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派遣勇者!  作者: よん
26/31

粛清の勇者達!

~~ブレイブロード事務所~~


ガチャッ


ミディ「ただいまぁー、、、。」


フィ「ただいまですぅ、、、。」


ロゼ「おかえりなさい。ご苦労様。」


ガチャッ


ロイ「戻りましたぁ、、。」


アリ「はぁ、、もう疲れた、、。」


モナ「お疲れ様。お茶でも飲みますか?」


アリ「頂きますぅ、、。」


ノア「ロイさん!マッサージでもしますか?」


ロイ「あー、お願いしようかなぁ、、。」


ロイ(ここ最近、ブレイブロードへの依頼が急増している。今いるメンバーでどうにか対応してるけど、正直このペースはかなりキツい。

それもこれもあんな法律が制定されたのが原因だ。)



ーーー転生法。

異世界転生者の保護を目的に制定された法律。

一定の基準を満たし異世界転生者として認められた者に適用され、王都ウィザリアに滞在している限り衣食住の支給、税の免除、減刑の資格が与えられる。


転生者は異世界の技術や知識を有しているため、王政府はその技術、知識と引き換えに転生法によって生活を保護している。

その結果、王都ウィザリアでは魔法を除くありとあらゆる技術が急速に発展を遂げた。

また、貴族や商人は転生者と内密に取り引きを行うことで莫大な利益を得ている。



ロイ(グレイの一件以来、自称転生者が増えたからなぁ、、。転生法も急いで制定されたから穴だらけだし。基準があるとはいえ自己申告ってどうなんだよ、、。実際、転生者を名乗って不正に税の免除を受けようとした奴もいるみたいだし。ただ、それより厄介なのが、、)


ロゼ「疲れてるところ悪いんだけど、急ぎの依頼よ。市場で自称転生者が暴れてるから何とかしてほしいって。ロイ、ノア、お願いできる?」


ロイ「ういっす、、。」


ノア「分かりました!」




~~王都ウィザリア中央市場~~


「お客さん、困ります。」


「うるっせぇなぁ!オレは転生者だぞ!黙って飯持って来い!!あと、酒と女だ!!」


ノア「派手にやってますねぇ、、。」


ロイ「ったく、、。」


ロイ(厄介なのが転生法にある『減刑』ってところだ。これが実際にはほとんど無罪放免になるうえ、転生者に危害を加えたら逆にこっちが罰を受けるから一般市民は手出しが出来ない。警備隊の上層部や正勇者も貴族の言いなりだから見て見ぬフリ。んで、オレたちのところに『依頼』って形で回ってくるって訳だ。一応、オレたちには勇者行為が許されてるからこいつらを取り締まることも出来るけど、捕まえたところで無罪になるだけだし、釈放されればまた街で暴れるからキリがない。)


ロイ「厄介な法律ができたもんだ、、えーっとお兄さん?お店の人が困ってるからさ、その辺で止めといてもらえないかな?酒と女が欲しいなら他の店行きなよ。」


「あぁ?!なんだてめぇ!偉そうに説教してんじゃねぇよ!オレは転生者様だぞ!オレに手ぇ出したらどうなるか、、、)


ヒュンッ


チャキッ


男の喉元に小太刀を突きつけるノア。


ノア「黙れ。殺すぞ?」


「ヒィイッ!?」


ロイ(転生法があってもノアのシノビモードは脅しには効果絶大だな、、。)


「おっ覚えてろよ!!」


タタタタタッ


逃げるように走り去る男。


ロイ「定番の捨て台詞だな。」


ノア「ですね。けど、これじゃいくら注意してもキリがありませんね。」


ロイ「ノアのは脅迫に近いけどな。」


ノア「そんなことありませんよ!これでも優しく注意してる方です!」


ロイ(さっきのより上があるのかよ、、。とはいえ、この状況はどうにかしないとなぁ、、。)




~~ブレイブロード事務所~~


ロゼ「転生法、、困ったものね。」


モナ「警備隊の同僚も困ってるみたい。上からあまり手を出さないようにキツく言われてるから何も出来ないって。」


フィ「同期の正勇者も対応に追われてるみたいです。上は何もしないから全部下っ端の自分達に回ってくるって怒ってました。」


ミディ「正勇者にも上とか下とかあるんだね。」


フィ「正勇者自体に身分の差は無いですけど、上下関係のようなものはありますよ。正勇者歴が長いとかその程度のものですけどね。」


ミディ「へぇー。意外だね。」


ノア「でも、さっきの人みたいにされたら女性や小さい子は街を出歩くのも不安ですね。」


ロイ「だな。手を出す訳にもいかねぇし。」


アリ「夕方以降なんて外を出歩いてるのは転生者を名乗ってる奴らばっかりよ。暴れられたら困るからお店も早めに閉めちゃうし。おかげでこっちは外食も買い物も出来やしないわ。」


