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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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23/55

#23 文芸部合宿の深夜

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

井口「……~い、ぉ~ぃ!」

近くでささやいているような井口さんの声が聞こえる。だんだんと

声がはっきりしてきて私は目を覚ました。

私「……?どうしたんですか井口さん」

井口「やっと起きた。三十分くらいずっとこれやってたんだからね」

私「それでよく大川さんが起きませんでしたね」

井口「瀬名は一度寝たらぐっすり寝るからねぇ~」


目をこすりながら現在時刻を確認する……まだ深夜の三時だった。

私「それでこんな時間になんですか」

井口「ちょっと変な時間に起きちゃったね。恋バナの続きしよ」

私「……いいですけど何も話すことないですよ」

井口「ウソだぁ~、まだ私に話していないことあるんじゃないの?」


話していないこと……確かに井口さんに言ってないことはある。

例えば弘樹が好きなのは"大川さん"ということだったり……

ただ話していないことと言っても弘樹の情報でもある。

それを私が勝手に話してよい義理になるわけではない。

私「ないですよ」

井口「じゃあさ弘樹君のどこを好きになったの?」


寝る直前に井口さんが答えていた質問をそのまましてきた。

私「どっ、どこって……全部ですよ。優しいしいつでも手を貸してあげたい

  存在ででも時々見せるかっこいい姿にギャップを覚えたり……って

  私なんでこんなにスラスラと話しちゃってるの!?」

最後の方は自分への質問になってしまったが口から弘樹の好きなことに

ついて話してしまっていた。それをにやにやしながら

井口「なるほど~いいねぇ~青春だね~」


井口さん絶対にこの状況を楽しんでいる気がした。

私「ハハッ……でも絶対にかなわない恋なんですけどね……」

気が付けば私の口からは本音が漏れていた。

私「あっ、いえなんでもないです」

井口「どうして?あたしから見れば二人は最初付き合ってるものだと

   思っていたけど……どうして?」


井口さんの言葉に私は少し泣きそうになりがなら答える。

私「っ……私だって付き合えているなら付き合えてますって……

  ただただ、弘樹も……好きな人がいるそうで」

私は言葉を区切りながら井口さんに説明する。


私「昔からずっと弘樹の横で支えてきてたのでどうしても私が

  支えなきゃだめだって思って、言ったんです"精一杯応援する"って」

私の言葉に井口さんは私を見つめながら話を聞いてくれる。

私「言葉ではそう言ったんですがやっぱり現実は辛くて……

  好きな人と楽しそうに話している弘樹を見ると胸が苦しくて

  張り裂けそうになって」


井口「佑月ちゃんはそんな悩みを抱えていたんだね……

   辛かったら泣いていいからね」

そう言って井口さんは優しく私を抱きしめてくれた。

私「ありがとうございます……もし弘樹が付き合ったら私は心の底から

  笑って祝福することができると思いますか?」

井口さんに投げかけた質問だが同時に私が私自身に投げかけた質問にもなった。


井口「……今のままだと無理だと思う。だって弘樹のことが好きなんでしょ?」

井口さんの質問に私は無言でうなずいた。

井口「仕方ないよね、それが恋って言うものだから。でも佑月ちゃんは強いよ。

   そんな中でもしっかり好きな人を想って最善の行動をやってるんだから。

   大丈夫、佑月ちゃんならきっと大丈夫だよ」

私「せっ、先輩……」

井口さんの暖かい言葉に思わず目頭が熱くなる。


井口「きれいごとじゃないけど人生って楽しいときもあれば苦しいときも

   あるよ。だから今は苦しくても大丈夫、きっと楽しいときがあるから」

私「ですね。井口さんみたいに」

井口「おっ、言うようになったね~それならおりゃ!」

そう言って井口さんは近くにあった枕を投げてきた。

私「枕投げ開始ですね!」

大川さんが寝ている中、私たちが投げた枕が部屋を行き交う。


その音で大川さんが起きる。そして今の状況を見て呆然としていた。

そんなのお構いなく私たちは枕投げの続きをやる。

井口さんが投げた枕の一つが大川さんに当たるとそれを皮切りに

大川さんも参戦した枕投げが始まった。


コンコン。ドアのノック音で私たちは再び目を覚ました。

周りを見ると床に枕が散乱していた。そういえばあの後、枕投げをしている途中で

寝落ちしてしまったことを思い出した。

大川「……って時間だいぶ経ってるわ!」

大川さんが想定していた起床時間よりも三十分程度遅れているらしく

私たちは早く準備をして朝食会場へ向かった。


夕食はビュッフェ形式だったが朝食はそれぞれ用意されているパンを

食べるようで朝はいつも和食だった私にとってはとても新鮮だった。

弘樹「このピザみたいなのおいしいですね!」

そう言って弘樹が食べ進めているのは確かにピザのようなものだった。

ピザの味と食パンのふわふわとした生地が使われているようだ。


ちなみに井口さんはどうやら朝が苦手らしく隣に彼氏がいるというのに

テンションはそこそこのようだった。

大川「朝は静かだわ。瀬名のテンションが低いからね~」

大川さんはわざと大きな声で言った。

それにも反応しないほどのテンションだ。

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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