1話
野田歩美の遺体の一部が発見されて以来、これまでの失踪事件との関連性が明らかにされ始めてきた。
今までの失踪事件は殺害と思われる節はあったが、決定打にはなっていなかった。
しかしこの事件との関連性が見え始めた途端、失踪事件は殺人事件と改められ捜査されるようになり、これまでの事件も再調査されるようになった。
失踪事件が殺人事件に変わったことで、消えたとしても生きていると信じていた遺族は涙を流していた。
なら言わなくていいのに、と僕は思った。
そして僕は犯人ということで、まあ捕まりたくはない。
そんな訳で市の図書館に行き、新聞や雑誌の記事を読んで事件の動向を伺っていた。
「あなたもその事件…気になるの?」
女性の声が頭上より投げかけられる。
振り向くとそこには僕とは違う学校の制服を着た少女が立っていた。
「はい。地元の事件なので、知っておこうと思いまして」
と、無難な回答をする。
これで彼女も納得してこの場を去るだろう。
「そう…うん、うん」
と思ったが、彼女は中々その場を去らず、僕が取ってきた雑誌や新聞に目を向けている。
僕は特に話しかけること無く持っていた記事に目を移す。
「あの…!」
まだ何か用があるのか…。
「私…この事件についてあなたの意見が聞きたいです!」
「え?」
「あなたが選んでいる雑誌、新聞……どれも私が興味を示したものばかり。信ぴょう性が高いようなもの、色んな視点からみたものがそろってる…」
「いや、これは…偶然ですよ」
「それでも…あなたはただ好奇心で見ているだけとは違う気がするの。お願いします」
面倒な人に絡まれてしまった。
一体どんな輩だと思い、僕は彼女の顔に目線を向ける。
「!!」
驚いた…。
普段基本的に僕は人の姿に興味を示さない。
だから、こんな質問をすることはそうそうない。
「すみません、名前を教えてもらってもいいですか?」
「!!」
彼女は一度目線を落とし、何かを決意したような目で再びこちらを見る。
「野田…愛美」
「野田歩美の妹です」




