第三十九話(閑話)ケンジ、学校に行く②
「じぁ、行ってらっしゃい」
「いってきまーす!!」
僕は元気に家を出て、始まりの村に向かう。今日から初めての学校だ。わくわくとドキドキで昨日はよく眠れなかった。
村に着くと僕は小さな小屋の前に立つ。
ゴクリ。あまり大きくない建物のはずなのに凄く大きく感じる……。
おかしいな、さっきまでこんなに緊張してなかったはずなのに。緊張のせいで扉にかける手がうまく動かない。
僕がもたもたしている内に誰が向こう側から扉を開けてしまう。
「あれ?ケンジじゃん?こんなところで何してんだよ」
「あっ……ティプ君」
扉を開けたのはティプ君であった。
「ほほほ、待っとりましたぞケンジ殿。お好きな席に座りなされ」
今日からは先生となるおじいさんが僕ににっこりと笑いかける。小屋の中には僕とティプ君以外にダラム君とトム君にララちゃんもいた。
「じゃあケンジ、俺の隣の席空いてるから俺とこ来いよ!」
ティプ君は僕の手を取り、僕を教室の中へと引っ張る。あんなに重かった足が嘘のように軽く動いた。
「ちょっと!あんたのところなんかにやったらケンジ君が真面目に勉強に集中できるはずないでしょ」
そう言ったのはララちゃんであった。ララちゃんはすごい。女の子なのに思ったことははっきり言うし、ティプ君たちに対しても負けじと対向する。正義感が強くてまるでお日さまみたいな女の子だ。
「あぁ?なんだと!この怪力メスゴリラ!」
「何よ!お馬鹿なアホ猿のくせに!」
「あ、あのぅ……」
二人は僕の腕を引っ張り合って離してくれない。結構二人も力が強いから痛い。
でも、二人共。僕のせいで喧嘩して欲しくなかった。
すると、おじいさんが二人を止めに入る。
「こらこら止めんかララ、ティプ。ケンジ殿が痛そうにしているではないか」
「あっ……」
「ご、ごめんなさい」
二人共も僕の痛そうにしている顔を見て、慌てて僕の腕を離す。
ふぅー、良かった。僕の腕、もげちゃうかと思ったよ。
「じゃんけんで決めなさい。すまんがそれでよろしかのぅ?ケンジ殿」
「は、はい!それで大丈夫です、おじいさん」
「こりゃ、ケンジ殿。ここでは先生と呼びなさい」
「あっ。はい、先生!!」
そんな感じで僕の初めての学校生活は始まりました。そして、その日の僕の席の隣はララちゃんになりました。
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「でね、今日はすごく大変だったの!」
「そうかそうか」
僕は今日あった学校の出来事を晩ごはんを食べながらポチにお話してあげる。今日のご飯は肉と野菜がたっぷりと入ったスープだ。体が温まって美味しい。
ポチは僕のどんな話しもちゃんと聞いてくれる。
「ケン、学校は楽しかったか?」
「うん!!」
僕はまだまだよわちぃくて、ポチに色々迷惑かけちゃうもだけど今は頑張って僕ができることをしよう。
僕はスープを啜る。はぁー、幸せだな。




