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第15話城内乱闘編2

俺とケントは1階の中広場で別れた。

ケントは最後に、「リューホをしっかり連れてくるのだぞ。絶対にな」と言って自分の目的のために走り去っていった。


「連れてくるよ。絶対にな」


俺は一言呟きリューホがいる6階の伝言室……………………あれ? 7階だったかな? ……………………………………忘れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~。

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう、どうすればいいんだ。解らないぞ。

いや、待てよ。城内にいる人に尋ねればいいじゃないか………いや、ダメだ。普通に怪しまれてしまう。さて、どうすればいいんだ。

俺は考えてみたが、一つもいい案が思いつかなかった。しかし、ふと近くの壁にあったものを見て自分が今まで考えていたことが無駄だったと思い知らされる。


7階 伝言室

6階 ────


現在地 1階 大広間北


「…………………」


何だ? このボード。何々えぇーっと、城内来客用案内板。つまりあれか、他の国から使者がきたときのためのものか。そういえば、俺が騎士団にいたときはこんなものが無かったからよく広くて迷ったな。

っていうかつまりは……………………………。


「ふぅざぁけぇるぅなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」


俺はきれた。

なんだよ。こんなにも親切になったのかよ。どうしたんだよこの国は―――――――――――――――――。


俺がきれてから1分が経過。ようやく怒りが収まり周りを見渡してみた。ざわざわ。少し騒がしいと思ったら騎士がだんだん集まってきた。この状況をどうすればいいんだ。


「お前は何者だ!」


騎士が俺に問いかけてきた。騎士は見る限り俺のことを怪しがっているみたいだ。


「俺は騎士団副団長ケントの命を受けてここにきた元騎士団のナヲユキだ。トイレに行っていたらケント…………副団長とはぐれてしまったので探していたところである」


俺はリューホを探していたことを隠すためにトイレに行って迷子になってしまったという設定にした。しかし、ケントのことを副団長と呼ぶなんて屈辱だ。嫌味を言う時なら言っていたけれども。


「そうか、なるほど」


納得してくれたようだ。良かった。騎士の様子を見る限りもう怪しがってはいなそうだ。


「ケント副団長のところへ案内してくれ」


「ええ、いいですよ。あなたの屍をあの人の元へとねぇ」


「っ!」


こいつ一体何を言っている。


「こいつ何を言っているですか、解らないのですか? 私はあなたに死ねと言っているのですよ」


「お前、まさか読心術を使えるのか?」


「ええ、私の魔導器テレバスターの能力ですよ。この能力の対象となった者は、自らの思考を私にさらすことになります。つまりは、お前達が考えている皇女リーザ様の逃走計画は私にバレバレなんだよっ」


「くっ、くそ」


やばい大ピンチだ。まさか、こんなに早く作戦が向こうにばれるとは。


 「まったくバカな奴らだ。団長と筆頭大臣に伝えろ。ケント副団長に反逆の疑いあり。ただちに拘束しろ」


「はっ。分かりましたコーキ上等団員様っ!」


騎士団の連中は連絡のために去ってしまった。それよりこいつは……上等団員だと。騎士団には、団長、副団長がいるがその下に上等団員という集団がある。特にこいつはたぶん上等団員のトップであり騎士団ナンバー3の上等団員筆頭かもりれない。


「さすがは元騎士団だけあって相手の強さを読めるじゃないかぁ。ナヲユキ元中等団員筆頭さんよぉ。そうさ俺は上等団員筆頭だ。ちなみにお前とは同期である。まあお前は俺なんかのこと知らないと思うがな。当時のお前は弱きものには見向きもせず、ただ帝国の敵を殺すだけの殺人鬼だったからなぁ」


ちっ。しかも俺のことを知っているし。こいつは俺と同期かよ。やばいなどうすればいいんだ。このままだと戦うしかないか、あいつの魔導器は戦闘補助系の能力だ。見た目は鈴だから戦闘能力は皆無のはずだ。やるしかない。


「ハハッハハハ。鈴型の魔導器だから戦闘能力が無い。そう思うなら来いよ。相手にしてやるからよ」


「ふん。挑発ですか? 上等団員筆頭が元騎士団員である俺に対して。戦闘能力が無いから言葉で罵倒しているにしか見えませんね」


逆に俺も挑発してみた。しかし、コーキは眉ひとつすら動かさず平然と聞いていた。

挑発は無意味か、それなら…………。


「おっついに私に対して攻撃するのですか?」


「ああ俺は……………………………」


逃げた。コーキとは逆方向に向かって走り出した。


「悪いが、あいにくお前の相手をしている暇はないんだ」


「お前は私を、私をよくもバカにしましたね。いいでしょうそれなら絶対に殺す」


「!」


逆効果かよ。あいつを怒らせてしまった。コーキの周囲から馬鹿でかい力が発せられている。この状況はまずい。どうすればいいんだ。


「相手の心を惑わし偽りの現実を見せつける相手の心を破壊し尽くし自らは偽りの勝利をし続ける、私の魔導器よ鳴れ魔導器『テレバスター』警鐘!」


グニャリ。俺の世界は揺れた。




 次回予告 

 コーキの魔導器の能力とは一体? ナヲユキは無事勝てるのか?


 ということで、いよいよファンタジーらしく戦闘シーンが始まりました。

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