科学と幸せ
セロトニン(幸せホルモン)は人工的に作れる…。
ならば人は科学的に幸せになれるのではないか…。
調理科兼科学部 紺野愛美16歳
本を開く。
『人間の脳に幸福感をもたらすセロトニンはたんぱく質から合成されるアミノ酸の一種、トリプトファンを摂取し、糖質(炭水化物)を組み合わせる事で生成を促される。』
愛美『なるほど。栄養素で、人は幸せになれるんだ…。』
愛美の両親は10年前、離婚し、愛美は母親に引き取られた。
母親は看護師の仕事をしながら、女手一つで愛美を育ててくれている。
愛美『お母さんと二人で、幸せに暮らすんだ。』
いつしか愛美の心に芽生えた感情だった。
2026年7月13日
17:00
部活を終えて家に帰る。
愛美「マミ!お疲れ!また明日ね。」
マミ「イツミ、バイバイ!また明日。」
愛美『ふぅーっ。疲れたぁ。』
愛美は制服からルームウェアに着替えて、食器棚からうさぎのキャラのマイカップを取り出し、氷を入れて、冷蔵庫の麦茶を注ぐ。
喉が渇いていたので、一度に半分以上飲み干してしまった。
愛美は冷蔵庫の中を確認する。
『豆腐と鮭としめじにえのき茸…乾燥わかめもあったかな。』
ある程度の学年になった頃から、愛美は仕事で夜遅くまで働く母親に、温かい夕飯を用意して待っていて上げたいと思う様になっていた。
愛美『今夜は鮭ときのこのホイル焼きと、豆腐とわかめの味噌汁にしよう。たんぱく質はOK。』
アルミホイルに鮭、しめじ、えのき茸を乗せ、マヨネーズとケチャップ、胡椒をかけて包む。
トースターに入れて25分焼く。
豆腐をさいの目切りにして、乾燥わかめを入れて味噌汁を作る。
夕飯を作り終えると、
愛美は『お母さん、早く帰って来ないかな…。』
そう思いながら、母親が買って置いてくれたチョコレートを摘んだ。
愛美『美味しい…。糖質やっぱり必要。』
そう思いながら残りの麦茶を飲んだ。
21:00
母親「ただいま〜。愛美ちゃん、今日も夕飯ありがとう。お母さんもお菓子買って来たからいつもの所に置いとくね!」
愛美「お母さん、ありがとう。お味噌汁、温めるね。」
そう言って夕飯をテーブルに並べる。
愛美「お母さん、たんぱく質と糖質が幸せの素なんだって笑。今日、部活の本で見たんだ。」
母親「なるほど〜。愛美ちゃんは勉強熱心ね!でもお母さんは、愛美ちゃんが居れば幸せだな…。」
愛美「私も…。お母さんと暮らせて幸せ。」
母親「今度、休みの日、お友達と遊んで来たら?家の事ばかり気にしないでさ。貴重な青春時代なんだから笑」
愛美「でも…。」
母親「少し位お小遣い上げるわよ!」
そう言って3000円渡してくれた。
愛美「お母さん、ありがとう。今度の日曜日、マミと出掛けてくる!」
愛美は自分が幸せじゃないと思った日は無かった。母親が居てくれて、友達が居る。
毎日が幸せだ。




