第40話 殿下
「これで、一応全部終わったな!ボリスもありがとうな!」
「おう、アレク。お疲れ様!!」
俺とボリスの仲は、今回のクエストで完全に修復された。
イブラルタルに帰った後は、今回の報酬で高い酒を奢ってもらって、完全に仲直りだ。やっぱり、ボリスは本当に頼りになった。俺たちの夢を、一緒に見てくれると言ってくれたこと、本当に嬉しかった。
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「俺はずっと熱病にうなされていたんだよ。ニコライのパーティー仲間だったから周囲にチヤホヤされて、長い物には巻かれて、やばい行動をしようとしていたニコライを止めてやることすらできなかった。仲間失格だ」
「だけどな、ナターシャさん?キミたちが俺の目を覚まさせてくれたんだよ。キミたちは、人類最強の男である勇者ニコライを倒した。キミたちの信念が、伝説の勇者すら倒したんだ。キミたちは伝説級冒険者にならなくちゃいけない。だから、ここは俺が守りきる」
「笑わせねぇ!ふたりの夢を、笑っちまった、俺が言える道理がねぇが、もう誰にも、あいつらの夢を、笑わせねぇ!アレクは、絶対に伝説級冒険者になる。だから、お前には笑わせ、ない」
※
ナターシャもそうだろうが、このときのボリスの言葉を俺は生涯忘れることができないと思う。
「ボリスさん、私からもお礼を言わせてください。本当にありがとうございます。あの時のボリスさん、本当にかっこよかったですよ。先輩がいなければ、好きになっちゃうくらいでした!」
「ああ、ナターシャさんのことを約束通り守れてよかったよ。ちなみに、アレクは、口ではあんなことを言ってるけどな、キミのことをいっつも自慢していてな?」
ボリス、ストップ!俺の黒歴史を掘り起こすなと慌てて、あいつの口を塞いだ。
「私は結局、あまりお役に立てなかったですね。あなたに守ってもらってばかりでした」
「マリア局長も次があるからな。そっちで取り戻してくれよ」
「はい、がんばります!!」
「じゃあ、俺は一足先に艦に戻っているから。じゃあな」
「えっ!?私たち、これからお土産屋さんにでも行って、少しだけ観光しようと思っているんですが、ボリスさんも一緒にどうですか?それに、その後はルーシー王国の国王様に招かれて、祝賀会があるんですよ。ボリスさんも、チームの仲間なんだから、参加しましょうよ!」
「そうだぞ、ボリス。せっかく、宮廷のご馳走が食べられるんだ。チャンスだぞ。"命の水"とも呼ばれるうまい酒もたくさん用意してくれているそうだし!」
「逆に断るのは非礼ですよ!」
「悪い、その国王様と会うのには、1つ問題があって……」
ボリスは珍しく顔色が悪い。なんでそんなに動揺してるんだ?
「いらっしゃったぞ、アレク様御一行と、ボリス殿下だ!!すぐさま、確保しろおおおおお!!!」
俺たちの前に謎の集団が現れた。というか、ボリス殿下って言わなかったか?
「やばい、間に合わなかったか……」
ボリスはあきらめて、天を仰ぐ。
「えーっと、あなた方は?」
俺はとりあえず謎の集団に自己紹介を求める。見た感じ、敵意はないのが分かっているが、一応、警戒しておく。
「申し遅れました!私はルーシー王国宰相・クトゥーゾフと申します。この度は国王陛下から、救国の英雄である皆様の接待を申しつけられているのです。観光したい場所などあれば、何なりとお申し付けください!」
「ありがとうございます!私は、ギルド協会会長官房長のアレクと申します。それで、宰相様、いまボリスのことを殿下っておっしゃいましたよね?」
ずいぶん、元気な宰相さんだ。
「はい、アレク様。もしかしたら、ご存じないのでしょうか?そちらのボリス殿下は、我がルーシー国の第2皇子です。私も、ボリス殿下の傅役 として、長くお仕えしておりました。なので、見間違うわけがありません」
「えっと、ボリスさんってもしかして、王子様なんですか?」
ナターシャも信じられないという顔で聞いた。
「もしかしなくても、れっきとした我が国の王族です。王位継承順位も第3位でいらっしゃいます!」
「「「えええぇぇぇぇぇっぇええええええ」」」
本日の更新はこれで終わりです。
また、明日もよろしくお願いしますm(__)m




