二十話「二人の求婚者」
陛下は、アルビーお兄様に偽物のカレンダーを渡し四日を三日と勘違いさせていました。
お兄様の性格を考えると、卒業パーティー当日に「やっぱり自分が卒業パーティーに行く……!」と言い出しかねませんからね、これくらいの嘘は必要です。
お兄様の帰ってきた公爵家は、朝日が昇ったように輝いてました。
精霊や妖精がお兄様の周りを回って、加護や祝福を与えていたから、それで明るかったのかもしれません。
この日は精霊たちもはしゃいでいたようで、その姿を私の目でも見ることができました。
お父様とお母様の目にも映っていたようで……なのにお兄様には見えていないようでした。
どうしてお兄様には精霊の姿が見えないのか? 謎です。
家族揃って食べる食事。楽しく夕飯を食べ、それから寝るまでお兄様にハグして涙を流して頬にキスして……を繰り返しました。
とても素敵な一日でした。
破滅フラグを破壊して、ざまぁして、お兄様が公爵家に帰ってきて、ハッピーエンド、大団円。
まさかその翌日……。
「アルビー・レーヴィット様、わたくしと結婚してください!」
エミリア王女が公爵家を訪ねて来て、お兄様に求婚するとは思いませんでした。
美しく淑女らしく成長されたエミリア様。そのエミリア様に手を握られ至近距離でにっこりとほほ笑まれ、お兄様は耐えきれず、顔を真っ赤にして失神。
やめて! お兄様は家族以外の女性に免疫がないのよ!
そこに第二王子のハンス様が現れ。
「リーナ・レーヴィット嬢、ボクと結婚してください! ずっとあなたの事をお慕いしておりました!」
跪かれてプロポーズされた。
一日に二人の王族が訪ねて来て、お兄様と私にプロポーズするとは……レーヴィット公爵家の末代までの語りぐさになりそうだ。
今日は王族が好きな人に求婚する日なの?
アルビーお兄様とエミリア王女の恋の行方、私とハンス王子とフレディ皇太子の三角関係がどうなったのかは、いずれまたお話します。
ーー終わりーー
アルビー視点も読んでみたいとのご意見をいただきましたので書いてみました。
あんなラストですが、お兄様が帰ってきてハッピーエンドという形で終わりです。いつか機会がありましたら、番外編とか後日談という形で、この兄弟の恋話を書けたらと思います。
リーナの性格と話し方が迷子に……。読み切りのときと性格が違くなってしまいました。(^_^;)
リーナはブラコン、アルビーはシスコンになってしまいました。
☆
北欧神話の神々については、私の好きな神様を書かせていただきました。
ミーミル神は首だけですし、イズンのりんごは不老の効果はあっても病を治す効果はありませんし、バルドル神は弟に殺されますし、チュール神は右腕がない……そういう細かいところは全部スルーしてください。
☆
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【中編】「第一王子に婚約破棄されましたが平気です。私を大切にしてくださる男爵様に一途に愛されて幸せに暮らしますので」
https://ncode.syosetu.com/n4326hn/
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2022/03/17、新作中編の連載を開始しました!
こちらの作品もよろしくお願いします!
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【短編】「私と王太子の婚約を知った元婚約者が、王太子との婚約発表前日に家に押しかけて来て『俺の気を引きたいのは分かるがこれはやりすぎだ!』と言って復縁を迫ってきた」
https://ncode.syosetu.com/n5700hn/
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2022/03/17、新作を投稿しました!
約11,000文字の短編です!
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【完結】「冤罪で処刑された公爵令嬢はタイムリープする〜二度目の人生は殺られる前に殺ってやりますわ!」
https://ncode.syosetu.com/n6953hm/ #narou #narouN6953HM
2022/03/17、番外編を含め完結しました!
こちらの作品もよろしくお願いします!
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