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十話 初めての迷宮

俺とマリーが会ってから一ヶ月。

マリーはゴブリン狩りで相当にレベルを上げ、技術もついてきた。

なので、俺はマリーを迷宮に連れて行くことにした。


「マリー、今日は迷宮に行こうと思う。」

「わかったわ。」

「だが、初めての迷宮だからな。できるだけ万全の状態で行くこと。」

「ソラは初めてじゃないの?」

「そうだな。」

「やっぱりいつも夜抜け出してたんだね。」

「気づいてたのか?」

「気づいてたっていうか、勘かな?」

「そうか。」


そんなこんなで俺達は迷宮まで来た。

俺はこの一ヶ月でこの迷宮はクリアしているので問題は無いはずだ。

俺達が迷宮の前に来るといつものおっさんが声をかけてくる。


「おう、ソラ!今日はいつもと違って朝からなんだな。」

「ああ、お前朝から働いてるのか?」

「ああ、て言っても昼は交代で寝てるけどな。そんなことより隣の可愛い子は誰だよ。これか?」


そう言っておっさんが小指を立ててくる。


「違うよ。俺のパーティーメンバーだ。」

「マリーです。ソラは毎日来てるんですか?」

「そうだぜ。こいつ、毎日信じれない程の数のモンスター狩ってくるからな。どうなってんだか。」


毎日という事実にマリーにジト目をされる。


「それで?今日は付与していくか?」

「ああ、マリーにしてくれ。」

「やっと、お前に付与魔法を見せれるな。なんの付与が良い?」

「全部で頼む。」

「全のせか。金かかるぞ?」

「幾らだ?」

「金貨一枚ってとこだな。」

「なら、かけてくれ。」


実は俺はこの一ヶ月で金貨100枚、つまり白金貨1枚程稼いでいる。

そのため、これくらいの出費は痛くないのだ。

むしろ、俺は見れば魔法を覚えれるので金貨一枚で全ての魔法を覚えられると思えば安いものだ。

そして、おっさんによる付与が終わる。

俺達は迷宮に入っていく。

しばらく奥に進んでいると今やお馴染みとなったゴブリンが出迎えてくる。


「マリー、一人で倒してこい。」

「わかったわ。」


マリーは一瞬でゴブリン五体を狩ってくる。

随分と早く狩れるようになったものだ。


「ソラ、付与魔法って凄いね!体が凄く軽く感じる!」

「そんなもんか。」


俺は付与魔法は少し、ブースタードラッグに似ているのかもしれないと思った。

そんな事を考えて歩いていると、これもまたお馴染みとなったダークウルフが出てくる。


「マリー、頑張れ。」

「わかったわ。」


マリーは難なくダークウルフの群れを狩っていく。

ただし素材の事を考えていないのか、それとも考える余裕があまり無いのかは知らないが、結構惨殺だった。


「マリー、次にダークウルフが出たら、素材を取りやすいように殺してみてくれ。」

「わかったわ。」


そう言っていると運良くダークウルフが出てくる。

そして、マリーがダークウルフに向かっていくが苦戦しているようだった。

ダークウルフは6体で連携を取ってマリーを翻弄しているようだ。

普通ならマリーをそんな事では相手が出来ないのだが、どうやら素材の取りやすいように殺す事が難しいようだ。


「マリー、手伝うか?」

「大丈夫!」


そう言って一匹を仕留める。

うん、ちゃんと頭を切り取って素材として使えるようになっている。

マリーは二匹、三匹とダークウルフを狩る。

その様子にダークウルフは勝てないとわかったのかとたんに逃げ出す。

どうやら逃げることは予想していなかったのかマリーは追いかけるのが一歩遅れていた。


「この!待ちなさい!」


あの様子では追いつけそうに無いので、銃魔法で狼の頭部を射抜く。

そして、一匹には完全誘導弾(フルガイドミサイル)を放ち、追わせる。

最後のダークウルフは角を曲がり、俺たちの視界から消えたが、爆発音が聞こえたので死んだだろう。


「マリー、逃したらダメだろ。」

「うぅ。まさか逃げるなんて。」

「ダークウルフはゴブリンと違ってちゃんとした知性がある。だから勝てないとみたら逃げ出す。」


俺は死んだダークウルフに近寄り素材を剥ぎ取っていく。

そして、5体の死体から剥ぎ取りを済ませ、角に消えていった1体のところに行ってみる。

どうやら、ちゃんとやれた様だ。

そのダークウルフの死体は頭だけが刈り取られたような風に死んでいた。

完全誘導弾(フルガイドミサイル)の調整は完璧なようだ。

俺はマリーにモンスターを狩らせながら先に進んでいく。

すると、下の階に繋がる階段が出てきた。


「さあ、次の階に……休憩するか。」

「う……うん。ハァハァ、そうして。」


俺達は階段の横のスペースに座る。


「ハァハァ、なんで……ソラは、ハァハァ、なんでそんなに速く進めるの?」

「息を整えてから話せ。ほら、水。なんでそんなに速くか。これがいつもの速度としか言いようがないな。」


すると、マリーが驚いたような顔をする。


