#27 聞きたくない恋愛相談
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
一同「ありがとうございました!」
大川「次の部活動で夏休みは最後だからねぇ~」
井口「え~……もう夏休み終わっちゃうんだ~……なんか寂しい」
荒川「瀬名、今週何か用事ある?」
井口「……私も圭にそれ聞こうと思ってた。一緒にどっか行かない」
私「……お疲れさまでした」
なんだかこれ以上聞いているとまた絡まれそうだったので私たちは
足早に部室を去って行った。あれ、というか久しぶりに弘樹と帰れる!?
そう思うと学校を出る足取りはとても軽かった。
弘樹「やっぱり自分の書いた小説が実際に本になるってうれしいよね」
これまで何度も弘樹は同じことを言っている。それだけ印刷された部誌が
嬉しいということだろう。その横顔を見るだけで私は幸せだ。
弘樹「……諦めた方がいいのかな」
さっきまで高かったテンションはなくなり静かな声でそうぽつりとつぶやいた。
私「……大川さんのこと?」
その言葉に続ける言葉を何にするか迷う……でも私は応援をしたいんだ。
私「私も恋愛初心者だからそんな人のこと言えないけど諦めたくても
諦めれないんじゃないかな……」
あなたには絶対に伝わらない私自身の胸の内を明かすかのようにして
私は話始める。声のトーンも自然と落ち着く。
私「だってどうしようもないくらい好きなんだから恋に落ちたわけでしょ。
その気持ちがあるなら絶対に諦めれないはずだよ」
弘樹は黙って私の話を聞く。
私「振られたなら諦めれるかもしれないけどさ何もなしに諦めるなんて
絶対に無理だと思うよ……その人のことを想う限り……」
こんな話をしていてまさか私が弘樹のことを好きだなんて思わないだろう。
弘樹「……だよね。確かに佑月の言う通りだよ……
でも完全に意識されていない気がするんだよね」
弘樹のその言葉で私の胸はさらにきつく縛られた。
私だってその通りなんだよ……そんな気持ちを押し殺しながら言う。
私「……言い方が悪いかもしれないけど確かに私から見ても弘樹は
"異性"としてはあまり意識されていないと思う。でも前に井口さんから
聞いた話なんだけど大川さんあまり男子とは話さないって。
でも弘樹とはそこそこ話すし別に悪い方向にはなってないよ」
弘樹「そうなんだ……でも不安」
私「弘樹は心配しすぎだって!もう少し成功できる気持ちでいなきゃ!
こっ、こんな天気なんだからさ午後出かけようよ。
話ならたくさん聞いてあげるから」
弘樹「うんわかった。ありがとう、じゃあまた午後」
私「うん」
どうしよう……確かに弘樹の恋愛相談を受けるために誘ったとはいえ
本当に久しぶりに弘樹と二人で出かけるな……
やっぱり私自身もまだ弘樹のことを諦めきれていない。
だって、弘樹のことが好きだから。それも誰にも負けないくらい。
まさか勢いで誘ったのにオッケーをもらえるとは……
塾大丈夫だったのかなと思いながらいつもの待ち合わせ場所にいると
弘樹「お待たせ。どこ行く?」
私服姿の弘樹がいた……無駄に服の選ぶセンスが良くてこっちの
リアクションが困ってしまう。
私「どこでもいいけどゲーセン行かない?太鼓のゲームに好きな曲が
追加されたみたいでそれをやってみたくて」
弘樹「わかった!」
ゲーセンがあるショッピングモールに着くと私たちは早速
太鼓のリズムゲームのところに行く。
弘樹「リズムゲームやるなんてめちゃくちゃ久しぶりかも」
久しぶりということもあって弘樹のテンションは上がっていた。
私が好きな曲を選んでゲーム開始。やばっ、特に何とも思っていなかったが
そう言えばこの曲恋愛ソングだ……まあ気づかれないでしょ。
とは思いつつ内心ひやひやしていてゲームどころではなかった。
弘樹「最後ミスった……って佑月いつもよりスコア低くない?」
画面に映し出されていた私のスコアは弘樹の言う通りいつもよりも
だいぶ低かった。やっぱりひやひやして集中できていなかった。
弘樹「次はこれやろうよ!」
そう言って弘樹は無邪気に他のゲームのところに行く。
こういうところがあるからギャップが好きなんだよね……
それからカードゲームやメダルゲームなどゲーセンを三時間遊び倒した。
疲れた私たちはおやつのためアイスの店に入ってアイスを注文した。
私「このショッピングモールに、アイス屋なんて入ってたんだ」
弘樹「うん、少し前にお母さんの誕生日でここに買いに来てからはまちゃって」
弘樹がそううれしく話すその姿を見ることができて私は何よりだ。
あれだけ困っていた弘樹だったがなんとか持ち直したみたいだ。
私「弘樹はさありのままで大川さんと接していればいいと思うよ。
そうすれば自然と大川さんが好いてくれるかもしれないし」
弘樹「……そうだよね。深く考えすぎちゃってた、恋愛なんて楽しまないと
損だしね。よしっ!帰ったらすぐに執筆するぞ~!」
テンションはいつもの弘樹に戻っており意気込んでいた。
弘樹「誘ってくれてありがとう。良いリフレッシュになったよ」
私「全然、私も楽しかったし」
私の言葉に嘘はない……
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




