薬がほしい男の子
これでお金には困らないな。
そう思いながらも冒険者ギルドを出る。……いっちょこの国混乱させてみようかな。と、考えてはみるが面倒なのでやめておこう。
冒険者ギルド長はきっとやめるだろうし。精神攻撃は基本。
「それにしてもちょろいな。バカばかりかよ」
大金を手にして歩いていると。
突然その袋が引っ張られる。そして、奪われた。ひったくりか。まあ、取り返そうと追いかける。袋を持っていったのは男の子だ。
お金が結構入っている袋を奪うなんて……。本当にバカだろう。重くて走れないらしい。
「はい、捕らえたっと」
首を絞め、お金を取り返した。
「はいはい坊ちゃん。ダメですよー。人からお金を奪っちゃ」
「うるせえ! 金持ってんだからいいだろうが! 少し分けろ!」
「図々しいにもほどがある。これは私が稼いだ金だ。なぜ分け与える必要がある?」
少年を解放してやると、懐からナイフを取り出し、私に向ける。
「ここで死ぬつもりか? まだ若いんだから強く生きろよ」
「うるせえ! お前を殺してでも奪って……!」
「ふーん。やれるもんならやってみなよ」
私は重力操作で男の子の体重を5倍ぐらいにすると、男は地面に倒れた。立ち上がろうにも重力が強くて立ち上がれないらしい。
これで殺すとか笑ってしまうなー。
「お前っ……! なにもん……だっ!」
「……言わないよ。それより、君のお母さん大丈夫?」
「なっ……! なんで知って……」
「あ、やっぱそうなんだ」
適当に言ってみただけなんだけど。
流行り病を治すための薬を買おうとしてこの金が欲しいんだろう。けどさ。
「それ、ガセでしょ。フルールク感染症はとても珍しい感染症だ。今薬はそれほど出回ってないだろうし、このお金で買えるわけがないよ。騙されてるよ」
「違う! 貴族が薬を売ってくれるって」
「へぇ……」
そんな貴族がいるんだ。
なんか胸糞悪いな。詐欺にはいい思い出がないからだろう。運営狡いな。私が詐欺被害にあってるやつを助けないと思っているのか?
あのさ……。私はどんなことも見逃すけど、詐欺被害だけは見逃したくない。そう考えると情が湧いてしまう。
……しょうがないか。
「ついてきなよ。薬を作ってやるから」
「は?」
「母親を助けたいんだろ。早く来なよ」
「え? あ、おう!」
まったく。
「で、薬を売ってくれるという貴族はどういう名前だ?」
「えっと……アストラ子爵っていった」
「へぇ」
詐欺を働く奴はクズだよ。
私もクズだとは思う。人だって殺せる。けど、人をだましてまで金を奪う行為は絶対にしたくない。そういうことはトラウマになっている。
そういうことをするやつは滅んでほしい。いや、まじで。
「アストラ子爵に会うことできるかな」
「えっと……。アストラ商会にいけば会えるかと……」
「わかった。お姉さんちょっと行くから先に魔王領に行っといてくれるかな」
「えっと……」
「道が怖いなら……」
ビャクロを呼び、ビャクロに送らせることにしよう。
私は、アストラ子爵をぶっ殺す。




