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第三十二話 報酬

 「ポチ様、こんにちはー!」


 陽が差し、木々の木洩れ日が漏れる森の一角にある俺の家に訪れてきたのは、はじまりの村で解体屋を営んでいるティムであった。会うのはあの宴以来の時である。


 「どうしたんだ? わざわざ俺の家にまで訪ねてくるなんて」


 「いえ、ようやく隣村にも頼んでいた悪食豚頭(オーク)の解体作業も終わり、報酬が此方に届いたので俺が請け負っていたの分の悪食豚頭(オーク)暴食豚頭(キング・オーク)の報酬も共にお渡ししようかと今回急いで参りました」

 「なーんだ、そんなことならわざわざティムが俺んちに直接来なくても俺が解体屋に顔出しに行ったのに」

 「はい、確かに普段なら私が直接動いて報酬をお支払いすることはないのですが……。何しろ物凄い大金だったものでお早めにご本人にお渡ししなければと思い、今回はポチ様のご自宅に参った所存でございます」


 「えっ……」


 俺は取り合えずティムから詳しい話を聞くため家に上げて、リビングに案内すると見たこともない家の作りに驚いているのか「うわぁー! 立派なご自宅ですね」っと呟きながら、興味があるのかそわそわとティムは首を忙しなく動かし家の中を隅々と見る。


 リビングの椅子にティムを座らせ、俺は折角家に初めて来てくれた客でもあるティムに飲み物を出そうと「何飲む?」と聞くと「そんな! ポチ様にそんなことをさせるなんて滅相もない!」と慌てて断ってくるので俺は適当にオレンジに似た果実であるオレンの実を絞って作ったオレンジュースを木製のコップに注ぎ、ティムの前に出して俺はティムの真正面に座る。


 「あっ、すいません……。ポチ様にこんなことさせてしまって」

 「いいんだよ、ティムは今は俺んちに来てくれた客なんだからこれぐらいはさせてくれ」


 俺はティムの緊張を少しでも解そうと笑いかける。ティムもそんな俺の様子に安心したのかにっこりと笑う。すると、二階からケンジが降りてくる。


 「あっ、ティムさん! こんにちはー!」

 「あっ、ケンジ様! こんにちは!」


 ティムはケンジにキラキラとした好青年特有の爽やかな笑顔を向ける。ケンジは挨拶し、そのまま元気に森に遊びに行った。くそぅ、爽やか系イケメンめっ! せめて俺も転生して人間に化けられるなら、あれぐらいのイケメンの顔にして欲しかった! 俺はギリギリと歯ぎしりし、別世界にいるあのポンコツ神さまを恨む。


 「それではポチ様、今回の悪食豚頭(オーク)暴食豚頭(キング・オーク)の報酬についてご説明させて頂きますね。まずは悪食豚頭(オーク)について。悪食豚頭(オーク)の仕留めた数は合計で106匹分ですので爪は両腕で106×2=212個で金貨5枚、皮は106匹分=金貨4枚、悪食豚頭(オーク)の睾丸はレアドロップアイテムとして高額の値がついておりますので採取できた56個=金貨10枚と高めに買い取らせてもらいました。。次は暴食豚頭(キング・オーク)の報酬です。暴食豚頭(キング・オーク)は捕獲ランクが高いので此方の素材も高額の値で買い取らせてもらいました。爪は2個で金貨で金貨6枚、皮は金貨5枚、睾丸は二つ揃って金貨13枚です。解体料である金貨3枚を差し引いて、今回の合計報酬額である金貨40枚をお渡しします」


 そう言い終わるとティムは金貨40枚が詰まった袋を机に置き、俺の前に出す。えっーと……金貨40枚分ってどんだけ価値があるんだろう。


 「あっ、ポチ様は異世界の方なんでしたっけ?では、この世界の通貨について説明しますよ」

 「お願いします」


 俺の表情で察してくれたのかティムは机に三枚のコインを取り出す。


 「まず、銅貨は一番低い硬貨で銅貨10枚で銀貨1枚分の価値になります。銀貨は二番目には価値がある硬貨で、銀貨100枚で金貨1枚分の価値になります。で、金貨が一番高い硬貨になります」

 「なるほど……」

 「大体、村人が月に稼いでるのが銀貨20~30枚ほどですので、金貨40枚なんて大金ですよ!」


 お、おう。そんなこと言われたからか異様にこの袋が重く感じるぞ。


 「買い物する際は余程の高価なものを買おうとしないかぎり、金貨一枚でも充分足りますので必要以外のお金はあまり持ち歩かれないほうがよいかと」

 「そうするよ」


 親切にそうティムはアドバイスしてくれた。俺は素直にティムの言う通りにすることにした。しかし、折角バイクとお金が手に入ったことだし違う町で買い物にも行ってみたい気がする。


 「ティム、少し大きなところで買い物に行ってみたいんだけど何処かいいところない?」

 「でしたらここから一番近い町になります、南西に位置する『カフェエラ』という町に行ってみたら如何でしょうか?中々大きい町ですし、良いところですよ」

 「『カフェエラ』か……。うん、じゃあ今度そこに行ってみるわ。サンキューな、ティム」

 「いえいえ……! それではそろそろ失礼いたします。あっ、両親たちがそろそろ肌寒なる季節なのでケンジ様の冬服を用意してお待ちしてますと言っていたので、また是非宜しければケンジ様をまた連れてご贔屓下さい」


 「おうよ! 必ずケン連れてまた行くって二人に宜しく伝えといてくれ!」

 「はい!」


 お邪魔しました、と言いティムは村に帰っていった。さて! じゃあ俺は明日は早起きして早々に家事を終わらせたら、カフェエラにバイクで出掛けてみますか。

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