトレント5体は倒された。

最終的には、トレントを倒していたのはリーリスだったが、ほかのメンバーのサポートが良かったと思う。


「すごいですね!」


マリーの感嘆の声が上がる。


「それほどでもないぜ!」


なぜかリーリスが威張る。


「マリー、よく見ておけ。お前たちが目指すのはああいう連携だ。」


この部分だけは俺はマリーに教えることはできない。

彼女らに先生となってもらうほうが良いだろう。

彼女らの実力に問題がないとわかり、俺も行動を開始する。

俺は少し、彼女らから離れる。


「どこ行くんだい?」


リンに呼び止められる。


「少し魔物を狩ってくる。マリー達のことを頼む。」

「はいよ。」


俺はその場から離れる。


「勝手だねぇ。いつもあんななのかい?」

「いえ、普段は私たちのところにピッタリですよ。ソラはああいう風に突っぱねてますけど、あれでも信頼してますよ。信頼していないと私たちを頼むなんで言いませんからね。」

「へえ、それなら期待に応えないとね!」


リンはそういいながら振り向き思いっきり手に持ったメイスでトレントを叩き潰す。




俺は彼女たちから少し離れた場所にいた。

マリー達の悲鳴が聞こえればすぐに近寄っていける位置にいる。

俺はナイフを抜き、トレントに対して構える。

人型や獣型の魔物とは、よく戦っているがこういう未知の造形をしているものとはあまり戦う経験がなかったため、どういう戦いをすればよいのかいまいちわからない。

俺は牽制の意味も込めて、完全誘導弾フルガイドミサイルを展開しておく。

数は二つ、この程度でもおそらくだが完全に消滅させることができるだろう。

トレントは俺が魔法を発動したにもかかわらず、警戒する素振りを見せない。

トレント達の知能はそれほど高くないようだ。

俺は少しずつトレントににじり寄る。

知性は高くないといっても、おそらく普段戦っている魔物よりは強い。

トレントは俺に気づいたのか、顔(?)をこちらに向けて、少しづつ根のような足を引きずりながら、近づいてくる。


「ォォォォォォォォォ。」


トレントの口からそのような音がする。

声帯はないだろうが何かしらで音を出しているようだ。

トレントは自らの枝のような腕を振り上げる。

俺はそれを体を交わして避ける。

それほど大きくはよけず、次の攻撃に転じれるように少ない挙動で避ける。

俺は攻撃に移ろうと足を踏み込んだ瞬間、直感した。

一歩引こうとした瞬間、トレントが俺の足をつかみ、持ち上げた。

トレントの力は意外にも強く、すぐに俺は宙づりのような状態になった。

身長差もかなりあるので手さえも地面につかないくらいだ。

俺は足をつかんでいるトレントの手をナイフで切り裂こうとするが、トレントの腕は何本もの枝で構成されており、なかなか切り裂きづらく、落としてくれる気はなさそうだ。

ならばと俺は銃魔法を起動させ、自分の足元にあて、一気に撃ちぬく。

少し足に近かったせいか、ドジュゥゥという音とともに、自らの足の焦げる音がして、痛みを感じたが、その痛みを完全に認識する前に、地面に落ちる。

おれはそのまま、体を回転させて、足で着地し、トレントの懐に飛び込む。

腕の長いトレントは懐に潜り込まれると腕での攻撃はできないのだ。

トレントは俺が懐に潜ったのを確認した瞬間、頭を大きくのけぞらせ、頭突きをしてくる。

俺はそれに合わせて、ナイフを前に構え、トレントの頭突きに合わせてトレントの顔の中心を突き刺す。

両手に強い衝撃を受けたかと思うと、トレントが倒れた。

植物のようなものでも顔を刺せば死ぬようだ。

次からは、顔を狙っていこう。

少し進むとさらにトレントがいた。

今回は少し本気を出す。ARIAを起動し、ARIAにデータを与えることにした。

トレントは先ほどとは違い、複数体で行動していた。

今回は少し難しくなりそうだ。

トレントは俺がある程度近づくと、こちらに気づき、足を引き釣りながらこちらを向く。

後ろの何体かもこちらに気づいたのか、ゆっくりと近づいてくる。

俺はそのまま走って近づく。

奴らの攻撃はリーチが長いため、早めに太子に入っていたほうが良いのだ。

ARIAがトレントの腕の軌道を見せてくれる。

俺はそれに準じて、トレントの攻撃を避け、走る勢いそのままでトレントの顔めがけてナイフを向け、突進する。

グサッという音と共に、トレントの顔に大きくナイフが突き刺さる。

しかし、トレント達は仲間の死など気にも留めずに、仲間の死体に攻撃を仕掛けてくる。

トレントの顔に深く刺さったナイフは簡単には抜けそうになかったので、二本目のナイフを出す。

こちらは熱を帯びているのでトレントに効きやすいかもしれない。

トレントの攻撃を体をひねって躱し、銃魔法を起動しつつ、もう一体のトレントの顔にナイフを突き立てる。

ナイフはジュ――と音を立て、トレントの顔に深く突き刺さる。

少し気の焦げたにおいがする。

サラマンダーから作られたこのナイフがトレントを焼いたのだろう。

視界の端にもう一体が攻撃を仕掛けているのを見かける。

俺はすぐさま指を向けようとするが、戦っていたのが道の角であったことに気が付いていなかった。

角の死角からもう一体のトレントが現れ、俺が向けた腕をつかんでいた。

俺の腕をつかんだトレントは俺の腕を自分のほうに引き寄せようと力をかけてくる。

それには抵抗するが、そのトレントに気を取られえていたことで攻撃を仕掛けてきていたトレントの攻撃に対して、何の対処もできなかった。

左の肩にかなりの衝撃が走る。

痛みは感じないが、明らかに左の肩から暖かいものが流れている感覚がある。

左の肩より先はあまり力が入らない。

右手はトレントにつかまれている。

かなり厳しい状況だ。

左手に持っていたナイフを落とし、銃魔法を左手で起動し、目の前のトレントに向けて攻撃をする。

今回は全力で、銃魔法に『回転』と時空魔法をかける。

トレントの顔めがけて撃ったつもりだったが、トレントの腹を貫いていた。

撃ちぬかれたトレントは大きく後ろに吹き飛び、四肢がバラバラに引きちぎれていた。

ここまでばらばらになると木の根にしか見えない。

しかし、安心はできず、まだ俺の右手をつかんでいるトレントは攻撃を仕掛けようロしている。

現在、ナイフは持っていなく、銃魔法も指を向けることができない角度だ。


「ARIAもういい。俺一人でやる。」


俺はARIAをきり、少し意識を深める。

その時少しだけ死のにおいを感じた気がした。




正直そこからはあまり記憶がない。

ただ目の前のトレントだけを殺すことを考えた。

気づけばトレントの死体が転がっていた。

自分の体を確認してみると右手が引きちぎれていた。

詳しく言えば右手の関節の先からが何かの力によって、ねじ切れていた。

トレントのほうはというと、顔に大きな穴が開いている。

銃魔法で空いたようなきれいな穴ではない。

何かが何回もたたき、無理やりこじ開けたような穴だ。

おそらく、これらすべては俺がやったのだろう。

何もやった感覚がなく、まだ物足りないので、体を治癒しながらほかの魔物を探した。

今回から迷宮に入っていきます。

毎回いろんな伏線をちりばめていったりしてますがすべて回収しきれるか毎回不安になってます。

女豹の人たちの活躍も少しだけ書けました。

次回からはもう少し話の展開速度が上がります。

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