ノア「、、いっそ全員消しちゃいましょうか。」


フィ「それ、、いいね。ノアお姉ちゃん。」


ロイ「こらこら。お前ら、シノビモードは止めなさい。冗談に聞こえないから。」


モナ「まぁ、気持ちは分かりますけどね。ここまで好き勝手されると元々住んでた側としては気持ち良くないですし。」


ミディ「だねぇー。ボクもムカつくから魔法で消し飛ばしたいってしょっちゅう思うよ。」


ロイ「街ごと消しそうだから止めとけよ。」


ロゼ「、、、少しお仕置きが必要ね。」


モナ「やるの?お姉ちゃん。」


ロイ(えっ?何?この姉妹の会話。やるって何を?ってか、やるだよな?殺るじゃないよな?)


アリ「社長、何か考えがあるんですか?」


ロゼ「えぇ。まぁね。」


ミディ「何かわかんないけど、ボクも手伝うよー。」


ノア「殺るなら任せてください。」


フィ「私も手伝うよ。ノアお姉ちゃん。」


ロイ「シノビ姉妹は少し落ち着こうか。けど、どうするんですか?社長。」


ロゼ「フフッ。みんなにも協力してもらうわ。」


ロイ(なーんか、嫌な予感がするなぁ。)




ーーーその日の夜。


~~ブレイブロード事務所~~


ロイ「で、何すかこの格好。」


全身真っ黒な服を着せられた派遣勇者達。


アリ「何か、ピッチピチなんですけど。」


ミディ「ニャハッ!セクシーだねぇ。」


ロゼ「良く似合ってるわよ?」


ロイ「いや、そうじゃなくて。っていうか何でモナさんは着てないんですか?!」


ロゼ「モナは伝達魔法が得意だからね。ここでみんなに指示を出してもらうわ。」


モナ「と、言うわけです。」


ロイ(絶対着るの嫌がったな。くそっ!このシスコン姉妹め。)


ミディ「ボクは伝達魔法ってあんまり得意じゃないからなぁー。まぁこっちの方が楽しそうだからいいけど。」


アリ「そういえばノアとフィナもいないわね。」


ロゼ「あぁ、二人には先に行ってもらってるわ。闇に紛れるのはシノビの得意技だからね。」


ロイ(あいつら、、殺ってないだろうな、、。)


ミディ「で、ボクたちは何するんですか?」


ロゼ「自称転生者へのお仕置きよ♪」


アリ「お仕置き?」


モナ「転生法で本物の転生者が守られているのも事実ですが、大半は法律を悪用した自称転生者です。そう言った人達に罰を与えて化けの皮を剥いでやろう、というわけです。」


ロゼ「名付けて!『勇者に変わってお仕置きよ!作戦』!!」


ロイ(その作戦名はアウトだろ、、。ってか、オレらも一応勇者なんですけど。)


モナ「3人には身体強化魔法をかけたあと、ノアとフィナのバックアップをしてもらいます。ミディア、魔法をお願いできますか?」


ミディ「おっけー。任せて!

ーーー精霊よ。我らに聖なる加護を。」


白い光が3人を包み込む。


ロゼ「それじゃ、作戦開始!!」




~~王都ウィザリア市街地~~


ヒュッ


タタタタタッ


民家の屋根の上を疾走する3人。


ロイ「体が軽いな。屋根の上を走ってるのに普段よりかなり速く走れるし。」


アリ「すごい魔法ね。これなら二人に追い付けそうだわ。」


ミディ「でしょー!便利だけど結構難しいんだよー!」


アリ「さすがミディアね。」


ミディ「ニャハハッ♪」


ロイ(天才の実力ってやつか。まぁ魔法無しでこれをするあのシノビ姉妹は化け物だけどな。)


「ヒィアアア!」


ロイ「!あっちからだ!」


声の方へ駆け付けるとへたり込み失神する男とフィナがいた。


ロイ「フィナ!」


フィ「あっ、みなさん。遅かったで、、、その格好は?」


アリ「そこには触れないで。」


ミディ「ニャハッ♪フィナちゃんの服はかっこいいねぇー!ボクたちのとは全然違うや。」


フィ「はい♪ノアお姉ちゃんとお揃いのシノビ装束なんです!」


ロイ「へぇー。で、そのノアは?」


フィ「あー、多分他の獲物のところだと思います。社長から自称転生者の居所をある程度教えてもらってるので手分けして狩ってるんです。」


ロイ「獲物とか狩るとか言うなよ。」


ロイ(すっかりシノビだな、、。)


