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ng05 オスカル獲得記念 2015年ドラフト会議について

 明日はドラフト会議、なのだが不快なニュースを流す球団が出てきた。それは言うまでもなく巨人で、福田投手以外にも笠原投手や松本投手も野球賭博に手を染めていた事が判明した。まったくもってお話にならない事態である。


 特に笠原は当初福田に知人を紹介しただけで自分は賭博をやってないなどとのたまっていたがまったくの嘘であった。松本も史上最低のドラフト一位の座を獲得したと言えよう。他にも疑われている選手はいるし、まだまだ出てきても全然不思議ではないがどこまで解明するのか。


「いやあ、酷い話だよね巨人の賭博」


「残念な話よね。せっかくプロになれる程の才覚を持ちながら、このようなつまらない事に手を出して身を持ち崩すなんて」


「うん。ところで今年のドラフトはどうなりそうなのかな?」


「まず一番実力的に期待されているのが岐阜県の高橋投手よ。これは競合不可避でしょうね。一応カープが指名する可能性がないでもないけど、実際はおそらく上原投手かなとは思うわ。明治大学の長身左腕で、沖縄生まれだけど高校時代は広島にいたから地元選手に準ずる存在よ。潜在能力は高いと言われているわ」


「ふうん。ちゃんと獲得出来るといいね」


「今のところは単独指名の雰囲気とも言われてるけど、こればっかりは蓋を開けてみないと分からないから。他には大阪の岡田投手や仙台の熊原投手って名前も出てたけど、やっぱり基本は上原だと見るわ。他には野手に結構有力な選手が多いらしくて、仙台育英の平沢遊撃手や明治大学のヒットメーカー高山外野手、長打力に期待の青学大吉田外野手は一位指名がありそう。つまりカープとはおそらく縁がないと」


「そうかあ。ところでオコエ選手はどうなるかな?」


「ううん、どうなるのかしらね。一位指名って話もあればそこまでではないって話もあって。ただ指名した球団はしばらく注目されるのは間違いないわ。サンデースポーツの十二球団ファンに聞いた贔屓球団に一位指名してほしい選手のアンケートでは八球団でオコエがトップだったし」


「とんでもない注目度なんだね」


「ちなみにカープファンは上原だったわ。まあ基本一位で投手なのはそうなんでしょう。そして二位以降は即戦力で使えそうなリリーフとか将来の大砲候補、それに菊池と田中が離脱した際に穴を埋められそうな二遊間の選手も必要でしょうし、それと捕手。倉は引退が見えているしやはり必要になってくるでしょうね」


「外野手は、まあ去年も野間取ったしいいのかな?」


「それと高橋もいて、ここ三年で二人外野手のドラフト一位いるからなくてもいいけど、でも指名してくる可能性はゼロじゃないでしょう。十二球団あるんだから、全部が全部自分たちの狙い通りとはならないもの。その中で諦めず、優秀な選手の獲得に全力を尽くせるかよね。去年みたいに二位薮田とかそういうサプライズはいらないけど」


「ははっ。でも薮田いきなり上で投げてたじゃない」


「それは予想以上の出来だったけど、それでも二位じゃないと駄目だったのかと思うとね。まあ過去は過去として、もう言わないようにしましょう。巨人で愚かな行いに走った選手たちだってドラフトの頃は大いに期待されていたものが、一体どこでかくも歪んでしまったのか。今年入団する選手たちはこうならないように、肉体と同時に心もしっかり鍛えて活躍してほしいわね」


「本当にね。じゃあまた明日」


「うん。明日ね」


 という訳で色々な問題を抱えつつもドラフト会議は明日開催される。本当にどうなってしまうのだろうか。今日書けるのはここまでで以降の文章は明日次第となる。その明日はまたリアルタイム更新してみる。いつか現地で見たいものだけどなかなか抽選は厳しい。


 そして十月二十二日が訪れた。国語に算数、体育に文化祭の練習とたっぷり詰まった学校のスケジュールを消化すると即座に悠宇の家へと集まった。


「ただいまー、とは言っても誰もいないんだけどね。まあ入って入って」


「うん。お邪魔しまーす」


 本番までにはもうちょっと、一時間ほどあるのでその間にお茶やお菓子の準備をしたりした。


「それにしても意外だったわね。スポーツ新聞各社の予想によると岡田投手を指名するみたい」


「上原投手じゃないの?」


「そう、らしいわね。岡田はここ一年で評価が一気に高まった右投手よ。カープは基本的に報道を裏切るような動きはしないから、多分そうなるんでしょうね。でもまあ、誰になるか本当に知ってるのは今のところ球団関係者だけだから、本番に期待しましょう。二位以下のシミュレーションもしっかりやれてるといいんだけど」


 上原がこんなにトーンダウンするとは正直思っていなかったが、そんなに評価を落としているのだろうか。さすがに二位までは残ってないだろうし、このまま縁がなかったと終わってしまうのか。


 そして十七時十五分から各球団の一位指名選手が読み上げられ、広島は各紙の予想通り岡田投手を指名した。競合は平沢が楽天とロッテ、高橋が中日と日本ハムとソフトバンク、高山が阪神とヤクルトとなった。


