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美少女恋愛ゲームに異世界転生したのに攻略対象(チョロイン)だったんだが!?  作者: 萌奈菓


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17/17

第17話 主要キャラ全員集合

昨日の騒動から一夜明け、通常なら登校する日だけれど急遽休みとなった。


『剣術クラス』が実戦練習で向かった森で遭遇した毒持ちの魔物『ポイズンラビット』は、もっと奥の方にしか生息していないのに、何故か手前の方まで来ており、しかも謎の大量発生で囲まれてしまって、大勢の生徒達が毒爪にやられてしまった。


先生達は王都から派遣された調査隊に、説明及び同行するため学園自体が臨時休校になったのだ。


(本当なら俺も部屋でゆっくりする予定だったのに、何で…何で公爵家のお屋敷に来てるんだよ〜!!)


学園寮専用のメイドさんにヘアセットやメイクをしてもらい、普段着よりもちょっと良いドレスに身をまとって、実家の何倍もある豪邸を見上げる。



――事の始まりは数時間前、食堂へ行けば注目の的になるからとアイリスが部屋まで朝食を持って来てくれて、せっかくなら一緒に食べようと俺が誘って、食後の一服にお茶を飲んでいた時にノック音が響いた。


「はい?どちら様でしょうか?」

「朝早くから失礼、ジェニー・エイリッヒ侯爵家の者だがリリア・サルヴィーニ嬢の部屋で間違いないだろうか?」

「えっ!?あっはい!直ぐに開けます!」


ガチャリと扉を開けると、チョコレートの様な濃い茶髪をお団子ヘアーにして、涼やかな青色の瞳に知性的な眼鏡をかけた美少女が立っていた。


(間違いない!『恋ハピ』攻略対象の一人のジェニー・エイリッヒ!何で彼女が俺の部屋に!?)


「あの、私がリリア・サルヴィーニです」

「改めてジェニー・エイリッヒだ、すまないがエリザベート・キャンベル様からお呼びが掛かっているので、支度が済み次第キャンベル公爵家に向かって欲しい」


馬車はこちらで手配している。

そう続けて言われても、いきなりの事で脳が追い付かないって……え〜っと、何だっけ?エリザベートが俺を呼んでるから家まで来て欲しいって?……えっ?


「えっエリザベート様が!? 私を!?」

「いきなり訪問した私が言うのも何だが、朝から騒ぐものじゃないぞ?それよりエリザベート様をご存知なんだな」

「それは勿論!この学園の副生徒会長であり、次期生徒会長が確定とされておられる、全女生徒憧れのお方ですから!」

「ほぅ?君は中々見所がありそうだ」


ふふんと自分の事の様に誇らしげに胸を張るジェニーは、やっぱりエリザベート至上主義なんだなぁっと、ほっこりしてる俺の後ろからアイリスがやって来た。


「リリア様?そちらのお方は?」

「むっ?君は『剣術クラス』のアイリス・グロロッサ嬢だな?ちょうど良い、君にもお呼びが掛かっているから向かおうと思っていた所だ」

「えっ?アイリスも呼ばれているのですか?」


俺の言葉にコクリとジェニーが頷く。


「学園専用のメイドには話しを通しているから身支度を手伝ってもらうと良い、服装は街歩きや友人の家に遊びに行くような、ちょっと良いけどキッチリしていないドレスで頼む」

「えっそんな公爵家の方々に失礼なのでは…?」


(って言うか何?その具体的な指示?)


「エリザベート様のご指示だから気にせずに従ってくれ、それでは下で待っているぞ」


そう言って去って行くジェニーを見送って、開けていた扉をパタンと閉じた。


「……リリア様、エリザベート様が私達に何のご用なのでしょうか?」

「分からないわ、でもジェニー様をお待ちさせる訳にはいかないから、準備をして向かいましょう!」


最後の攻略対象、エリザベートに会えるのは嬉しいけど、わざわざ臨時休校中に自宅に呼ぶなんて何なんだろう?


(心当たりがあるとすれば、俺が昨日加護の力を使った事ぐらいだけど……)


まさか公爵家の令嬢が個人的な理由で加護持ちに会いたいとか?いや、エリザベートの性格上それはないな。


(今話題の加護持ちに会いたいから家に来て欲しいってキャラじゃないし、きっと何か理由があるんだろう)


若干の不安はあるけど、先程アイリスにも言ったように侯爵家の人を持たせる訳にはいかないから、各々慌てて出掛ける準備をする事になった。



――そして現在公爵家前。


「あっ!おはようリリア、アイリス嬢」

「おはよう!」

「おはようございます、ヴィル様、ゲイル様」

「おはようございます、お二人もエリザベート様に呼ばれたのですか?」

 

(どうしてヴィルティスとゲイルもここに!?)


