ロマンチックな夜
誰だってロマンチックに過ごしたいですよね。そんな夜は、。。。
灯台の灯りが時折近くの夜空を明るく照らす。
それが過ぎると月明かりの中で、一斉に星空が輝きを取り戻す。
男女が心地良いさざなみの音を聞きながら、きめ細やかな砂の上に寝転んでいる。
彼女は、彼の腕枕にうっとりしている。
「ねぇ、あなた」
「ん〜、なんだい?」
「『あなた』って呼べるなんてとっても素敵」
彼女は彼を見つめながら、はにかんでいた。
「突然なんだよ。急にそんなこと言い出して、。。。」
彼は彼女を見つめ返して、さらに彼女の頭をのせている腕を近づけ、互いのおでこをくっつけた。
「だって私達、いろいろあってようやく一緒になれたんだもの」
「そうだよな。何かある度にこうやって星空を眺めていたよね」
「そして流れ星を見て、一瞬の流れ星に願いを叶えようとしていたわ」
「なんか懐かしいな」
「えぇ、そうね」
「まあ、それも過去のことだ。これからは楽しい家庭を築いていこう」
ふたりは再び夜空を仰いでいた。
するとひとつの流れ星がスッと横切った。
「見た?今、流れ星が流れたわよ」
「あぁ、見たよ。流れ星に願い事をした?」
「ほんの一瞬だから、今までのように後でお願いするわ」
「確かに、一瞬だもんな。それでも、良いことがありそうだね」
「そうね。。。それにしても、なんだか急に暑くなってきたような気がしてきたわ」
「僕もだよ。それは、ふたりの愛が燃えている証拠なんじゃない?」
「ふふふ、そうね」
それからふたりは起き上がり、仲良く寄り添って近くの新居に帰っていった。
しばらくして、夜空に数えきれないほどの流れ星が流れ始めた。
実は、地球が軌道を外れていたのだ。そして、地球は加速しながら流れ星のごとく激しく燃え上がって消滅した。
他の惑星で夜空を眺めていた若いカップルは目を輝かせていた。
「今の見たかい?ちょっと長めの綺麗な流れ星だったよね」
「本当に綺麗だったわ。感動しちゃった。きっと私たちの願いが、なんでも叶うわね」
― F i n ―




