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7 終曲
その日、立花は何故か戴冠式に神官服で参列させられていた。
先王の娘、桜から王冠と生剣を受け取った桐生は集まった家臣の前で宣誓を終えるとパレードで街を巡る。
立花はパレードの交通整理をしながら桐生を見上げる。
ここまで長かった。
良かったと思うのだが、少しだけこれからの不安もある。このままでいられない、何かが変わっていく。そんな気分になる光景だ。
街の人は昔の桐生を知っているようでとても歓迎してくれているようだ。中には野次もあるのだが、桐生はそれにも笑顔で答えている。
後片付けをしていたら誰かが呼びに来たので、立花は次のパーティへと駆り出されていった。
——先王の崩御から二年余り、その日レオモレアには新しい王が立った。王の証と言われる生剣を複数の家臣に与えた桐生は王を統べる王などと呼ばれる様になっていく——。
妙なる不幸の調 前編 ——終——