昨日のお姫様抱っこの件があるから、特にヴィルティスとは顔を合わせづらかったのに!!


(それにいつもの制服姿とは違って余所行きの私服を着てるし、雰囲気が違って落ち着かねぇ!)


ってか何で俺の方ジッと見てるの?何か変かな!?


「あの、何か変でしょうか?」

「あっごめん、リリアの制服意外の姿って初めて見たから、その綺麗だなって…」

「〜〜〜!!!?」


(ちょっと待て!いきなり何を言い出すんだよ!?)


ボッと顔が赤くなるのが分かって顔を上げられない!

助けを求むようにアイリスとゲイルの方に視線をやると、うっとりしてるアイリスとニコニコしているゲイルが離れた所から俺達の様子を見ていた。


(いつの間にそんな離れてたの!? 見てないで助けて!)


恥ずかしさで若干泣きそうになってると、頭の上からヴィルティスの申し訳なさそうな声が聞こえた。


「すまないリリア、君を困らせたかった訳じゃないんだ」


その声にハッとして顔を上げると、不安そうな顔をしたヴィルティスが俺を見つめている。


(あ〜そんな顔するなよ!その顔に俺は弱いんだって)


しょうがないと、ふるふると顔を軽く振ってヴィルティスに向き直る。


「すみません、困ってた訳ではなくってその、褒めて頂いたのも嬉しかったのですが、昨日の件から気恥ずかしくて……」

「あっ、そっ…そっか…嫌じゃないのなら良かった」


分かってくれたのは良いけど、互いにしどろもどろになってしまって、変な空気が流れてしまった。


「全員揃っているな?それでは入って来てくれて」


誰か何とかしてくれと思っていると、ガチャリと玄関が開き、ジェニーが出迎えてくれた。


(きゅっ救世主〜!)


心の中で感謝を述べながら、全員でジェニーの後に続いて公爵邸へと入って行った。



「エリザベート様、お連れ致しました」

ノックの後、ジェニーがそう声かけをすると「ありがとう、入ってちょうだい」と美しい声で返事が来る。


(うわ〜この声!間違いなくエリザベートじゃん!)


ジェニーが扉を開き俺達を通してくれると、死の直前で攻略したエリザベート・キャンベルが立っていた。


「来てくれてありがとう、エリザベート・キャンベルよ」

「お招き頂きありがとうございます、リリア・サルヴィーニです」


本物のエリザベートに感動しつつ挨拶を交わすと、アイリスとヴィルティスも俺に続いて挨拶をした。


「ゲイルも忙しい中、来てくれてありがとう」

「いえいえ、エリザベート様の頼みですから」


(あっここの二人は繋がりがあるんだったな)


前世では攻略の時に色々教えてくれありがとうと、思いを馳せるけど、どうしてこの面子(メンツ)が集められたのだろうか?


疑問に思っていると、スッとエリザベートが頭を下げてギョッとする。


「まずはリリアさんに感謝を、私の友人を助けてくれて本当にありがとう」

「えっエリザベート様、お顔をお上げ下さい!あのっご友人と言うのは?」


公爵家が伯爵家に頭を下げるなんて何事!?

アワアワしながら顔を上げてくれと懇願する。


(友人って誰だ?エリザベートの友達って言うとゲイルかジェニーしか思い浮かばないけど助けた記憶ないぞ?)


そう思っていると、俺の言葉に顔を上げたエリザベートが説明してくれる。


「昨日の『剣術クラス』の実戦練習に私の友人も参加していて、他の生徒と同じ様に毒を受けて苦しんでいた所を貴女に治して貰ったと聞きました、だからお礼を言いたくて」

「そうだったのですね、私も友人、こちらのアイリスを助けたい一心で動き出したのが切っ掛けでしたので、エリザベート様のご友人も助けられたのなら何よりでございます」


(そっか〜『剣術クラス』にも友達いたんだな、でも増々俺達が呼ばれた理由が分かんないな)


お礼を言いたいのなら、公爵家に呼び出さずに休日明けに学園内で呼び出しした方が良いのでは?

それに俺だけじゃなくて、他の3人も呼んだのは何でなんだろうか?


そんな俺の疑問を汲み取ってくれたのか、エリザベートが着席を促す。


「今日皆さんをお呼びしたのは、リリアさんへのお礼をするのも含めて、重要な話しをする為なのです」


(重要な話し?…ってかここに『恋ハピ』の主要キャラ全員集合してる!?)


主人公に友達キャラ、そして攻略対象の4人が大集結していると言う何とも豪華な光景だ。


(ゲームのストーリーでもあり得ない状況だ、一体どんな話しがあるんだ?)


そこからエリザベートが話し始めた内容は、俺に取っては予想外過ぎるけど、本当に重要な事だった。

いつも読んで頂きありがとうございます!


次回、話しの内容と服装の指示の意味が明らかに!

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