無色透明
正午の12時を知らせるチャイムがなり、4時間目の授業が終わる、誰もが昼ご飯の事を考えている中、俺は教壇に立つ先生に呼び出される。
「進路相談書が、出ていないぞ明日までだからな、
悩む気持ちは分かるが、適当に書いてくれて構わ
んから、提出しろよ」
コーヒーとタバコの香りを纏わせた、先生が教室から出て行くのを見て、俺も席に戻り弁当箱を開く。
そこには昨晩自分で作った、色とりどりのおかずが形を崩すことなく、宝石箱のように美しかった。
弁当の底をサニーレタスで敷き、ミニトマトが瑞々しく、卵焼きは賞味期限切れを防ぐ為いつもより大きかった。昨日の夕飯の残りのトンカツやウインナーは
男子高校生には必需品の肉で早く食べたくて仕方がない。
「いただきます」
早速トンカツを一切れ口に運ぶ、揚げたてのトンカツには劣るが会心の出来であることには変わりはない。
弁当を見下ろす、赤、黄、緑、茶、白、青があれば
RGB……何色にでもなれた。
青……青が何を意味するのかは、俺らの年代ならこれ一つ、青春だろう。友と遊び、よく学び、知らない事にチャレンジし、よく恋をする、青春の形は人それぞれだろうが、俺のイメージだとそうだ。ならば─
進路相談書を手に取り、先生の所に向かう。
「先生!俺ピアニスト目指します!」
先生は何も言わずに、紙を受け取り。食事に戻れと促した、後日帰っきた進路相談書には、楽器は武器では無い事を知る所からやろうと書かれていた。
まだ焦る時間では無い……だって俺の青春はまだ
一年目なのだから!




