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序章

 ・・・高田良作が、その悲しい知らせを受けたのは、令和4年の11月下旬だった。


 それは、とつぜん舞い込んできた、まさに「青天(せいてん)の霹靂(へきれき)」というべきものだった。


 「遠山里香の訃報(ふほう)」。


 ・・・自殺だった。


 遺書もなかったそうだ。


 知らせを受けて、彼女の自宅へ飛んでいった良作だったが・・・


 里香の母からも、彼女が死を選んだいきさつや、悲しい動機というものを聞き出すことはかなわなかった。


 彼女の葬儀に参列した良作。


 ・・・しかし、涙は出ない。


 「なぜだろう。里香ちゃんが亡くなって、こんなに悲しいのに・・・。」


 いまだに里香の死が受け入れられないまま、時間だけが、ただいたずらに過ぎてゆく。


 「・・・きっと、里香ちゃんの心の支えになってやらなかったからだ。あんなにぼくを助けてくれた彼女を、ずっとほったらかしにしていたせいなんだ。美絵子ちゃんの双子の妹の峯岸美代子ちゃんとぼくとの、その後のいきさつも、一言だって里香ちゃんには告げずに、ただ黙っていて・・・。」


 良作は、その後も自分を責め続けた。


 「ごめんよ、里香ちゃん。ぼくが悪かった。本当にごめんよ・・・。」


 そんなおり、彼の元に、一通の手紙が舞い込んできた。


 差出人は・・・


 田中理沙だった。

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