真面目な小学生
真面目な小学生。んな訳ない。
当時、リンのあだ名は、ナル男。ナルシストのナル男君だった。
リンが学年が変わるたびに、クラスで一番人気のある女の子を好きになり、好きになった子と必ず仲良くなる事から付けられたあだ名だった。
しかも、リンはクラスで一番可愛い女子、クラスで一番面白い女子、クラスで一番スポーツが出来る女子、その誰からも好かれていた。
ようするにお調子者だったのだ
ただし、クラスで一番頭の良い女子には冷ややかな態度を取られる事が多かった。
クラスの男子は、リンと仲良くしていたが、喧嘩をしたり。気に入らない事があるとリンをナル男と呼んで馬鹿にした。
小学四年生になった、ある日の事。リンは当時仲のよかった、クラスの男子一名と些細な喧嘩をした。リンが、何か気のきいた悪口を言い換えそうと考えていたその時…クラスの女子達が口を揃え、リンの分も言い換えしてくれた。
『リン君の悪口言うなんて、酷いよね〜』
『リン君かわいそう』『そうよ。そうよ。本当に酷いんだから』
これにより、リンを敵に回した、一部女子VS一部男子の悪口戦争が勃発。
双方の攻防は激しいもので、リンは茅の外とかすような、互いの身体的な特長を踏まえた悪口合戦に迄及んだ。
俗に言う『ブス』『チビ』『短足』『足臭い』←これは捏造だよね。『ゴリラまん』『リンお前女に庇われてやんの』←矛先がリンに一旦戻る。『リン君は関係ないでしょう!ゲス』←いや関係おお有りだ。
戦争は長き一週間に及んだ。
しかし、その戦争に加わらない者も何人かいた。
リンと←真面かよ!その他数名である。
その中には、クラスで一番頭の良い女子。通称、委員長も含まれていた。
そんなある日の事。生物係だったリンは、放課後教室に残り、誰か趣味の悪い男子が持って来た。ヒキガエルの水槽の水代えをしていた。
ヒキガエルの水代え、教室の外にある水道の所にヒキガエルが入ったまま水槽を運び、ただ水を交換するだけの地味な仕事。
余談だが、リンは動物や生物が大好きだった為、自ら生物係に立候補したのである。ヒキガエルは想定外(´Д`)
『うわっ気持悪い』
リンの背後から。尖った女の声が聞こえた。
振り向くと。かなりの至近距離に委員長が居て、水槽の中を覗き込んできた。
『仕方ないだろ。僕生物係なんだから。毎日水代えてんだよ』
『ふぅーん。触れるの?』
『触れない。気持悪いし。よいしょ』
そう答えてリンは、水槽を持ち上げ、教室の後ろに戻って行った。
灰色のランドセルを入れておく、ロッカーの上が、生き物係が世話する生物達の置場所だったからだ。
ロッカーの上には、ガマガエルの水槽と文鳥の檻が置かれている。
委員長は、リンの後からついて来て、文鳥を見ながら言った。
『可愛いね』
『うん。餌をあげるんだ』
ゲージの小窓を開けて、餌を注ぎ足すリンに委員長が言った。