 それ以外のDeNA今永、オリックス吉田、西武多和田、広島岡田、巨人桜井はそれぞれ交渉権獲得となった。


「事前報道通り岡田か」


「おお、まあ各社の予想通りってところね。よく取材してるわ」


「ああっ、平沢ロッテだ!」


「平沢は元々楽天が一位指名を公言していてそのままいくかと思ったけど意外にもロッテも平沢。ロッテは一位指名が読めないともっぱらの評判だったけど、ううむ、やったわね!」


「観客が一番沸いたのもロッテ平沢の時だったもんね」


「そうね。やっぱり予定調和が崩れる瞬間って盛り上がるものだから。それとカープは岡田投手確定ね。素材としては一級品と名高い男。順調に伸びていただければそれが一番よね」


「本当にそうだね」


 その後高橋はソフトバンク、高山はヤクルトが交渉権を獲得した。全体的には残り物に福があるくじ引きだったと言える。と思ったら確認ミスで高山は阪神が獲得していたらしい。十年前にも同じような事あったけど確認しっかりしてくれよ。


「変なミスも起こるものだねえ」


「十年前に辻内って投手と当時は大型ショートとして期待されていた陽選手が競合した時に同じようなミスがあったけど、まさに十年一昔って事かしら。辻内は全然活躍出来ずに終わったし、そろそろ忘れてしまった頃なんでしょうね」


「まあ高山選手は阪神って事だし楽天、中日、日本ハム、ヤクルトが外れ一位で誰を指名するかよね」


 さらにパソコンの操作で何やらもたついて無駄に時間がかかっている。なんという手際の悪さ。そして外れ一位では楽天オコエ、中日小笠原、ヤクルト原で交渉権獲得。小笠原の抽選も外した日本ハムは上原を指名した。


「出たオコエ! それと上原日本ハムに行っちゃったね」


「そりゃあ、そうでしょ。一位で消えて然るべき素材なのだから。ここからしばらく時間あってから二位指名に入るけど、ここからが本番よね。さあ、誰になるか楽しみ楽しみ」


 十八時十分から二位指名がスタート。楽天は吉持、DeNA熊原、オリックスパナソニック近藤、中日佐藤優、西武川越と来て広島は横山を指名した。


「なるほどね。社会人の右腕で体格もいいし球速も結構出るって事だから、やはり即戦力で使えそうな選手よね。報道見ると未だにフォーム固まってないってのはいささか不安にさせるけど」


「ふうん。横山って言えばもう引退した別の選手を思い浮かべるけど」


「そうね。あの横山投手みたいに長く活躍してくれればいいわね。怪我はなしで」


 横山弘樹。NTT東日本の右投手で、岡田も大卒と言うことで本当に即戦力を狙ったドラフトでここまでは来ている。こうなると野手もほしいかなとは思うが、それは今後の流れにもよるだろう。


 以降ロッテ関谷成田、阪神坂本竹安、日本ハム加藤井口、巨人重信與那原、ソフトバンク小澤谷川原、ヤクルト広岡高橋奎と指名された。


「ここまではどう?」


「まあこんなもんでしょう。カープもそうだけど社会人の投手が指名相次いだりね。一方でソフトバンクは小澤に谷川原と高校生を指名とか、方向性が分かれてくるところよ。阪神の二位坂本は正直意外だったかなって程度で。重信もか」


「そして広島は、高橋投手だ! これで三人目の高橋」


「おお! 高橋樹也! ここ数年菊池雄星や大谷など優秀な選手が次々と出てきている花巻東高校出身の左腕で、彼らのようなスケールはないけど実戦的ですぐ出てきそうなタイプよ。ううむ、ここまでは投手が続いているけどかなりいい感じで来てるわね。うん、これはなかなかな指名。左投手では成田も注目されてたけど直前でロッテが指名したし仕方ないわね」


「これもドラフトの流れだもんね」


 高橋樹也。去年の塹江投手もドラフト三位で指名された左投手だった。塹江とはかなりタイプが違うものの、切磋琢磨してお互いに大きく育ってくれるといい。


 三位から四位にかけて、西武野田大瀧、中日木下福、オリックス大城青山、DeNA柴田戸柱、楽天茂木堀内と指名された。


「楽天野手ばっかりなのね。確かに野手がやや弱いチームカラーだけど、ここまで割り切った指名は珍しいものよね。しかも結構いい感じの選手取れてるし、将来かなり大きいドラフトだったってなる可能性もありそう」


「広島の四位は、船越王子」


「王子ってあれよ、王子製紙。高卒から社会人に入って、その社会人でキャッチャーに転向した選手で、社会人と言っても若く今後の成長に期待出来るタイプよ。やはりキャッチャーは必要だった上に他球団も次々と指名していたタイミングだから、いいのが残ってるうちに指名しておこうって事ね」


 船越涼太。社会人だが年齢的には大卒と同様だ。ちょうど倉を引退させて白濱を二軍でいさせるぐらいの活躍に期待したい。それにしても所属の王子って妙なインパクトがあるな。王子製紙と言ったらそういう印象も薄れるのに。


