再会の二人
再会の二人
マモルは目の前に現れた小人が紛れもなくファルだと思った。輝きを放つ光の羽の生えた小さな姿でも彼女の顔は変わっていなかった。
「ファル…どこに行ったのかと思ってた…うっ…ううっ……会いたかった…」
マモルは涙を拭きながら言った。
「…ありがとう……ステラ…でもそんなに泣かないでよ! 私まで泣けてきちゃったじゃないの!」
ファルの頬を涙が伝っていた。
「だってあの時、急にいなくなったから、どうなってるのか全く分からなかった。気が付くとここに来てて、戦えって言われて…ずっと一人で訳も分からないまま……」
マモルは再び涙を流し始めた。
「あの時はあなたの幻霊に戻っちゃったから姿が見えなくなっただけよ。ずっと傍にいるから安心して!」
ファルは涙を拭って笑顔を作った。
「そうだったのか…良かった!」
マモルも涙を拭って笑顔で言った。
「でも、あんな戦い方して少しヒヤヒヤしたわよ!」
ファルは叱った。
「ああ…ごめん…突然だったから…戦ったこともないし、あんな物に襲われのは初めてだしさ」
マモルは道の焦げ跡を見つめながら言った。
「まあ、記憶がないから仕方ないけど、もう少し戦い方を覚えてからじゃないと妖虫族の巣に行くのは厳しいかもね」
ファルは言った。
「どうすればいい?」
「そうねぇ。私が戦い方を教えてあげるから、ステラが戦い方を思い出すまで言う通りにしてね!」
「そのステラっていうのは、俺の本当の名前なのか?」
「ええ、そうよ」
「そうか…でも、まだ思い出せないんだ。思い出すまで俺のことはマモルって呼んでくれないか?」
「…そっか…分かったわ! じゃあ、マモル、私の言う通りにしなさい!」
ファルは両手を腰に当てて戯けた。
「はい、先生!」
マモルも調子を合わせて答えた。
「よしよし、いい子ね!」
ファルはそう言って彼の鼻を撫でた。
「コラ、いい子とは何だ! 俺は子供じゃない!」
マモルは怒った振りをした。
「あははは!」
ファルは大声を上げて笑った。
「あははは! なあ、もう元の大きさには戻れないのか?」
マモルは真剣な顔になって訊ねた。
「戻れるわよ!」
ファルは笑顔で答えた。
「やってみてくれないか?」
「ええ、いいわよ!」
ファルはそう言って目を瞑ると何かを念じているようだった。するとマモルの前に『マテリア』で見たあの綺麗な女性が現れた。
マモルは嬉しくなって涙を浮かべた。そして彼は突然彼女の背中に腕を回して抱き締めた。
「会いたかった、ファル!」
マモルは涙に咽びながら言った。ファルは少し驚いていたが、彼の気持ちを察して彼の胸に顔を埋めた。
「私もよ、マモル!」
『アルビトリウム』の空は夕暮れ時を迎えていた。暖かいそよ風が二人を包み込み、太陽はオレンジ色の輝きを放って地平線の向こう側に沈み込もうとしていた。