「これがいつものなの⁉︎」

「正確に言えば、マリーの殲滅速度が遅いから、いつもより遅いけどな。」

「ほんと、どうかしてるわね。」


俺はマリーの様子を確認しながら、マリーの頭に手を置き、白魔法をかけていく。


「何してるの?」

「白魔法で回復を早めてる。」

「ソラ、白魔法なんて使えたの?」

「ん?あ、ああ。覚えた。」

「へ〜。何処で?」

「ん?んーん。何処だろう?」

「え?覚えてないの?ソラにしては珍しいね。」

「はい。終わったぞ。」

「本当だ。でも、わざわざかけなくても良かったのに。」

「魔法のLV上げだ。」

「あ、そういうことね。」


俺は休憩しながら、色んな魔法を練習していく。

マリーもそれを面白そうに見ていたが急に俺が魔法を止める。


「どうしたの?」

「誰か来る。」


そうして、少しの間黙っていると3人パーティーの男達が来た。

ワイワイと話しながら来たようだ。

そして、こちらに気づくと寄ってきた。


「お、君たちも冒険者だね?若いなぁ。僕達もこんな頃があったなぁ。どう?下の階を一緒に攻略しない?」

「でも、他のお二人には迷惑になるんじゃないですか?」

「そんな事ないよ。初心者冒険者を助けるのは先輩の役目だしね。お前達も良いよな?」


そう言って後ろで話していた2人に問いかける。


「ああ、もちろんじゃよ。」

「俺も良いぜ。」


このパーティーは若めの男1人、おっさん2人のパーティーのようだ。


「そうですか?では、お言葉に甘えてーー」

「断る。」


俺がマリーの言葉を遮り、口を挟む。

普段あまり、マリーとミーシャ以外の人間と話そうとしないソラが口を挟んだ事にマリーは驚いているようだった。


「ん?聞き間違いかな?もう一回言ってもらえるかな?」

「断る。」

「理由を聞いても良いかな?」


若めの男も少しイラっとした様だ。


「俺は信用もできない奴に背中を預ける気は無い。」

「……そうか。う〜ん、確かにそうだね。この事は忘れてくれ。」

「すみません。せっかく誘って貰ったのに。」

「良いんだよ。僕も同じ立場なら断っていたしね。どうやら、君達は苦戦もしていない様だし、僕達は必要なさそうだね。じゃあ、街であったら何か奢るよ。」

「はい、また。」


そう言って、男達は下の階に降りて行った。

俺はその男達の背中をずっと睨んでいた。


「ソラ、何で断ったの?」

「言った通りだ。俺は信用もできない奴に背中を預ける気は無い。それに……。」

「それに?」

「いや、何でも無い。」

「?そう。」


そうして、俺達はしばらく時間を置いてから下層に降りた。

そこにはもう先程のパーティーの姿は無かった。

俺達は第二階層で一通り狩りを終え、冒険者ギルドに帰った。


「ミーシャさんこれが今日のぶんです。」

「はい、確かに承りました。」


そして、ミーシャさんは中を確認する。


「今日は迷宮に行ってきたんですか?」

「はい。では、上級品でないのはマリーさんが狩った物ですね。」

「あれ?何でわかったんですか?」


マリーがミーシャさんに尋ねる。


「ソラさんは全てダークウルフを上級品で狩ってくるんですよ。だから、これはマリーさんのかなって、思ったんです。」

「そうなんですか?ソラって凄いんだなぁ。」

「そうですよ。ソラさんは凄いですよ。」


少しミーシャさんが自慢げになっていた。

何故彼女が自慢げになっているかはわからなかったが、このままでは終わりそうに無いので、ミーシャさんを急かす。


「ミーシャさん、仕事お願いします。」

「あ、はい!では、少々お待ちください。」


そうして、少し待って、俺達は金を受け取る。

金は金貨3枚と銀貨2枚と銅貨が少しあった。


「こんなに貰えるんですか?」

「はい。ソラさんのは上級品なので、高いんですよ。」

「ソラが素材にこだわる意味がわかったわ。」


俺達はそのまま夕方の商店街に向かった。

目的は一つだ。

アイテムポーチを買う事だ。

だいぶ金が溜まったので、買いに来る事にしたのだ。



アイテムポーチ(6級)

金貨 : 10枚

内容量 : 50kg

状態保存 : なし


「どうせなら、もう少し良いものを買うか。」


そして、俺が選んだのは……


アイテムポーチ(5級)

金貨 : 30枚

内容量 : 100kg

状態保存 : なし


状態保存のあるアイテムポーチは白金貨の単位に入るので手が出せなかった。

俺はこれを2つ買い、マリーにも渡す。


「良いの?」

「ああ。」

「ソラから初めてプレゼントもらっちゃった。」


なんかマリーが喜んでいたので良い事をしたのだろう。

俺達はそうして、宿に帰った。

今回から本格的にマリーにも戦わせていく予定です。

そろそろ新キャラを出していく予定なので乞うご期待を。

次回は火曜から木曜です。

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