26輪目~たぬきの告白
たぬき『人生何が起こるか
ほんまにわからんもんやぞ。
…わしな
たぬきの体を借りてるだけで
本体は病気で入院してるんや。
三途の川かなんかようわからんけど
そこにおった男が言うとった。
死にたい言うてる奴を探して
そいつの代わりに生きたらええって。
三途の川を覗いたら
ちょうどお前が呟いてた。
死にたいって。』
ミイ『急に怖い話しみたいなこと
言わんといてよ…。』
たぬき『ホンマの話しや。
死にたいて言うてたやろ。何回も。』
ミイ『…。』
たぬき『生きたい わしの身代わりにお前が逝く。
死にたいお前の身代わりに わしが生きる。
ちょうどええがな。』
ミイ『…ちょっと待ってよ!
生きる気持ちを思い出させるために
今まで話し聞いてくれてたんやろ…?』
たぬき『アホか。甘えるな。』
ミイ『…も、もう死にたくなくなったから。
生きたいから!生きるから!』
たぬき『何都合のええこと言うてんねん。
もう遅い。』
ミイ『お母さんが悲しんだり
嫌な思いするかもしれへんし
お母さんのこと1人にでけへんし
親孝行もまだまだしたいし
1人ぼっちになるお母さんより
先に死んだらアカンて気づいたし…』
たぬき『…お前は贅沢やな。
病気、事故、事件、感染症、
いろんな理由で命を絶たれる人がおる。
生きたくても生きられへん人がおる。
生きるか死ぬかの選択なんかできへん。
死ぬしか選択肢がない人間もおるんや。
何もない普通の毎日を幸せに感じろ。
いじめも嫌がらせもトラブルも
挫折も人生のやり直しも
みんな抱えてる。
お前だけと違う。
生きてたらいろんな浮き沈みがあって
みんな喜怒哀楽を感じんねん。
全部 成長の糧になる。
産まれたときに
人生はある程度決まってるかもしれへん。
けどな、どっちに進むか
どんな言霊を発するか
自分の気持ち次第、行動次第で
変わることもあるんや。
簡単に諦めるな。
転んでも転んでも起き上がれよ。』
ミイ『…。』
急に私の鼓動が早くなる。
…息苦しい。
言葉に表せない恐怖が私を襲ってきた。
27輪目に続く。。




