マモルとファル
マモルとファル
「そんな事があったのか……ありがとう、ファル。全部話してくれて、辛かっただろう?」
マモルはファルの目の涙を人差し指で拭ってやった。
「嫌いになったでしょう? 私は嫌な女よ…あなたの幻霊でいる資格なんてないのよ…」
ファルは再び涙を零しながら言った。
「そんな事あるもんか! 俺の幻霊はお前しかいない! お前のお蔭で俺たちはここに戻ることができたんだ。仮令それがどんな形だったとしても、俺はお前に感謝するよ! もしお前がいなかったら、皆がここに戻れたかどうか分からない。誰かが欠けたとしたら、それは不幸な結果になっていたと思うぞ。でもお前は辛い自分の気持ちを堪えて、ちゃんと皆をここに連れて来てくれたじゃないか! それだけで十分さ。だから俺はお前に感謝する。ありがとな、ファル! だから小さなことなんて気にするな! 誰にだって自分にしか分からない悩みや苦しみがある。それが人間さ! ほら美人が台無しだぞ」
マモルは再び彼女の目の涙を拭ってやった。彼女は彼の胸の中に顔を埋めて声を上げて泣いた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
ファルは何度も謝り続けた。
「謝るなよ。皆、生きてここにいられるのはお前の功績なんだ! 誰も褒めてくれないなら、俺が褒めてやる! よく頑張ったな、ファル! そんなに一生懸命にならなくてもいい。お互い仲良く楽しくやっていこう、な!」
マモルはそう言って彼女の背中に腕を回して抱き寄せた。
「えっ!?」
ファルは驚いて彼の顔を見上げた。彼は彼女を見つめていた。その顔はあの時のステラの顔だった。




