悪役姫を救いたい!!
私は震えていた。
今、まさに私の目の前に最推しがいるのだ。
真っ直ぐな黒髪に青い瞳。
知的な雰囲気を漂わせる美少女は
優雅にスープを掬っている。
『花姫は王太子に溺愛される』の
悪役姫、ノクタヴィアだ。
実写のノクたん女神ですか?
「……ベルティーナ、どうしたの?」
「あ、や、お姉様は今日も素敵だなって」
へへっと笑うと、ノクタヴィアはぷいっと
そっぽを向いた。
「お世辞は結構よ」
そう、ノクタヴィアは
ツンデレなんですよ、皆様!!
ツンデレが故に皆から誤解されて
孤立する孤高のお姫様が書きたくて……っ!!
って、あれ?
ノクタヴィアって、ベルティーナを
殺害しようとした罪で断罪されてなかったっけ?
妹の婚約者のウィリアムが好きで、
嫉妬するあまり、ジュースに毒を入れて
殺そうとした……。
でも、あの物語はエタっちゃったけど
ノクタヴィアは黒幕によって罪を被せられた
だけという構想が私の頭の中にあった。
どうしよう。
このままだとノクタヴィアは……
「ノクタヴィア、3日後には
卒業パーティーが控えておるな
ドレスはもう選んだのか?」
はっ!!
卒業パーティー!!
卒業パーティーでノクタヴィアは
断罪されて処刑されちゃうんだ!!
てか3日後!?
3日後なの??
そんな……。
時間ないじゃん。
「ベルティーナもそう思うでしょう?」
「……」
「ベルティーナ?」
気遣わしげな声に顔を上げると
ノクタヴィアは首を傾げていた。
その瞳には信頼が宿っていて、
私の心に灯がついた。
「お姉様!!何としてでも
私はお姉様を守り抜いてみせますっ!!」
待ってろよ、卒業パーティー。
私の最推しを破滅させてなるものかっ!!




