表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

第三話 鏡惺列車 【前】

ちょっと短いくてごめんなさい!

→スター・ホープ

列車は森を抜け、おれの知らない景色を見せていた。

遠くの山々とその洞窟。広い川。

星が列車の中のおれたちを見下ろしていた。


話したい。今おれの正面から真っ直ぐな目でおれを見据えてくる男に、全部。

この人は、さっきの話を聞く限り、施設とは関係ない…はずだ。何より、この人は何だか信頼できる。

「おれは、特別な能力を持って、生まれました…バッテリー、って言う能力です。」

「敬語はいらねぇよ」

「…その力は、星の力を体に保存して、また、解放する力なんです………、…。えっと。でも、おれはまだ解放は出来ないんだけど。」

「…星の力を?そりゃあ──、──。」

おれは、特別な力がある。でもおれはそんなの欲しくなかった。何度も星の力を吸わされて。

監禁されることが何よりも辛かったんだ。

そうだ。話したい。

おれは、さっき会ったばかりの男に全部話してしまった。

「…。」

おれは喋るほど出る早口になっていた。喋り終えて、ヘクターが無言で俯いてるのに気づいた。

あたりは白み始めていた。…夜が明けたんだ。


「えっと…どうして…」

どうして、泣いてるのか。

「お前は特別でも、生き方は自分で選べなきゃおかしいはずだ…」

「…。」

「お前は悪くない。」

……………。遠い昔、誰かに言われた言葉がある。

"あなたは何故特別な力をもって生まれたか分かりますか?"

分からない。おれはその時そう答えた気がする。

"人の役に立つためです。あなたは人の役に立つために生まれてきたんですよ。"

おれは誰かの役に立つために生まれてきた。

でもおれは嫌になって逃げた。

おれはおれの責任を果たせなかったんだ。

ヘクターはこれを肯定してくれてるけど、それはおれがこれまで考えてきたことと違う。


おれは悪い。


横で静かに泣いてるヘクター。

朝の空気が漂う列車の中で、おれは向かい側の窓に映る自分と目を合わせた。

それはきっと、自由を求めた1人の悪人だと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