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ギルドに着くと、夕方でもうすぐ閉まる時間だからか、人がまばらだった。一人残っていた受け付け嬢のところへ向かう。
「あら、どうしたの?忘れもの?」
顔なじみの彼女が声をかけてくれた。
「泊まるところを紹介してください」
「は?お家は?」
「閉め出されました」
無言で見つめ合ってしまった。受け付け嬢の口元がピクピクしてきた。
「閉め出された?」
「はい。入れてもらえません。なので、泊まるところを紹介してください。今日はもう暗くなるので、明日から住むところを探そうと思います。とりあえず、今晩一晩泊まれるところを教えてください」
そう言い終わると、受け付け嬢がカウンターを叩いた。
「住むところって何?今日だけ入れてもらえない訳じゃないの?ずっとなの?」
「たぶん?」
「もう!なんなの?あなたの家どうなってるの?年頃の娘を一人で閉め出すってなんなの?お金はもらったの?」
「もらってません」
「そうよね…自分でごはん代を稼がないといけないのだものね…宿代、ましてや家賃なんて払ってくれる訳ないわよねぇ…」
はぁ…っと息を吐くと、受け付け嬢はギルドマスターを呼びに行った。
「ちょっとぉ~、ギルマス~!」