黒歴史に転生しました!!
ねえ、なんで私、
黒歴史小説のヒロインに転生してるの?
姿見を見て呆然とする。
腰まで伸びた波打つローズクォーツ色の髪。
髪と同じ色の猫を思わせる大きな瞳。
白い肌。
顔立ちは綺麗というより可愛い系で
いかにも《《私》》の好みだ。
白い頰をつねると、ちゃんと痛い。
鏡の中の私は片目をつぶって頰をさする。
嘘。
どういうこと??
確か私、ブラック証券会社から帰って
部屋の片付けをして……。
そうだ、懐かしの黒歴史ノート
(タイトル:花姫は王太子に溺愛される)が
出てきて懐かしー笑 マジの厨二病じゃん笑
なんて思いながら読んでたんだ。
……そこからの記憶がない。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
頭を抱えて赤い絨毯の広がる床を転がる。
噂の異世界転生確定じゃんコレ。
もうやだ、死にたい。
いや死んではいるんだけど。
嫌だよ、自分の書いた世界に転生なんてさ!!
毎日が黒歴史じゃん!!
そこは夢であれよ!!
……しかも、私が黒歴史の主人公?
可愛いけど、陽キャなヒロイン?
うわぁぁぁぁ!
ベルティーナちゃん可愛いけど!!
可愛いんだけども!!
陰の者にベルティーナ役はキツイよ……。
せめて私の最推しの
ノクタヴィアちゃんが良かった……。
がっくり項垂れているとノックの音が響いた。
「ベルティーナ様?凄い音がしましたが……」
心配そうに顔をのぞかせる侍女のエリシア。
うわ、私のキャラが動いてる……。
「あ、な、何でもない!
ただちょっと怖い夢を見ただけよ」
「まあ、どんな夢を?」
「え、えっと、
自分が創った世界に転生する夢、かな」
苦笑いを浮かべるとエリシアは
不思議そうに首を傾げた。




