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事後処理

ちょっと指の内部の構造弄って警察に電話をかける。


親指から音声が流れて、小指がマイクだ。


「もしもし、ホームレスが数人倒れているのですが」

「何処でしょうか?」

「殿田公園近くです」


どうやら現代日本とはやっぱり違うようで、地名もそれなりに異なっていた。少なくとも俺は『殿田』などという地名は聞いたことはない。


「ハイ、では今からそちらへ向かいますので、お待ちいただけますか?」

「分かりました」


待っているのが面倒くさいので適当な周囲にいる人間の頭の中に客観的な視点で見ていたような記憶を打ちこみ、ここに来るように誘導しておく。


で、まぁストーカー本人を事務所にワープさせ、俺は離脱する。警察なんて面倒臭くて構ってられんからな。


――で、まぁそこらの公園のベンチに座っている依頼人を発見する。


「終わりました。どうします?事務所にとりあえず軟禁していますが」

「……一回、話し合ってみたいと思います」

「そっすか。まぁ報酬は後でいいんで適当に話し合ってください」


その後、会話も特になく事務所に帰った。まぁ特に記述して残すようなものはない。


あえて残すとしたら、やはり今日は不幸だった、と言う事だろうか。やはりテレビで流れている運勢なんぞ当てにならんという事だな。


運勢がいいのならば公園からガキどものキックしたボールが頭に直撃するなんて事態は起こらないであろうから。


「にしても、今日はちょこっと運が悪かったですね」

「そうですね」


依頼人はそれを当然のように答えてくるものだからいつもこんな目にあっているんじゃあないか?と想像が働くが、特に俺には関係はない。


これが終わったのなら、只の他人に違いは無いのだ。


「あ、話し合いの時、近くに居た方がいいですかね?」

「…いえ、大丈夫です」


ま、なんとかなるだろう。適当に暴力を振るえないように脳内に厳重に命令しておけば問題なし。


(こう考えると、能力ってかなりヤベーよなー)


まるで他人事のように考える。他人の脳内を弄りまわすのなんて朝飯前だし、頭の中にどんな罵詈雑言があろうが特に気にすることがない。


慣れ、という程の慣れではないが、それなりに恐ろしい。まぁ俺の存在自体がもっと恐ろしいものなのだが。


「では、俺は事務所の外で待ってますので」

「はい」


因みに部屋のものは盗難されないようになっているのでセキュリティー面では安心である。


でなければ事務所の中に二人の人間を放置するなんて普通はしないだろう?

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