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転生黙示録  作者: 水色つばさ
1章  転生と出会い
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10話 最強の剣士と皇女様 後編

「実はですね……」


 俺は今までに経験したことを全て話した。

 

「なるほど。まさかお前も剣聖の予知を持っているとはな」


 お前もってことは……もしかして? アランさんも持っているのか? 

 

「今、お前が考えている通りだ、俺も剣聖の予知を持っている」


 やはりそうか。それなら、俺のあの力も何か知っているかもしれない。

 

「じゃあ!」

「だが、残念ながらお前のその力はわからない」

「そう……ですか」


 騎士団長アランですらわからないのか。本当に俺のあの力は何なんだ?

 

「それに、お前は紫の線が見えると言ったな?」

「ええ……」

「俺は赤い線で見えるのだ」


 何? それってどういう事だ、アランと俺で見えている線の色が違う? 人によって見える色が違うだけなのか、それとも――

  とりあえず、アランと俺の剣聖の予知が一緒なのか確認してみるか。

 

「アランさん一つ質問良いですか?」

「なんだ?」

「アランさんの剣聖の予知って、どんな感じなんですか?」

「どんな感じか……」


 アランさんは少し考える素振りをする。それから、ゆっくりと口を開く。

 

「敵からの攻撃が来る前に赤い線が見えて、そして、その位置に敵の攻撃が来るな」



 俺のと全く同じだな。だとすれば、色が違うのはあんまり気にしなくてもいいかもしれないな。

 

「そうですか……色が違うから、もしかしたら何か違う所があかなと思ってたんですが……違う所はなさそうですね」

「そうみたいだな」


 あとはもう聞くとことはないな。ココナに目線を送ると、どうやら通じたらしく小さくうなずく。

 

「残念だったね。まぁ最強の騎士様でもわからない事はあるからね、仕方がない」



 ここに来てからずっと気になっていたんだが、ココナのやつ。アランさんの事を騎士とか最強の騎士様とか、そんな呼び方しかしないな。

  なんでなんだろう? まぁあまり仕事関係でうまくいってないのかもしれない。

 

「アリア様、来てそれほど時間は経ってないですがこれで失礼しますね」


 ココナのその言葉にアリア様は少し悲しい顔をしたが、すぐさま笑顔を作る。

  今のはすごいな。俺ならあんなに直ぐに切り替えはできない。

  あんな風に笑顔に切り替えられるのは、普段から無理に笑顔を作っているからなのかもしれない。もしそうだとしたら、『皇女』というのも大変なものだ。

 

「わかりました。今日はお越しいただき、ありがとうございます」

「はい。それじゃ失礼しますね」

「し、失礼します」


 ココナがそそくさと部屋を出る。そして、俺もそのあとに続く形で部屋を出ていく。

  それから屋敷の外に出て、しばらく歩いたあたりで、ココナは静かに語りだした。

 

「本当はね。アリア様ともう少しお話したかったんだよ?」

「ならなんでもっとお話しなかったんだ?」

「それは、あの騎士様が、あまり好きじゃないからだよ」


 まぁ態度見てたら結構わかりやすかったしな、あまり驚きはしないが……。

  アリア様ともう少しお話したかったってことは、本当に仲良しなんだな。

 

「アリア様とは結構仲が良いのか?」

「うん? あぁ……そうだね、私は大好きだよ、皇女って事でそれを鼻に掛けたりするわけでないし、何よりあんな良い子、私は他に知らないなー」


 確かに偉そうな感じはしないし、性格もとても年相応で好印象だ。

  まぁ、俺は他の偉い人がどんな人なのか知らないけど。

  最初にあった偉い人がアリア様で良かったかもしれないな。

  普通の人でも性格が最悪な人いるんだ、貴族となれば、さらに拍車がかかっていだろう。

  俺の独断と偏見だがな。

 

「そうなんだ。他にもああいう偉い人達にあった事あるのか?」

「結構あるよー」

「へー意外だ」

「意外でしょ? でも、武器屋って貴族の方とか意外と来るんだよ?」


 確かにそれは意外だ……でも、武器屋に来る貴族なんて良いイメージを持たないな。

 

 

「その人達大丈夫な貴族?」

「さあ? そういうのは聞かないようにしてるから……まぁ、十中八九大丈夫じゃない貴族だと思う」

「だよな……」


 武器屋に来る貴族で大丈夫な貴族って方がびっくりするしな。

  というか、自分で言っておいてなんだが、大丈夫な貴族と大丈夫じゃない貴族ってなんだよ……頭悪い会話をしてしまったな。

 

「まぁ、いちいち気にしてても仕方ないしね……聞いても、どうせ教えてくれないだろうし」


 まぁそれもそうか……。

 

「あ。そういえば、最初に言ったこと覚えてる?」

「え? 何だっけ?」

「やっぱり忘れてたでしょ? それは買い物に付き合っててやつ」

「あ」


 そういえばそうだった!? いや、忘れてたわけじゃないからね? ただ買い物は口実で実際はアランさんに会わせるためだったと思ってたから……。

 

「わ、忘れてないぞ? さあ!! 早速行こう!!」

「本当に? なんか怪しいけど……。まぁ良いか」


 ココナは疑うような目を向けながらも、納得はしてくれた。

  何度も言うようだが? 本当に忘れてたわけじゃないからな? 

 

「それで、どこに買い物に行くんだ?」

「あぁ、それはここから直ぐだよ」


 へーそんなに直ぐ近いのか……何を買うんだろうか?

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