第147章:茂・・・民間企業へ
2000年4月19日。
この日茂は・・・初めて民間機関に、職の応募をしに出かけた。
場所は、旧・黒磯市の、とある施設だった。
実は彼は、この仕事の募集の件を、新聞のチラシで知った。
そう・・・。
皆様もよく知る、『人材派遣』の募集広告である。
茂は、初めて就いた職業が『国家公務員』だったということもあり、外の世界・・・すなわち、「民間企業」の現実というのか、実態というものを全く知らなかった。
まさに、『世間知らず』『井の中の蛙』状態だったのである。
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(・・・このまま遊んでいては、葉子ちゃんに会いにいけなくなる。いつか、愛想をつかされる・・・。)
そういったフトコロ事情もあり・・・「自分の尻に火がついた」結果、面接に行ったのである。
その派遣会社は、もう改名しているが、『タイアップ』といい、けっこう大人数を募集していた。
手に職も技術も無い茂は、誰もが出来そうな「単純作業」とか、「流れ作業」を希望していた。
そういった忙しそうな職場ならば、食糧事務所のように、ネチネチと、暇に任せていじめられる心配は無い、と考えたからだ。
のちに、それがどれほど甘い考えなのかを、彼は嫌というほど思い知ることになるのだが・・・この『たからものⅡ』においては、それら、茂自身が経験し、さんざん辛酸をなめてきた職場の中から、読者の皆様になんらかの形で役に立ちそうなもの、参考になりそうなもの、エピソードとして純粋に面白そうなものを厳選して、お届けしていきたいと思う。
なにせ、20年以上の「派遣生活」である。
それを一から十まで紹介していては、何年かかるかわかったものではない。
それらのいくつかと『中岡葉子氏』との交流をからませながら、この「恋物語」を進めていきたいと・・・私、ナレーターと、主人公の茂くんは・・・そのように思う所存なのであります。




