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第三十話(閑話)乗り物が欲しいなぁ①

今日通勤途中に声をかけられ振り返ってみると、ムキムキななかまや●ン肉似のお兄さんがいた。しかし、何故か格好セーラー服を着ていた。

『!?』

でも、どうやら私が落とした財布を親切に拾って届けてくれたらしく私は財布を受け取り、思考回路が麻痺しながらもお礼を言わなければと思いへんに力んでしまい『あ、ありがとございましたッー!』と何故か思いっきり体育会系風のお礼をしてしまった私。

はい、小説に関係ない話でしたねごめんなさい。でも、朝イチからこれは衝撃的過ぎてここに書かずにはいられませんでした……。

世の中見ためだけじゃ、分からない!

それでは関係ない話で長々と失礼しましたー!!

 はじまりの村の人ともわだかまりもなくなり、そろそろ一ヶ月経つ頃。俺はそろそろある物が欲しくなる。


 『はぁー、乗り物が欲しい……』


 スライム姿の俺は深ーい溜息をつく……。この異世界来てからというもの俺の交通手段は徒歩しかないので時間がかかるため、いけるエリアが限定されてしまう。ケンジのことや家のこともやらなければならないので近隣の森に狩りに行っても短い時間で帰ってきたいところなのだが。


 『俺、馬なんて乗れないよぉ……』


 こちらの世界の乗り物は馬のみ。俺がいた現代社会で乗馬できる人間なんてお金持ちを除いてもごくわずかだろう。ズブの素人の俺なんかが今更、馬術を習ったとして一人で自由に馬なんか乗りのなせる自信なんかないし、ていうかもし馬を買ったとしたら、その馬の面倒もしなくちゃいけなくなるし色々と大変そう……。


 俺が乗り物で持っている物と言えば車かバイクの免許証ぐらいのみ。


 『何とかして作れないかな……』


 俺はスキル【鍛冶】のリストを覗いて見る。道具のリストを見てあるはずないかと諦めかけたその時、俺はリストの中にある文字を見つけた。


 『こ、これは……!!』


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 「オークライト鉱石ですか?」

 『あぁ、後は鉄の端材が10個ぐらい欲しいんだが……。じいさんその鉱石が何処に行けば採れるか分かるか?』


 俺は始まりの村に来て、じいさんに話しを聞いていた。ほら?ゲームでもあるでしょ?分からないことがあったら町の人や村の人の話を聞くとか。


 「鉄の端材なら鍛冶屋に行けば売っておりますが、オークライト鉱石は『試しの洞窟』に行かなければなりませんな」


 『試しの洞窟?近いのか、そこ?』

 「はい、ここから東に歩いて片道約一時間ぐらいっといったぐらいですかな?と言っても、初心者用の洞窟ですので出てくるモンスターも捕獲ランクDといったところでオークライト鉱石の方も採集ランクはDと低いはずなのですぐに手に入る鉱石ですぞ」

 『おぉ!そうなのか!!』


 そりゃ、ありがたい話だ!そうと聞いたら俺は早速、鍛冶屋へと行くことにした。


 「ポチ殿、採掘するなら鍛冶屋でピッケルも買っておくと便利ですぞぉ」

 『サンキュー!じいさん』


 やっぱり分かんないことがあったら、ゲームと同じで村で人に聞いて情報集めをするのが一番だな。俺は身軽な体で跳ねながら鍛冶屋へ向かっていった。


 「ですが、ポチ殿。今の季節は“あのモンスター”がいるので、その洞窟に入るのはちぃと危険かと……ってあれ!?ポチ殿ー!!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 俺は村でピッケルと鉄の端材を買い、じいさんの言っていた試しの洞窟とやらの前までやっていていた。小さな洞窟で確かにあんまし強そうなモンスターが出てきそうな雰囲気はないな。

 俺は洞窟の中に入っていく。弱いモンスターは適当に魔法で追払いながらさくさくと進む。そして、ついに俺はお目当ての鉱石を見つける。


 『おぉー!これか、オークライト鉱石って』


 オークライト鉱石は美しい青色の結晶の形をしており、淡い輝きを放ち辺りを照らす。ピッケルを使い、俺はオークライト鉱石を順よく採集しバックへと詰めていく。


 よし、必要な分は手に入ったし帰るか!俺が元来た道に戻ろうとしたその時、何かの気配を感じた。暗い洞窟の岩影から何かの影が蠢く。俺はスキル【鑑定】で相手の正体を探る。


 《モンスターNo.24鋼鉄働き蟻(アント・アイアント)


 *Lv 27


 HP 458/458

 SP 100/100

 攻撃力 158

 防御力 200


 捕獲ランクD


 『うわぁ……』


 その数は数千匹に渡り、洞窟を埋め尽くしていた。侵入者の俺を包囲するように囲む鋼鉄働き蟻(アント・アイアント)。だが、捕獲ランクDということはあまり強いモンスターということではないということだろう。


 俺は慌てず冷静にスキル【隠密(ジャミング)】を解除し、威嚇する。すると、モーセの十戒のように蟻たちが避けて道が開く。

 ふぅ、どうやら無駄な戦闘はしないで済みそうだと俺が安心したのもつかの間。今度は奥からとてつもない大きさの影がやってくる。


 「ギシャァアアアアッ!!!」


 《モンスターNo.25豪鉄女王蟻(アント・ジャイアント)


 *Lv 60


 HP 1034/1034

 SP 255/255

 攻撃力 1780

 防御力 2000


 捕獲ランクB


 高層ビル三階立て分の大きさをした巨大な蟻が俺に怒り狂っている。


 『おいおい……嘘だろ?』


 俺は静かに荷物が入ったバックを下して、戦闘に備えた。

さて、なんの乗り物が出来上がるでしょう……。

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