アリ「どうする?みんなで追う?」


ジジッ


モナ「みなさん。聞こえますか?」


フィ「はい。聞こえます。」


アリ「伝達魔法ってこんな風なのね。」


ミディ「ボクも初体験ですー。」


ロイ(どういう原理なんだろ、、。)


モナ「ノアの向かった方向と逆方向にも対象がいるので二手に分かれて行動してください。」


フィ「了解です。」


ロゼ「みんなあと少しだから気をつけて頑張ってね。」


アリ「はーい。」


ロイ(社長はどうやって会話に入ったんだよ、、。)


フィ「では、アリシアさんとミディアさんは私と一緒に。ロイさんはノアお姉ちゃんの方へ向かってください。この布を巻いていれば気配を追えますので。」


ロイ(シノビの術式だっけか。いつだったかノアがやってたのと似たようなやつか。)


フィ「では後ほど。」


ヒュンッ


アリ「速っ!魔法かけてないわよね?!」


ミディ「せんぱい、気をつけてくださいね。」


ヒュンッヒュンッ


ロイ「さて、オレもノアのとこに行くか。こいつで気配を追えばいいんだったな。」


ロイ(まぁ、追わなくても分かると思うけど。)


ヒュンッ



~~15分後~~



ロイ(んー、思ってたより見つからねぇな。それとも、もう終わったのか?一応布はこっちを示してるけど、、、。)


「ヒィアアアッ!!!」


ロイ「あっ、いたっぽいな。」


声の方へ駆け付けると泣きながら命乞いをする男と足が浮くほどに男の胸ぐらを掴みあげるノアの姿があった。


「助けて!助けて!助けて!」


ノア「この期に及んで命乞いか?もう一度言う。正体を白状するか死ぬか。選べ。」


ロイ(うわぁー。がっつりお仕事中だし。ってか、あのオッサン足浮いてないか?ノアさん力持ちですね。じゃなくて。助けないと本当に殺っちゃいそうだな。)


ロイ「ノア!」


振り返った顔は正にシノビのそれだったが、ロイを見た瞬間にいつもの少女の表情に戻った。


ノア「ロイさん!どうされたんですか?」


ロイ「ノアと合流するようにって言われて探してたんだよ。」


ノア「そうだったんですか。ご苦労様です。」


ロイ「うん。けど、まずはその人、、下ろしてあげようか。」


ノア「あぁ。すいません。ついうっかり。」


ロイ(ついうっかりって。可愛いやつめ!胸ぐらを掴んでなければだけど。)


「はぁはぁはぁ、、。」


ロイ「あんた。本当に転生者か?」


「はぁはぁはぁ、、ちっ、、」


チャキッ


男の喉元に小太刀を突きつけるノア。


ノア「おい。聞いてるんだ。答えろ。」


「ヒィイッ!?」


ロイ「ありがとな。ノア。けど、すぐそれするのやめような。で、質問の答えは?」


「ちっ違います。ウィザリア生まれです。」


ノア「ちっ、、ロイさん。指くらいはいいんじゃないですかね?」


「ごめんなさいぃいい!!」


ロイ「うん。指もやめとこうか。あんた、それ、警備隊でも話せるか?」


「はいっ!!全部話します!!」


ロイ「んじゃ、警備隊行って話して来るように。もうくだらねぇことすんなよ?」


「はいっ!!すいませんでした!!」


ジジッ


モナ「ロイさん。ノア。聞こえますか?その男が最後のようです。お疲れ様でした。他の皆さんはもう戻っているようなのでお二人も戻ってください。あっ、くれぐれも街の人に見られないようにしてくださいね。」


ロイ「了解です。ふぅ。んじゃ、帰るかノア。」


ノア「はい♪」


「はぁあ、、、」


ノア「おい。」


「はいぃっ!?」


ノア「ここで見たこと、聞いたこと全部忘れろ。いいな。誰かに話してみろ。どんな手を使ってでも探し出して貴様を消す。」


「はっ、、はい、、、」


ロイ(容赦ねぇなぁ、、、とは言えこれで少しはバカな自称転生者も減るだろ。)


ロイ「さっ。帰って寝ようぜ。」


ノア「はい♪」



この夜を境に自称転生者は姿を消し転生者による犯罪も激減した。

同時に転生者の間で「街にアサシンがいる」という噂が密かに広まった。



作戦完了!!

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