シルヴィア、義姉ができる。
短いですよ!注意です!
「まだここに来たばかりなのでしょう?疲れてるわよね!ジュアン!シルヴィア様に疲れの取れるお茶を用意しなさい!」
と吠える姿はまさに王族。いや、これが正しい侍女の使い方なのかもしれないが。少し、引け目を感じてしまうシルヴィアだった。
「わたくしはシャルロット・マリー・フィオネ・クリスタリア・ハイゼン!宜しくですわ、シルヴィア様!」
シャルロットは見事なまでの長い金髪をゆるり、とかきあげ言った。青い瞳と真っ白い肌はさながら美しい龍を思わせ、同性のシルヴィアでも惚れ惚れするほどの美しさだ。
「ええ、宜しくお願い致します、シャルロット様。わたくしのことはどうか、呼び捨てになさってください。王妹陛下にそのように畏まられますと、わたくし……」
シャルロットの威厳にすっかり恐縮し、尻すぼみになるシルヴィア。だんだんと自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。
ちらり、とシャルロットを横目で伺えば……無表情?
「……たしかに、わたくしは兄王の妹ですわ。ですからシルヴィア様はわたくしの姉にあたりますわね。ですが実際、わたくしのほうが生まれは早いのです」
「そうですね……」
「ここは一つ、わたくしを姉と思ってはくれませんか?」
顔を翳らすシルヴィアだったが、シャルロットの思わぬ言葉に目を丸くする。対するシャルロットは何だか楽しそうな口ぶりで言葉を続ける。
「わたくし、妹が4人ほどいるのですけど皆、生意気で!誰1人お姉様、と呼んでくれないのですわ!」
つん、と唇を尖らすシャルロット。シルヴィアはくすり、と笑うと(やっぱりいい人じゃない)、と安堵した。
「もちろんでございます。これからもよろしくお願いしますわね、お姉様」
「っ……ええ!よろしく、シルヴィア!」
シャルロットが感極まった様子で抱きついてくる。シルヴィアは苦笑いを浮かべ、そばにいたシャルロットの侍女、ジュアンに視線を送ったが、見事に逸らされてしまった。
「えーと、お、お姉様?」
「大好きよ、シルヴィア!そうね、シルヴィアがお兄様の正妃となってくれないかしら!そうしたら正式にわたくしとも家族だし……」
と呟くシャルロットの目は爛々と輝いている。
あら……?これ、もしかしなくても気に入られちゃったのかしら。
どうやら面倒なことになりそうだ、と嘆息するシルヴィアだった。




