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暗殺者なのに動物すら殺せない公爵令嬢ですが、神様のイタズラで勇者の護衛を任されました。魔王討伐をお願いされましたが、正直難しいです  作者: 八ッ坂千鶴
第5章 暗殺者として

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第50話 旅立ちの準備

 ◇◇◇ミカエラ目線◇◇◇


 エレンの卒業式からしばらくして、私の家にはエレンとメウスが居候している。


 なんでこのような状況が出来上がったのかはわからない。ゆえに毎日が私の取り合い。


 そんなある日私の家に懐かしい面々が集結した。


「ミカエラさん。護衛任務お疲れさまです」


「ありがとうございます。シリルさん」


 少し伸びた新緑の髪をなびかせるシリルは、真新しい鎧を纏っている。赤いラインが入った騎士団服。その姿はものすごく新鮮だった。


 その隣には、犬耳を生やした男性がいる。セリンだ。セリンも少し緊張した顔をしていた。


 今シャーロット領は冬の終盤。時の流れは早く肌寒い空気が流れている。


「ミカエラさんと、エレンさん。それとメウスさんの補助をすることになりました」


 シリルはそう切り出すと、蝶の模様が描かれたネックレスを人数分取り出した。


「これは、ギルドで申請してもらったメンバー証明紋です」


「ありがとうございます」


「この紋章があればこの王国のみならず、他の種族の国にも無償で入ることができるんですよ」


 シリルからネックレスを受け取ると、それを首に下げた。だけど一つだけネックレスが多い。


 もしやと思い、自室からヘカートを持ってきた。軽く投げると、ヘカートは人の姿になる。


「ティア。これ下げて」


「いいの?」


 ティアは不思議そうな顔をして、ネックレスを手に取った。首にかけると、金色の模様が浮き出る。


「うわぁ。すごい」


 嬉しそうにはしゃぎ回るティア。強制的に銃に戻して魔法で回収する。


 数秒間脳内で彼女の愚痴が聞こえたが、無視しておくことにした。


「では、これから向かう場所を決めましょう」


「それよりも、なんでセリンさんが?」


 そうだ。私たちに用があるのはシリルだけのはず。なのに、一緒に行動をしないセリンがここにいる。


「ん?」


「えーと……」


「あ、ああ……」


 なんかグダグダになってしまう空気感。セリンは私の手元を見ていた。そこには、回収して愚痴中のティアがいる。


「もしかして、ヘカートのメンテナンスですか?」


「そうだが……」


「じゃあ、お願いします」


「おう。じゃあ、明日また持ってくる」


 私はヘカートを預けると、残ったメンバーで食卓のある部屋へ移動した。


 中では、お母様とレイラが料理中。最近レイラが作った料理しか食べてない。


「準備できましたよー」


「ありがとうございます。お母様」


 食卓には、チーズナンとカボチャのシチュー。そこへ牛肉のサイコロステーキに、サーモンのチーズ焼きなど。どう考えても胃にたまりそうな料理が並んだ。


 ちなみにサイコロステーキとサーモンのチーズ焼きは、シリルの好物らしい。


「ではいただきましょう」


 シリルがそう言うと、サイコロステーキをフォークで刺して頬張る。


「エレン、またチーズナンをリクエスト……」


「負けないぞー」


「『メウスはやりすぎ!』」


 いつかあった懐かしい思い出。今日も張り合うメウスに、それを笑う仲間たち。


「次に行く場所はどこにしましょうか?」


ほうあね(そうだね)いふぁーうお(リザークの)……」


「メウスさん。食べながらはお行儀が悪いですよ」


「うっく。やっと飲み込めた……。リザークのことを調べたいから、グラーシア領に行くのはどうかな?」


「グラーシア領?」


 昔聞いたような名前。だけど、そのグラーシア領には一度も行ったことがない。同時に、お母様の故郷があるブライアント領にも踏み入れたことすらない。


「その、グラーシア領って?」


「ボクの祖父の家がある領地ですね。あそこは魔族信仰が強くて、魔族研究も盛んに行われています」


「そうだね。あと、この国屈指の工業領地でもあるから。日本ほどじゃないけど加工施設は沢山あるよ」


 するとこの話を聞いていたらしいレイラがキッチンから出てきて、椅子に座った。


「この家にある調味料のこと。ミカエラも覚えているんじゃないかしら?」


「え。えーと……」


「胡椒の実をグラーシア領に送って、加工してもらってる。昔お母様が言っていたことよ」


 言われてみればそうだ。お母様とお父様はグラーシア領とも関わりが深いことも、小さい時に教えてもらった。


 そうしている間に、チーズナンが消滅していることに気づく。レイラは席を立つと、追加を持ってきた。


「エレンさん。食べる量増えました?」


 ふとお母様が質問をする。


「食べる量多分増えたかも。まだ入りそう……」


「エレン。腹八分目だよ」


「メウスに言われたくないやい!」


 まさかの言い返し。これにはメウスも想定外だったようで、しゅんと顔をうずめる。


 これまでのツケが回ってきたってこと。エレンもこの時を狙っていたのかもしれない。


 食卓はものすごく明るく温もりのある空間になった。家族と笑いあえるのはしばらくないのかもしれない。


 それには、自分の成長と共にやってきた寂しさもあり、行動を変えられないのも事実。


「では、最初に向かう場所はグラーシア領にしましょう」


 シリルがシチューをスプーンで掬いながら、決定案を伝える。私はそれに頷いた。


 メウスやエレンも異論はないらしい。そこへ、セリンも合流する。


「セリンさん。早かったですね」


「まあな……。いくつか問題が出てきた」


「問題?」


「ああ。だが、これはしっかり突き止めないとな……。ヘカートは返しておく」


 セリンが私にヘカートを返却する。セリンでも解決しない問題。


 颯爽と彼は部屋から出て消える。


「なんだったんだろ」


「さあ? そろそろ、僕たちも出発しましょうか。結局チーズナンを五枚食べてしまったし」


「エレンそれは……」


 彼の言葉には、他メンバーも頷き。


「『食べすぎ!』」


 同じタイミングでツッコミを入れられるのであった。

読んでくださりありがとうございます


この話で第1部は完結となります


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