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20/22

新年度開始!新人教育

 春、新年度の季節がやってきた。


 「それでは新入社員の皆さんを紹介します」


 部長が春からの新入社員を皆に紹介していた。


 「そういえばあなたがインターン生で来てもう1年経ったのね。 早いものだわ」


 「嫌だなぁ晞咲さん、時空がバグっていますよぉ~」


 ゆいちゃんが入ってきて本当に1年だけ経過したのか怪しいところであったが、晞咲さんが感慨にふけっていた。


 -30分後-


 「さとの君さとの君」


 「はい何でしょうか?」


 部長に呼び出されるゆいちゃん。


 「先程紹介した新入社員の湯銭良奈くんだ、歳も近いしせっかくなのでしばらくの間色々と教えてあげて欲しいんだ」


 「よろしくおねがいします!」


 「わかりました、みっちりと教えてあげましょう!」


 というわけでしばらく女性の新入社員の面倒を見ることになった。


 …………


 「それでは自己紹介をしましょう。 私はさとのゆい、一応営業部所属で元々経理部門から働きだしました。 現在大学院生でインターンでこの会社に来ています」


 「専攻分野は何ですか?」


 「『地元銭湯から全国区アイドルになる方法』について研究して実践もしています」


 「すご~い、じゃあ将来全国区のアイドルになる予定なんですね!」


 「その予定です!」


 「何テキトーなこと言ってるのよ……」


 本当のようでかなり疑わしいことを語っているのに思わずつっ込んでしまった晞咲さん。


 「テキトーとは何ですかテキトーとは!」


 「いやそんな研究聞いたこと無いわよ…… どんな大学院なのよ……」


 「さとのさんこの方は?」


 「営業部の御崎さんです」


 「御崎じゃなくて晞咲よ! 久々ねそのネタ!」


 「晞咲ぱいせんです」


 「よろしくおねがいします、晞咲ぱいせん」


 「ぱいせんじゃないわよ! 晞咲心澄です! きちんと晞咲先輩と呼びましょう!」


 いきなり威厳を失うような紹介をされてかなり不服のようであった。


 -昼休み-


 「近くに美味しいお店があるのでお昼はそこに行きましょう」


 「なんのお店ですか~?」


 「ガチョウの卵を使ったオムライスのお店ですよ」


 「すご~い、ガチョウの卵なんて聞いたことないです~!」


 -午後-


 「それでは見積書を作ってみましょう。 見積を作るのも基本は営業の仕事です。 お客さんからご依頼があった製品を取引先から仕入れて、うちの会社の利益を70%載せて販売します」


 「この取引先さんからの金額をベースに計算すれば良いんですか~?」


 「そうです、計算としてはここの金額を0.3で割った数字で見積を作って……」


 -夕方-


 「定時になりました。 本日は書類関係のことは一通り教えられたのでまた明日もやってみましょう」


 「は~い、お疲れ様でした~。 お先に失礼しま~す」


 「えっ、何、ものすごく順調に教えられてるわね……」


 「当たり前です、晞咲さんのような無茶ぶりな教え方していたら初日に退職代行使われますよ!」


 「悪かったわね……」


 初日は難なく教えることが出来たようでドヤ顔を決めていた。


 「それはそうと明日は確か晞咲さんの商談がありましたよね? せっかくなので私と湯銭さんも同行して様子を見せたいと思います」


 「まぁ良いけど……」


 -翌日 都内某所-


 「という工程になっていまして、納品時にこちらで確認を取ったうえで各種対応を行いますのでご安心ください」


 「承知しました、それであれば大丈夫です。 ありがとうございます」


 …………


 「というわけで契約完了よ。 どう? この華麗な腕前は!」


 「湯銭さん、あっさりと契約完了していて凄いと思いますよね。 でもこれは晞咲さんが特殊な体質と運勢を持っているからであって普通はこんなに都合よく話がまとまって契約締結まで行くことはありません。 努力に努力を重ねてようやく1件契約が取れるかどうかというところです。 目指すべきところではありますがとは言えやや現実離れしている側面もあるのでもし今後営業職になる場合は地道に一歩ずつ頑張って行きましょう」


 「はっ……はい、頑張ります~」


 「えっ、ちょっと何、それ誉めてるの……?」


 誉めているのか暗に文句を付けているのかわからないようなことを新入社員に教えていたのであった。


 -3週間後-


 「さとのくんさとのくん」


 「はいはい何でしょうか部長」


 「湯銭くんの教育ありがとう。 大まかなことは済んだように見受けられるので少しずつ湯銭くん一人で色々させて行こうと思う」


 「お役に立てて良かったです!」


 どうやら教育期間が無事に完了したようであった。


 「御礼にこの旅行チケットあげるから今度の連休にでも使ってよ」


 【静岡県伊豆半島一泊二日チケット】


 「伊豆半島と言えば静岡県ですね。 綿海位なら立ち寄ったことがありますが伊豆は行ったことがありません。 せっかくなので使わせてもらいます、ありがとうございます!」


 早速今度の連休で行ってこようと張り切っているゆいちゃんのところに晞咲さんが通りがかった。


 「あら、良いもの貰ったじゃないの」


 「前に行った北海道の時と違って1人分しか無いようなので残念ながら晞咲さんを残して私一人で行ってきます!」


 「全く残念そうに聞こえないんだけど……」


 「あっ、晞咲くんも欲しい? じゃああげるよ」


 「あら、ありがとうございます♪」


 「えっ、ちょっと、部長! 晞咲さん別に何もしてないじゃないですかぁ!?」


 「そう言わないでよ、さっき残念ながらって言ってわよね? 良かったわ、これで一緒に行けるから残念な思いをさせずに済むわね」


 「晞咲さん、笑っているようで全然顔が笑っていないですよ!」


 こうしてまたしても2人で旅行に行くことになった。


 今回は静岡県、果たしてどんな旅が待っているのか。

X(旧Twitter):https://twitter.com/satono_yu


@satono_yu フォローよろしくお願いいたします!


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