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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
魔王ワグマの治める地
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ある日森の中、PKに出会った

 私がログインすると、ビャクロとワグマはもういたのだった。


「遅い」

「ごめんごめん。ご飯食べててコンビニ行ってた」

「コンビニはあとでもいいじゃない……」

「いやあ、無性にクリームソーダが飲みたくて」


 あれ美味しいよね。


「で、今日は何するの?」

「レベル上げ」

「ま、そうだよな」


 しばらくはレベル上げになりそうだ。

 でも、この森の魔物を狩り続けるというのも味気がない。むしろ、もっと味気ある戦いがしたいんだけれどな。

 味気ある戦い……か。


「PKに挑戦してみるか?」

「PK? サッカーか?」

「ビャクロ。それは違うわよ。多分」


 ワグマも知らないっぽいなぁ。


「PKっつうのはね、プレイヤーキラー。つまりプレイヤーを殺すっていうことで……本来のゲームなら禁止されてるけどこのゲームはPKありきだからやってもいいんだよ」

「ダメよ! 他のプレイヤーを殺すなんて!」

「ああ、私も反対だ」

「だよな」


 まぁ、反対されるとは思っていたけどさ。

 

「でも、もうすでに私たちの周りには三人くらい私たちを殺そうとしてる人がいるけどいいの?」

「「えっ」」


 私がそういうと、三人のプレイヤーが姿を現した。


「バレてたのかよ。なんでばれた。気配は消してたろ?」

「あのねぇ……。殺気隠せてないし、そもそも足音消せてないし」

「不意打ちするつもりだったんだがよぉ……しゃあねえ。バレちまった以上は正々堂々やるしかねえなぁ」


 と、一人は杖を、一人は剣を、一人は槍を構える。

 ビャクロとワグマは固まったままだった。


「へぇ、君たちは正々堂々やるつもりなんだ」

「お前に不意打ちは効かなさそうだ」

「わかってるね」


 でも、君たちが正々堂々やるつもりでも、私が正々堂々やるとは限らないのに……。まだまだPKとしては甘いよね。PKやろうと決意したばかりなんだろうか。

 しょうがない。相手はしてあげようか。


「それじゃ早速」

「狙撃」


 私は、まず杖を持っている子の杖を狙って弓を放つ。杖に当たり、杖がはじかれた。地面に転がる杖を拾おうとする。

 でも、その隙が命とり。


「それじゃミノタウロスさん! よろしくです!」

「モォォォォ!」


 後ろに隠れさせていたミノタウロスの咆哮。

 それは三人を怯えさせるのも容易だった。私が戦うわけではないよ。正々堂々なんてわたしがやるわけないよ。突発的な勝負なんて基本私はしないんだから。

 準備して、策を弄してというのが私の戦法だからね。


「お、お前らミノタウロスをっ……!」

「あれには俺も勝てねえ! 逃げるぞ!」

「ひいいいい!」


 逃がすものか。


「ビャクロ。三人を相手してあげて。得意の柔道で!」

「任された」


 ビャクロは素早く三人の前に出ると、足で払い、三人を転ばせた。

 そして、追い付いたミノタウロスは棍棒を頭上に振りあげ、そして勢いよく下ろしたのだった。その攻撃は、レベルが低そうな彼らに耐えられるはずもなく。

 散って消えていったのだった。


「PKは旨味がある。倫理観とか、そんなことを気にしていると、いつかPKにやられるよ」

「だな。なんとなくわかった。このゲームは殺伐としたゲームだ」

「プレイヤー同士で殺しあうって……このゲームでは普通になるのかしら」

「それはないと思うよ。相手の強さもわからない以上、無理に仕掛けるのは得策じゃない。相手の後ろに何が控えているかとか情報を集めてから殺すのがいいんだよ」


 バックに強い奴がいるばかりにかたき討ちに来られても厄介だからね。


「でも殺しが容認されていたらそれこそまずくない?」

「そうだよ。だからこそ、PKして騎士に捕まったら最悪BANされるんだよリスクがあるからね」

「え、なにそれ」

「え、知らないの?」


 説明書に書いてあったと思うんだけど。


「要するに、騎士につかまって死刑宣告受けたらプレイできないの。だから魔王になるには結構リスキーなんだけど」

「ええ!?」

「魔王だと騎士に捕まったら即死刑になりそうだよね」

「ええええ!?」


 悪の魔王だとそれこそ死刑は免れないだろうし。

 それを避けるにはどうすればいいのかというと、まあ、友好的な関係を築くことだよね。


「それでもなるんでしょ?」

「……もちろん」

「決意はやっぱり固いようだね」

「そりゃ、リスクを考えて行動できないのが一番無能だからよ」


 まぁ、リスクだけ考えて行動できないのはな。


「なるといったからにはなる。有言実行よ!」


 








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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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