吟遊詩人
家出をしてはや一週間が経った、今僕は有名な温泉街に辿り着いた。
当てもない旅で財布に一万円を残し、出来るだけ家から遠くを目指していたら、丁度この街になった。
「詩人さん今日は家に泊まってね、ご飯もあるよ
判子押したりするから、ボードちょうだいね。」
オカリナで『ドレ』を繰り返す
「いってらっしゃ~い」
この街の人は優しい、明らかに浮浪者な見た目の僕を助けてくれて、お仕事を与えてくれる。
お風呂の掃除や庭のお手入れ、僕の一番得意な動物のお世話、等難しくない仕事を与え、ご飯やお風呂や
いらない古着をくれたり、一晩泊めてくれる。
渡りに船なのでお手伝いは何だってやる。
おばちゃんと一旦別れ、太陽が沈みゆく温泉街を観察する、旅行中の人がいっぱいで色とりどりの浴衣と、近くの川の緩やかな流れの音も合わせて、こいのぼりのようだった。
指定されている場所に立ち、屋根より高いで有名な童謡をオカリナで演奏する。
僕は一日に一回、温泉街の指定された場所でオカリナを演奏する、役場の人と名乗る人にお仕事を与えられた。
僕は声を出す事が出来なくなった、ストレスから来ていて、その内治ると言われた。
演奏するのはなんでもいい、演奏したいやつは事前に言えば楽譜を渡してくれる、けれど実践に勝る経験は無いと言われ、毎日ここで音を出す。
演奏を終え目を開けると、猫ちゃん、散歩中のワンちゃん、カラスや雀が目に入る、その隣には幼稚園の子供達、周りを見渡すとお仕事をくれた役場のお姉さんも見ていた。
お姉さんの所に行きボードを渡す、お姉さんは頭を撫でて褒めてくれた、レベルアップの音を出す、実践に勝る経験はやはりないみたいだ。




