表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/251

ゴール騒乱 20

短編で投稿した「始まりの森 モエナの災難」の続編になります


https://ncode.syosetu.com/n4919ie/

「彼らは私達に警告してくれています」


モエナは地面に残っている土色のローブに矢を放つ


以前はなんとなく目の前の魔物に向けて矢を放った


しかし今マミューを明確に狙って放たれた【破魔の矢】が土色のローブに命中する


「ギャャャャーーー」


ロープの裏に隠れていたマミューが叫び声を上げながら現れる


矢から大小五つの魔法陣が現れマミューの五体を縛る


「ふざけるなぁ」


マミューが叫び、3人を貫こうと地中から(とが)った根が伸びる


キースがとっさにモエナを庇い、ナナシが根を避けて飛び上がる


マミューは右腕をグゥーーンと長く伸ばし、飛び上がったナナシの右足を掴む


「道ずれにするには、ちょっと小粒で不満だが」


その瞬間ナナシを掴んだままのマミューが光の矢となって天に上る


その光の矢跡を呆然と見続けるモエナであった




後にゴール騒乱と呼ばれたネクロマンサーマミューが起こした混乱はゴール大公国の滅亡という形で幕を閉じる


オロロン司祭を初め西外教会本部関係者は人面樹にならなかった民を西外教会に集め立てこもっていた


ハンター組合や商業ギルドの幹部が人面樹に変化し機能不全を起こしゴーラットからの脱出も困難になっていた時、モエナの【浄化の虹】によって救われる


バレンシア王国はズース城から兵を進行させず国境を固く閉鎖する


その後、キースから連絡を受けたダンズウェルス枢機卿率いる西地区教会がゴール大公国に入り人面樹キメラ浄化に乗り出す


事前にルーンがゴール選帝侯ブライアンとオークスの協力を取り付けていた為、ゴール全土の動揺は最低限に収められた


一方海路マリーラットへ上陸したゴーランド帝国はこの地を預かる選帝侯オークスと協力して人面樹撲滅を行う


それは西外地区第18教会ナニガシ司祭の反対を押し切っての過酷な焦土作戦となる


キースは帝国のこれ以上の焦土作戦を止める為、ルーンの槍を率いてマリーラットへ向かう


一方モエナはオロロン司祭と共にゴーラットに残る事となる


ネクロマンサーマミューと共に光の矢となったナナシは・・・






ナナシはエミューに右足を握られたまま一条の光となって空を飛んでいた


「貴様も龍剣に選ばれし者なら魔に連なる者のはず

なぜ魔王様のご意志に従わぬ」


マミューは世間話でもするような軽口でナナシに話しかける


「僕は魔族じゃない」


ナナシは何とか剣でマミューの右腕を切断しようとするが剣は届かない


余りの速度で身動きも取れない


最悪自分の右足を切るかとも思うが、切った所でこの高さとスピードで地上に激突すれば結果は見えているし、自分がどこへ飛ばされているかも判らない


「ヒヒヒヒィ

魔族以外で龍剣を使うか

だとしたら貴様は【龍族】とでもいうのか」


エミューは皮肉を込めて薄ら笑う


龍族  長寿を生きる知恵ある龍 魔王に繋がらない最強種族


もちろんナナシは龍族ではない


ナナシの体には龍族独特のうろこも角もない


何よりも龍族は100年前の人魔戦争の時でさえ姿を見せていない幻の種族


そうしている内に光の矢となって飛んでいたナナシ達は徐々に地上へ向かって高度を下げ始める


「どうやら終点が近づいてきたようだね

もっとも僕は途中下車させてもらうよ」


そう言うとマミューは空いている左腕を伸ばしてナナシの剣を持つ右腕を拘束する


「騎士もどき君

悪いが君の体をしばらく借りるよ」

今回で「ゴール騒乱編」は終了になります

つたない文章にお付き合いくださリありがとうございました

1週間後7月9日から「黒龍との出会い編」をスタートします

聖なる地ルーン総本山へ転移したナナシを中心に物語が進んでいきます



読んでいただきありがとうございます。

よろしければ、ブックマークと評価もお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