 四位から五位にかけて、ロッテ東條原嵩、阪神望月青柳晃、日本ハム平沼田中、巨人宇佐見山本、ソフトバンク茶谷黒瀬、ヤクルト日隈山崎が指名された。


 なお日本ハムの五位指名のところでシステムのトラブルが発生してかなり待たされた。どんだけポンコツなシステム使ってるんだよ。


「今年の実態不明な都市伝説枠と言われていた黒瀬や日隈ジュリアスもちゃんとこの辺で指名あるものなのね」


「それにしてもまたシステムのトラブル。そういうところはしっかりしないとねえ」


「本当に。TBSのお涙頂戴番組が始まってしまう時間になってしまったわ。もうちょっとコンピュータに詳しい人材を増やしたほうが良さそうね。それでNPB公式HPも改造してもらわなきゃ。さすがにテンポ悪すぎ」


「ああ、やっと戻った。そして五位は西川龍馬って選手か。また王子だ!」


「ははっ、王子が二人もいるなんて珍しいわね。それはともかくこの西川も高卒からの社会人で、確かまだ三年目と若いけどセンスあるって評判の選手。ポジションはショートで、こう見ると弱点と見られたポジションは概ね埋められているわね」


 西川龍馬。ショートを守れて田中や菊池のバックアップとしていけそうな、結構絶妙な指名に見える。無論それはスペックが本当だったらの話だが。


 五位から六位にかけて、西武南川本田、中日阿部石岡、オリックス吉田凌佐藤、DeNA綾部青柳昴、楽天石橋足立が指名された。


「本田圭佑ってその名前!」


「まあ、サッカー選手と同じよね、ふふっ。でもこの西武本田や中日阿部なんかは事前に報道あったわね。それと綾部なんかも下位で指名出来たらおいしいとか。そして佐藤世那が六位なのね」


「うおお! オスカル!」


「ああ、仲尾次オスカルね。ブラジル出身、大学時代にも注目されていた社会人の左腕で、リリーフの即戦力として期待の選手よ。二〇一三年のWBCでブラジル代表にも選出されて日本代表と対戦したり」


「いやあ、インパクトある名前の選手が続いてるなあ」


 仲尾次オスカル、ついに指名されたか。所属のHondaでもリリーフ起用が多い選手で、その部分の補強をかなり重点的に行っているようだ。方向性がはっきりと見えるのは良い事だ。それと去年の飯田と同じく私と同じ誕生日だ。


 六位から七位にかけて、ロッテ信楽高野、阪神板山、日本ハム横尾吉田侑、巨人巽中川、ソフトバンク川瀬、ヤクルト渡辺が指名された。


「指名終了の球団もちらほら出てきたけど、全球団六位までは指名してあるのはちょっと珍しいかも。普通四位とか五位で終わる球団が出てくるものなのに」


「じゃあカープもそろそろ、あっ、青木陸って選手が!」


「キャッチャーと、後サードもこなす山形県の高校生だったはず。内野手として指名されたから将来の主砲候補として期待って事でしょうね」


 青木陸。体格も良くてその打棒開花に期待したいところ。特に野手は下位指名でも大きく育つ事はあるので、青木もそうなると喜ばしい。


 この七名で広島は指名終了。昨日挙げたポイント、具体的には即戦力投手に岡田横山オスカル、将来の大砲候補に青木、二遊間に西川、捕手に船越と一通りカバーされた。これは、いいぞ。去年と違ってしっかりとした指名だ。


 そして育成ドラフトは参加せず。狙っていた選手を先に指名されたため指名なしというパターンはあったが参加すらしないのは初めてではないか。何人か指名あるかもと噂される選手もいたが、まあ実際育成枠はあんまり機能していないしこれはこれで良いのではないか。


「じゃあ、これで終わりだね。それにしてもオリックスと西武十人も指名したのか」


「それぐらい行く時もあるわね。カープの七人はしっかり成長していけばいいわね。じゃあ、また明日ね」


「うん! お邪魔しました」


 秋の夜長に渡海雄は一人家路を歩いた。ここで指名された選手たちが広島で躍動する姿をその胸に描きながら。


 それとこの指名人数を見るに追加で戦力外か引退、あるいは育成降格選手が出そうだ。今フェニックスリーグに参加しておらず一軍としての練習もしていない選手が危ないとはよく言われる事だが、どうなるか。来る人がいれば出る人もいるという厳然たる事実もそこにはある。それでも来てくれる人は大いに歓迎して、そして活躍を期待したい。


一位 岡田明丈 投手 大阪商業大

二位 横山弘樹 投手 NTT東日本

三位 高橋樹也 投手 花巻東高

四位 船越涼太 捕手 王子

五位 西川龍馬 内野手 王子

六位 仲尾次オスカル 投手 Honda

七位 青木陸 内野手 山形中央高

今回のまとめ

・全体的に弱点をうまく埋めた堅実なドラフトという印象

・社会人の多さもありネームバリューでは多少地味なのは確か

・育成指名なしは驚いたが英断と言えるのかも

・NPBはコンピュータに精通した人材をもっと増やしたほうがよさげ

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