表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変わってしまった現代で錬金術師になった  作者: 月輪林檎
第三章 再会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/146

100.解放軍支部

 香織達が、少し長めの階段を上っていくと、外へのハッチが見えた。ライアンが、ハッチを開いて外に出ていく。香織達も後に続いて行った。ハッチを抜けた先は、また通路だった。


「ここがアジト?」

「ここから、もう少し歩けば着く」


 どうやら、まだ道の途中だったみたいだ。香織達は、そこから十分程歩いた。すると、正面に扉が現れた。


「ここからがアジトだ。俺と一緒にいれば、他の面々に見られても、問題ない。だから、離れずに付いてきてくれ」

「分かった」


 ライアンの後に、玲二が続き、香織、咲、重吉、他二名と続いて行った。アジトの中には、多くの人がたむろしていた。香織達とすれ違う度に、じろっと見てきている。知らない人が来ているので、仕方ないだろう。


「ここだ」


 ライアンは、一枚の扉の前で止まった。


「中に、この支部の代表がいる」

「ん? 組織の代表じゃないのか?」


 ここが組織の支部だという話は、玲二も聞いていない。


「ああ、代表は、ニューヨークにいる」

「じゃあ、本格的な同盟は、そっちに行かないといけないのか?」

「恐らく、それはないと思うが、まぁ、話し合ってみてくれ」


 ライアンは、そう言って扉を開く。そして、香織達を中に促した。


 部屋の中には、向かい合わせになったソファとその間にテーブルがあった。奥のソファには、金髪碧眼の女性が座ってる。その顔の左側。目の上から頬に掛けて、大きな傷跡が付いていた。そして、その眼孔は凄まじく鋭い。その姿を見た、護衛の二人は、少し見られただけで萎縮していた。


 香織と咲はといえば……


(すごいスタイル……私も成長しないかな……?)

(絶対にスタイルについて考えているわね。何か失礼な事を言わないと良いけど)


 全く萎縮せず、そんな事を考えていた。玲二や重吉も同じく萎縮などしていない。


「座りな」


 女性は、たばこに火を点けながら、そう言った。


「たばこ?」

「嫌いかい?」


 思わず呟いてしまった香織に、女性がそう訊いた。


「ううん。たばこがあることに驚いただけ」

「そう。嫌だったら、言ってね。君達がいる間は、吸わないようにするから」


 そう言う女性に、誰も嫌だとは言わなかった。


「さて、そっちの代表は誰?」

「俺だ」


 ソファに座りながら玲二がそう言った。


「飛行機で、ここまで来たって事は、領空権持ちと交流があるって事だね?」

「ああ」


 玲二は、その所有者が、この場にいるということを喋らなかった。無闇矢鱈に、権利について話すのは、危険だからだ。


「そう。なら、次に来る時は、その権利持ちを連れてきて欲しい。こっちも、空を移動したいから」

「保証は出来ない」

「そう。まぁ、仕方ないね。それじゃあ、本題に入ろう」


 女性の目付きが、少し鋭くなる。


「私の名前は、エマ・トールソン。解放軍ロサンゼルス支部の支部長だ」

「俺は、日本の冒険者ギルド代表の坂本玲二だ」

「アメリカと同盟を組みたいんだってね。でも、残念なことに、アメリカはバラバラになっている。同盟を組んだとしても、アメリカの一部とって事になるよ」

「構わない。そちらが、アメリカの実権を握ることが出来れば、アメリカとの同盟になるはずだ。俺としては、志を同じくするそちらと同盟を組みたいのでね」


 解放軍は、冒険者ギルドと同じく、アメリカを解放して元の状態に近づける事を目的としている。だからこそ、玲二は、解放軍と接触する事を決めたのだ。


「なるほど。なら、ニューヨークに向かうと良い。そこに解放軍の本部長がいるから。書状を用意しておいたから、これも持ってね」


 エマは、そう言って、一通の封筒を渡した。


「一応、私達、ロサンゼルス支部は、同盟を受け入れるから、何かあれば言って欲しい。その代わり、私達の頼みも聞いてもらいたい」

「ああ、俺達の出来る事なら手伝うが、何かあったのか?」

「ええ、フィールドダンジョンの攻略を手伝って欲しいの」


 アメリカでもフィールドダンジョンが発生しているみたいだ。


「フィールドダンジョンか……どこにあるんだ?」

「すぐ近く、ハリウッドだよ」

「そんなに難易度が高いのか?」

「雑魚敵の強さは、それほどでもないんだけど、ボスが異常な強さで、敵わないの」

「そういうことか。分かった。協力しよう。とは言っても、戦力になれるかどうか分からないけどな」


 玲二達は、ある程度の人数がいるとはいえ、フィールドダンジョンのボスと渡り合えるだけの強さがあるかどうかは、別問題だ。


「それは、そこの二人のお嬢さん達も手伝ってくれるということ?」


 エマは、香織と咲を見てそう言った。


「どういう意味だ?」


 玲二は、少し警戒しながら訊く。香織と咲は、厳密には冒険者じゃない。そのため、手伝ってくれるかどうかは、二人次第ということになる。玲二は、そのことを、エマやライアンに話してはいない。


「そのままの意味だよ。そこの二人だけ強さが桁違いだ。恐らくだけど、権利を持っている子達でしょ? こう見えて、人を見る眼だけはあるの」


 エマは、にこりと笑いながらそう言った。玲二は、正直に話すべきかどうか迷った。しかし、そんな迷いも意味がなかった。香織達が、口を開いたからだ。


「うん、そうだよ。よく分かったね」


 香織は、正直にそう答えた。


「じゃあ、あなた達のどちらかが、()()()()()()()だね?」

「「えっ!?」」


 香織と咲に衝撃が走る。


「待って。本部長の名前は?」

「マヤ・サクラノ」

「あっ、お母さんだ」


 桜野真夜(さくらの まや)。香織の母であり、アメリカ解放軍の本部長を務めているらしい。


「何で、お母さんが本部長なんてやってるの?」


 香織は、混乱しながらもエマに問いかけた。


「変異した後、真っ先に皆をまとめたのが、本部長なんだよ。おかげで、崩壊しかけた秩序も一時的に保つことが出来たんだ」

「お母さん、何やってるの……?」

「おばさんらしいといえば、おばさんらしいわね」


 香織達は、頭を抱えながらも、真夜らしい行動だと納得した。


「じゃあ、お母さんは、ニューヨークから移動していないんだね?」

「多分ね。本部長は、行動派だから、運営を副本部長に任せて、色々な場所を回っている事もあるんだ」

「副本部長って、お父さんだよね?」


 香織がそう訊くと、エマは頷いて答えた。これで、香織の両親は、二人とも生き残っている事が判明した。今のところはだが……


「結局、目的地は、ニューヨークかぁ。時間は掛かるけど、会えそうだね」

「いや、次の目的地が、ニューヨークだぞ」

「へ?」


 当初の方針では、ニューヨークに行く前に、途中途中寄り道をする手はずだったが、いつの間にか変わってるみたいだ。


「どうして?」

「目的は、アメリカとの同盟だからな。解放軍との同盟を早く締結させるために、ニューヨークに直接飛ぶ事に決めた」

「まぁ、そうだよね。じゃあ、さっさと、フィールドダンジョンを攻略しないとだね」

「じゃあ、フィールドダンジョン・ハリウッドについて説明するよ」


 香織達は、ハリウッド攻略のための会議を始めた。

読んで頂きありがとうございます

面白い

続きが気になる

と感じましたら、評価や感想をお願いします

評価や感想を頂けると励みになりますので何卒よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=312541910&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