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再びの波乱2

 ブライダルベールの告知から数時間が経ち、俺と琥珀は新しく変えた戦士の格好をして家を出た(俺はいつものスポーティーな格好の上に薄手の黒いロングコートを羽織り、琥珀は俺と同じスポーティーな感じのの上に真っ白なフワフワのコート、もこもこブーツを履いてまさに色気も出しているがやはり可愛さの塊だった。琥珀マジ天使)。

 歩いて行くのもそれなりに疲れるので、ダメもとで虎狼に電話をかけてみるとまさかのオッケーが出て明日花さんのあの車で行くことになった。

「なんかすみませんね、今回も」

「歓迎よ、でもこの国の英雄さんに何かあったら困るからね!」

「からかわないでくださいよ、明日花さん」

 嫉妬の目で虎狼に睨まれるが、俺はにやけ顔で返してやった。

「お兄ちゃん……」

 琥珀が俺のその行動に「弱いのに喧嘩売るな」と目を合わせてきた。琥珀の目がシロの時のように鬼へと変わりつつあったから、何とかほほ笑んで誤魔化す。

「っていうか、なんで呼ばれたんだ?」

 すると虎狼が普通に聞いてきた。

「あ、言ってなかったっけ……?」

「とぼけるなよ」

「すまんすまん」

 鋭い眼差しの虎狼に、今回なんで呼ばれたかは分からないものの、ブライダルベールの映像のことは一通り話して、今回は『GKW』の戦士に声がかかっていることも言った。

「ん? でも、なんでだ?」

「何が」

「私たちも『GKW』ってこと分かってる?」

 俺の「何が」に一瞬で明日花さんが返してきた。

「あ、すみません」

「いや、別に怒ってないわよ」

 唐突の返しになぜか自分はですぐさま謝ってしまった。まあこれも最弱時代の名残だろうけど。

「でも、そうだよね。なんでだろう?」と琥珀も可愛げに首を傾げて言う。

「今回の呼び出しは一部だけになんじゃないか?」

「ってことは重要度が低いからか……」

 それを聞いて虎狼の推測も一理あるなと思った。だが。

「でも、その逆の可能性は?」

 虎狼の言い分を妨げるように明日花さんが口を開く。

 三人全員が虎狼の意見に納得しかけていたので、皆の頭の上にははてなマークが大きく圧し掛かっている。

「どういうことですか?」

 俺は率直に聞いてみた。

「みんなに言えない事情の話とか、相当王様が皆に言いたくないお話とか」

「王様が」

「いえない……」

 琥珀と虎狼がつなげて答えるがいまいちみんなピンとこない。

「つまり、」

「つまり?」

「王国に危機が迫っていること、よ」

「「「ッ!?」」」

 あまりの一言に驚愕した。そんな観点からは俺自身見ていなかった。どうせ小さな依頼か、業務連絡ほどのものだろうと考えていた。まだ正直、自分自身大した存在じゃないと感じていたからこそ、そんな自分に降りてくる案件なんて簡単で大したことなのだろうと思っていた。

「そんなことあるのか?」

「あるとも」

 危機が迫っている。琥珀の一件から考えてみれば早すぎるし、なぜホープ国ばっかにこんなにも多く危機が降ってくるのかも不思議だと俺は感じる。

「確かに……」

 すると琥珀が何か感じ取った顔で頷く。

「その可能性はあるのよ。琥珀ちゃんの一件から早いのはよく考えてみれば分かる。あの神竜との戦いで私たちの国は大きな損害を受けたのよ。この国の大部隊が大勢死んで国の戦力は落ちているし金銭的にも資源的な観点から見ても、とても戦える状態ではないわ」

 その話を聞いた琥珀は申し訳なさそうに俯く。

「あ、ごめんね。別に琥珀ちゃんを攻めてるわけじゃないのよ、あなたに罪はないんだから気にしないで」

「でも、私が……」

 今すぐにでも涙が噴き出しそうな琥珀の震えた紅色の瞳を見て俺は言った。

「お前は気にすることじゃない。俺はお前の中の悪を断ち切るときに見たんだよ、お前の心の中を。あのとき見たのは完璧に『お前(こはく)』ではなかった。邪悪なオーラに身を包んだ神竜の絶大な魂が膨張し、お前自身の心を蝕んでいた。あんな恐怖によく抗ってきたものだよ。正直あんなものに蝕まれたら、人間なんてひとたまりもないよ。だから、お前はすごい。よく頑張ったんだよ。本当によくやってくれたよ」

 琥珀は出かけていた涙を拭うが、それでも俯いていた。

 俺は琥珀の頭を優しく、温かく、思いを込めて撫でながら言った。

「お前は俺の自慢の妹だ、だから、もしもさ、自分に非があるなんて思っているのならさ。その優しい心でみんなを元気にさせてやってくれ」

 要するに、俺は「ありがとう」と言った。ここにいることだけで、俺のもとに戻ってきてくれて、ありがとうと。あれからあまり言えてなかったから心からホッとした。

 そして、そんな兄のなでなでに琥珀は無言で頷いた。

「話はずれたが、そういうことなんだな」

「そうだな」

「それも頭には入れといてね」

 無論、百パーセントってわけではないがそんなこともあり得るわけだ。これからは本当に気を引き締めなければならない。そう思って、琥珀の手を握りしめて、この先の未来を睨むかのように、目の前のブライダルベール城を見つめて俺は決心した。


 何があろうとも…………。

「琥珀を絶対に守ってやる」


 皆さんこんにちは。ふぁなおです。

 久しぶりすみませんでした。色々あって書けなくていつの間にかこんな日もたっていました。

 あらためて本当にすみませんでした。

 ですが、今日からはもう一つの作品と交互に毎日投稿してきたいと思っています。完璧にできると言い切れませんがそのつもりですので、よろしくお願いします。


 波乱緒の予感がプンプンします!

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