背の君と呼ばれて。
気を失ってしまったので仕方なく俺はその子をベットに運んだ。
この部屋はクーラーが効いてるが彼女は白い着物の上に紅色の袴を着その上に着物を何枚か羽織っている。ピンク色が多く桜みたいな色合いだ。暑くないのだろうか。
すべて運ぶのは難しかったので、上に羽織っていた着物をすべて脱がして運んだ。ベットに運んだあと、袴がしわになるのではと思い何とか袴を脱がし布団をかけておいた。
着物をハンガーにかけ、彼女のおでこにタオルを置いたあと、この子はどこから現れたのかと真剣に考える。
いきなり現れたのだ。お化けか、幻覚か。しかし、触れたし運べたのだ。どちらでもないだろう。
この子は何者なのだろう。泥棒か何かにしては怯えすぎだ。
平安時代のお姫様のような恰好をしている。まるで源氏物語の中から出てきたみたいだ。
・・・まさかな。
今は夜中の12時だ。家族はみんな寝ている。
どうしよう。。。
女の子を眺める。コスプレか?
女の子は苦手だ。男子校出身だったら仕方ないだろう。
うーん。。
この子が起きないことには何もわからない。
とりあえず寝ることにした。
隣で寝るわけにもいかず、床に寝た。
体は少し痛いが、夏なので風邪をひくことはないだろう。
朝起きると彼女はこちらを見つめていた。
「起きた?体調はどう?」
「・・・」
目が合うとまたもや彼女は顔を真っ赤にしている。
そして、涙を流した。
「ご無体な・・・」
「え?」
「いえ、お歌もいただけずこのような場所にさらわれ契りを交わすことになったとはいえ、これも先の世の定めでしょう。」
「は・・・?」
日本語だ。とりあえず日本語を話しているであろうことはわかる。
が、難しい言葉で話している。いいところの御嬢さんなのかな。。。
「って契り?」
契りって男女の仲のことじゃないのか?
「あの・・?契ってはいないと思うんだけど。。。」
「男女が逢うこと。それはもう契りを交わすことだと小宰相の君が申しておりましたが?」
「え・・・?」
平安時代のお姫様かよ。って心で突っ込みながら一番の疑問を口にした。
「ところで、君は誰?」
「わたくしの顔を知らないのは当たり前ですわね。わたくし今代の帝の女一宮、桜子と申します。桜とみなさまお呼びになりますわ。背の君。」
「え・・・?背の君?」
「はい。」
話が通じない。
頭を抱えたくなった。




