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怒りの果て


コンコン・・・



「柚子様、ドアを開けていただけませんか?」



柚子は、龍鬼の要求に一切応えない。首を横に振るだけ。その奥で桃花は怯えながら陽菜にくっついていた。



「仕方・・・ありませんね。」



そういうと、龍鬼はドアの向こうで呪文を唱えた。来靭と陽菜、月星の身体が動かなくなり、意識を失っていく。その間に、桃花と柚子の身体を透明のベールがシャボン玉のように包み込んでしまった。そして、そのまま車をすっと透明人間のように車をすり抜け、やがて車の外に飛び出してくる・・・。



龍鬼の前でそのベールは消え、姫達の身体は地面に着地。龍鬼は姫達と目線を合わせるようにしゃがむと・・・



「桃花様、柚子様。どうしてこのような事をされるのですか?」



と姫達に問いかけた。しかし、姫達はその問いかけには一切答えなかった。その時、柚子の視界にある光景が飛び込んでくる。運転席に向けて銃を構える緑虎の姿だった。




「やめろ・・・」




柚子の身体が赤黒い炎に包まれていく。しかし、緑虎は銃を構えたまま・・・




「やめろって言ってんだろ!!!」




柚子は、獲物に飛び掛る狼のように緑虎に飛び掛る。そしてそのまま本能のままに殴りつける。

龍鬼は、柚子を後ろから羽交い絞めにして、何とか緑虎から引き離すことは出来た。しかし、柚子の怒りが収まらず、龍鬼から離れようと暴れだす。



「離せ!」



柚子は、龍鬼を振り切って再び緑虎に飛びかかろうとする。龍鬼はとっさに呪文をかけようとしたが間に合わない。

龍鬼は、緑虎に飛びかかろうとした柚子を、後ろから抱きしめる形で押さえ込み、そのまま引き離すように後ろに下がろうとする。しかし、その瞬間柚子の身体を取り囲む炎が勢いを増す。


柚子の身体が耐えられないくらいに・・・


やがて、その炎の勢いに耐え切れず、高速道路の橋が半分崩壊。柚子は龍鬼が必死に抱え結界を張ったが、その横で桃花がくまの人形の抱えたまま真っ逆さまに海へ落ちていこうとしていた・・・




「桃花様!!」




桃花が壊れた橋のほうに必死で眼を向けると、傷だらけの緑虎が桃花に向って落ちてきていた。

緑虎は、桃花の所まで来ると桃花の手を掴み自分のほうへと引っ張った。

そのまま抱きしめると、海面ギリギリで結界を張るとそのまま海の中へと吸い込まれていった・・・。



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