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アルビトリウム  作者: 新条満留
第六章 旅立ち
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陥落

陥落


 仙獣族の第二級属州風谷国が陥落した。妖獣族は余勢を駆って安獣城の周辺にある砦を次々と襲撃し始めた。

 「敵は強狼砦きょうろうとりでに取り付きました。そこが落ちたら敵はこの城に押し寄せて来ます。どう致しますか、バンライ王?」

 軍部を統括する兵部大師へいぶだいしが上申した。

 「人族の援軍はまだ来ないのか? 今どこにいる!?」

 バンライ王は政治全般を司る政部大師せいぶだいしに訊ねた。

 「伝令鳥の報せによると、もう近くまで来ているということです」

 政部大師は答えた。

 「エルフ族の援軍は?」

 「明日にも到着する予定でしたが、途中で妖獣族の奇襲を受け、兵の半数を失い一日到着が遅れる模様です」

 「うーむ……早く来てくれソルジャー…もう我々だけでは支え切れそうもない……」

 バンライ王は右手で握り拳を作り自分の腿を叩いた。そして言葉を続けた。

 「本隊の第一陣を進軍させろ人族の援軍と挟撃して敵の進撃を阻止するのだ」

 バンライ王が命令を下すと、王宮に伝令鳥が入って来て報告した。

 「伝令! 敵が『フライディノ』を出してきました! その数、およそ四百!」

 「何、『フライディノ』だと! 何であいつらが……『骨片の砂漠』から来たと言うのか? あいつらに空から襲われたら地上部隊は大混乱に陥る。仕方ないこっちも『豹猫鷲ひょうねこわし』を出せ! 何とか『フライディノ』の空襲を防ぐんだ」

 バンライ王は焦燥に駆られた。

 妖獣族の『フライディノ』は『骨片の砂漠』に生息し死骸を食い漁る大きな双頭の翼竜である。特殊攻撃は持っていないが、身体が人の三、四倍もあり四本の足には鋭い鉤爪かぎつめがありそれで襲われたら仙獣族の頑丈な身体を持つ獣型でも一溜まりもない。

 一方、仙獣族の『豹猫鷲』は大きさは人とそれほど変わらないが、剣のような鋭いくちばしを持ちそれで敵を攻撃する。その嘴は金属の鎧さえ貫く硬さを持つ。百人ほどしかいない獣型に属する少数支族だがその強さは大東原では空の王者として名高い。

 人族の到着を前に仙獣族と妖獣族の宿命の戦いは新たな展開を迎えようとしていた。

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